ネクサス(下) (ハヤカワ文庫 SF ナ 6-2)

  • 早川書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150121433

作品紹介・あらすじ

米、中、タイ3カ国の"ネクサス5"をめぐる争いに、ケイドは否応なしに巻き込まれていく。果たして新たなる世界は訪れるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 2040年、能力を拡張されたトランスヒューマンが世の中に現れ、根本的に異なるポストヒューマンももう次のステップとして見えている時代を舞台にしたSFスリラー。
    解説によるとパラマウントが既に映画化権を取得しているそうで、確かに映像化されたら面白そうなストーリーです。
    あと、本著は"Nexus","Crux,"Apex""の3部作の第1巻という位置づけなので、ネクサス上下巻を読み終えた段階では、スッキリ読み終えたという気持ちにはなれません。そして、続巻は未邦訳という(笑
    ※それでも、英語版であればKindleで800円も出せばすぐ手に入るので、まぁ凄い時代になったものです。。

    本著のキーメッセージは、「45 一切衆生」の6ページに纏まっているとおり…
    ・仮に「言語能力(発話、読み書き)を習得するのに、一生かかる世界」があり、自分が短期学習法を知っていたら、それを世界に伝授するか?
    ⇒伝授する。
     言葉は、暴力や中傷、人殺しの武器の作り方の解説、ファシスト的な扇動に使われうるとしても、悪行より善行に使われることが多いはずだから。
    ということで、最先端技術が国家の管理下にあって、「トランスヒューマンは人権保護の対象外」とされる本著内のアメリカに対して、主人公は明確に異なるスタンスを示した訳です。

    下巻の舞台はタイですが、
    ・個人の自由(トランスヒューマン研究)を制限し始めた民主主義国家アメリカ
    ・研究自体は推進できる社会主義国家中国
    ・仏教精神で全ての人の幸せを追い求める(僧侶がいる)タイ
    とコントラストがハッキリしていて(タイは国家官僚が出張る訳ではないですが)、著者のプロットの綺麗さを感じます。

    ただ、一方で細かい展開は??となるものも。(本著は小説としては著者の処女作なので、あまりどういう言うものではない気もします。)
    アメリカの当局の行動が特に良くわからなくて、例えば隠密ミッションで、部隊が大人数のタイの僧侶たちに囲まれた段階では撤退予定だったのに、写真を1枚撮られた瞬間に僧侶たちを麻酔弾で撃ち始める、となるのは何だかなぁと思ってしまいました。
    敢えて当局を単純、残忍に描いているのかな。。

    当然続きは気になるのですが、邦訳されないかなぁ…(笑

  • うーん。
    上巻ほどのめり込めなくなってしまったのが残念。ここまでバイオレンスシーンが必要だったかしら。もっと陰謀張り巡らす感じで攻めてほしかった。

    でも、次作出たら読むしかない。
    残りの2作も翻訳されますように!

  • 上巻よりも面白くなった。終盤の攻防はアクションシーンが過剰(人死に過ぎ)でてんこ盛り過ぎとも思ったが三部作とのことで興味指数アップ。ポストヒューマンの世界に舞台が移るであろう続編は読んでみたいと思う。

  • 小説に書かれたようなナノロボットによる実現は2040年でも難しいのではないかと思うが、そうでないならば感覚や思考の共有はもっと早期に実現可能なように思う。そうした時に我々が考えるべき問題について提起した、数多くの実在する科学と僅かなフィクションで築き上げられた上質のSF。上巻から読み始めて下巻まで一気に読んでしまった。

  • ここに書かれていることに近いことが、現実のものとなっていること、そのことをベースにして本書が書かれたということに驚かされた。

    スラスラ読めたが、結構バイオレンスがキツく、読後感は良くない。

  • 記憶や精神を恒久的に他者と共有できるナノマシン「ネクサス」を作り出した科学者ケイドが主人公。舞台となる近未来では、新技術の革新でポストヒューマンを作り出す事が現実味を帯びていて、それらを規制し阻止しようとするアメリカ当局と、ネクサスを平和的に使用したいケイド、ケイドをポストヒューマンの仲間としたい中国人科学者、それぞれの思惑が絡み合い血みどろの戦いへ発展していく。あまりにケイドの考えが純粋無垢過ぎて甘く思えるが、人類の善の可能性を信じて最期にとった行動には共感できる。科学が発展していく倫理的側面、人類はそれにどう対処するのか、色々考えさせられて面白かった。ちょっと人死に多すぎる気もするけど。

  • 上巻の半ばぐらいから一気読みモードのスイッチ入りました。(((o(*゚▽゚*)o)))上巻背表紙の“ノンストップ”は誤りで無かった。
    三部作とな?続きも読むしかない!

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