デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (中) (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150120504

感想・レビュー・書評

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  • 映画を観て、マイ生涯Bestの一冊「指輪物語」に似ていると思い、2年前の12月に(上)を読み終えた。私の2つの合格基準の1つである「物語の最初から既に物語世界は完璧に出来上がっている」という事は確認した。そして、世界が作者によって作り込まれているからこそ、本来ならば答え切ることが難しい種類の「問いかけ」がなされても、作者はこのファンタジー世界の中でなら、明確にその答えを出すことができるのである。その事がもう一つの合格基準なのであるが、(中)を読んだ限りでは、その「問いかけ」とは「世界の平和」ということになるのだろうか?未だわからない。

    西暦102世紀の宇宙の彼方、既にAIは捨て去られ、その作業の多くは演算能力者(メンタート)という国に1人いるかいないかの人間に託されているようだ。ラスボスらしき(?)ハルコンネン男爵は、自国のメンタートを失ったあと、敵国のメンタートを巧妙な嘘で取り込む事を画策する。とりあえず(中)に於いては、主人公ポールの父・レト公爵を謀殺し、アラキス(砂の惑星)の統治権を得た男爵の、綱上を渡るが如き政治が描かれた。一方、惑星住民フレメンと合流したポールとジェシカ母子は、フレメン世界の思いの外の広がりと豊かさと伝統を目にし、尚且つ母子には、その持つ特異な能力が花開きつつある。というのが簡単過ぎる概略ではある。

    途中何度も後世の史書であるプリンセス・イルーランの著書の一節が挿入される。これがこの物語の大きな特徴である。「銀河英雄伝説」における「後世の歴史家」の位置付けだろうか。〈未来から物語る過去〉という構造は、多くのファンタジーが採る「仕掛け」だ。ただし、イルーランはムアッディップ(ポール)の伝記やこぼれ話、談話などを著していたので、てっきり主人公ポールの娘だとばかり思っていたのだが、今回違っていたことが判明した。未だ登場していない、「あの人」の娘だったのである。これは驚きだった。だとすると、ポールの運命が突然不安定に見えてくる。ポールの未来には、プリンセスはいないのか?

    (上)に於いて、この物語は、レト公爵の息子たるポールが、砂の惑星の救世主となり(そういう伝説がフレメンにも伝わっている)安寧をもたらす物語だと思っていた。しかし、イルーラン問題然り、(中)途中で、何度も予知能力を持つポールが、「予知は完全ではない」と呟くように、単なる救世主物語ではない可能性も大きくなった。

    だとすると、「平和」の話ではなく、「運命」の話なのかもしれない。来年公開の映画「デューン砂の惑星パート2」の為に24年3月までには(下)を読んでおきたい。

  • ポールとジェシカは遂にフレメンに受け入れられる。儀式によってフレメンの教母となったジェシカは、連綿と受け継がれて来た教母達の記憶と人生を受け取る。一方でポールは、聖戦(ジハード)による血塗られた光景が繰り返されてきた「未来像」の中に遂に、平和の道を、チェイミーの存在と共に見出す。
    予想外の展開の中に圧倒的な期待を含むストーリが遂に次巻で終わってしまうのかと少し残念な気持ちにもなるが、楽しみで仕方ない!

  • 映画『ホドロフスキーのDUNE』公式サイト
    https://www.uplink.co.jp/dune/

    『デューン/砂の惑星』を手がけたデヴィッド・リンチ監督、リメイク版に「関心ゼロ」| IGN Japan
    https://jp.ign.com/dune/43270/news/

    ポリスの『シンクロニシティ』を旅する -ロック史に残る名盤- ー Novella 文芸コラム
    https://novella.works/synchronicity

    デューン 砂の惑星〔新訳版〕 中 | 著訳者,ハ行,ハ,ハーバート, フランク | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013120/author_HAgyo_HA_2889/page1/order/

  • 盛り上がってまいりましたな中巻。実は読む前に映画のPart2を観に行って、逆予習をして読み始めたわけだけど、進行具合も内容(設定と言うか)もけっこう原作と違っていて、映画は映画でPart1より見せ場が多くて楽しめた。一方原作は相変わらず心の声による独白がほぼほぼで、悪く言うとのそのそと進行するわけだけど(特にお母さんのジェシカ)、それでも飽きさせない世界観があり、且つ事前に映画で映像観てるから、内容多少違えど、ビジュアルとして連想できる補完効果で、しっかり楽しめた。下巻は映画のPart3待ってるわけにはいかないので、事前に読むことになるけど、さて、どうなるのか。

  • む、難しい、、、❗️
    割と読解力はあるつもりなのに、抽象的すぎてわからないところ多数。
    よくこれを映画にしようと思ったな、という気持ち。それと、そんなに人気が出るほど、世間の人はこの小説を理解して楽しめたのかという驚き。翻訳が難解すぎるにかしら?

    読み終わるのにえらい時間と努力を要するけど、下巻にもこのまま進みます

  • ドゥニ版Duneの先に少しだけ進むのが中。デヴィッドリンチ版では高速でダイジェストされた、チェイニーと結ばれるシーンが最後に描かれる。
    香料と蟲との関係も明るみになってきた。

    さて、貴種流離譚となる下巻も楽しみだ!

  • 圧巻

  • ※ 本作品のレビューは下巻にまとめて記載しています。
    https://booklog.jp/users/ravster/archives/1/415012051X

  • 世界観!
    感想は下巻で

  • この中巻の半分ちょっとくらいまでが、
    2021年の映画で描かれていた分だった。
    SF不慣れの為、読むのに若干時間がかかるが、
    面白いから読み進んじゃう。
    映画を観たおかげで、登場人物と演者が見た目で直結、
    頭の中で整理+映像化しやすいのも一因。

    疑いを持ったままの親子や家臣との人間関係、
    フェイド=ラウサとハルコンネン男爵の今後、
    アトレイデス家とフレメンとの関係性、
    フレメンの内部の今後、
    ポールとチェイニーの関係、ポール自身の今後、
    プリンセス・イルーラン(まだ出てきてない)との絡み、
    ジハードとは…続きが気になりすぎる。

    そして、早く映画観たい!!
    ↑ストライキが映画公開に影響しない事を祈るのみ。
    オースティン・バトラーとフローレンス・ピューが、
    フェイド=ラウサとプリンセス・イルーランをどう演じるか、想像しながら読み進むめられるのが楽しい。

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