〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)

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制作 : 古沢 嘉通 
  • 早川書房 (2004年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (587ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150203573

〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)の感想・レビュー・書評

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  • 服役中の新興宗教の教祖が信者の臨終の場に現れたという話を取材するために北イングランドを訪れたジャーナリストのアンドルー。
    彼を待っていた女性ケイトは、アンドルーにお互いの祖先が瞬間移動を得意とする奇術師でライバル同士だったと語る…。

    瞬間移動を得意とする奇術師で何となく感じる兄弟の気配、ときたらオチはあれだよなと思っていたらまさにその通りだった。
    幻想小説とはいうものの、ラストの1章以外は普通に2人の奇術師のライバルとしてのあれやこれやで、読みにくさや分かりにくさはなかった。
    事前に難解と聞いていたので構えて読んだけれど、肩透かしだったなぁ。
    このくらいの配分だったら大丈夫。
    逆にいえば普段馴染みのないジャンルでありながら驚きとか新鮮さを感じなかったのが残念。

  • なんとも評価に困る本。
    まず、序盤から中盤までが読みづらい。
    二人の奇術師の確執をそれぞれの手記で描いていくのだが、ここはそこまで面白くない。ただの伝記。
    しかし、少しずつ謎が見え隠れする後半から面白くなっていって、ちょっとぞっとするような結末を迎える。
    読み終えてからも、結局どこまで信じていいものかと、煙に包まれたような気持ちになる。
    終わり方は面白かったけど、人に勧めるほどでもないかも。

  • クリストファー・ノーラン監督。
    クリスチャン・ベール(バットマン・ビギンズ)、ヒュー・ジャックマン(X-MEN)主演。
    映画、『イリュージョンVS』ならぬ『プレステージ』の原作。

    どちらかといえば、ミステリーを求めるなら映画を、幻想を求めるなら小説をと言ったところ。

    原作は、世界幻想小説大賞を授賞しているので、純粋にミステリーやSFを求める読者には不向き。

    同作者の『魔法』が、SFのガジェットをラブストーリーとアーバンファンタジーで味付けし、各ジャンルを覆うほどの風呂敷の広げ方だったのに対し、
    こちらは同じくSFのガジェットを用いながら、ホラーあるいは怪談的な雰囲気と幻想小説にとどまっているので随分分かりやすい。

    だが、『語り』は『騙り』ならぬ『記述』は『奇術』の手法は健在で、読者が頭の中でストーリー及びその背景を構築することが求められる。
    本書の構成の妙は、それをも意図して書かれているのですごい。

    充分推測できるほどのリドルストーリーであるラストだが、そこに幻想小説としての極みが見える。

    映画とは大筋以外ストーリーは違っているが、映画版と共に、個人的歴代ベスト級。

  • 知らずに映画プレステージを先に見てしまった。$$これは原作。

  • やっと読み終わった…。

  • えーと。なんかややこしかったんですけど。
    19世紀末の二人の奇術師サイドの話と
    それぞれの子孫の話とで。

    本題と関係ない、
    テスラの理論の方が気になって、なんかノリが
    今一つでした・・・

    このラストはなかなか、いえ、かなり、インパクトありですが。
    もっと短くなりそうなもんだ。

  • 二人の奇術師の諍いがそれぞれの視点で
    残された記録をもとに子孫が検証していく
    という風に始まるが、
    ボーデンの記述に違和感を覚えながら
    エンジャの記述にも最後半に違和感を。
    そもそも我々が先に目にしたボーデンの記録とは?
    と思いながら小説の中の現実から
    不思議の世界に導かれていくのは、
    カチッとしたミステリーや、装置のSF仕掛けとは
    別に、不思議の世界に連れて行く幻想の要素を
    奇術師の記述の奇術、小説家の技術をおりまぜて
    読者をその世界に引きずり込む小説だと思う。
    ただし結末は、今となっては古ぼけた
    安っぽいホラーかな。

    奇術師が奇術のネタを隠し、明かすように見せて
    騙しのテクニックを用いているように
    小説の世界で事実と思っていたことを
    幻想の世界に入っていき、現実をとヒックリ返す
    奇術師の反発をモチーフとしながら
    小説面での騙しを用いた作品なのかな?

  • 1/18 読了。
    19世紀末ショービズ小説であり、エンタメ論小説であり、奇術師ライバルBL小説である、と言っていいでしょう。ボーデンとエンジャの手記が同じ一行で終わるのにやられたー、もえた。
    とはいえ、舞台の演者と客席の観客とのあいだには"魔法の黙秘契約"が結ばれている、と語るボーデンに肩入れしてしまう。ハッタリをどれだけうまく見せるかが肝であるマジシャンと、ハッタリはハッタリである(必ずタネがある)と知っていながら、ステージを観ているあいだはそのことを一度忘れる客、という共犯関係は、エンターテインメントの世界に共通のマナーである。"全部嘘である"ことを指摘すれば白けてしまうのは、小説というメディアでも同じことで、作者と読者は暗黙の了解のうちに契約を結んでいるのだし、"騙される"ということに快感をおぼえない人はそもそもエンタメを見るのに向かないのだ。
    しかし、ここが微妙なところであるのだが、エンジャとボーデンの出逢いは、心霊術の交霊会である。交霊会は舞台以上に観客が進んで嘘を受け入れるような場であるのと同時に、"タネはない"と信じたい、という強い気持ちの働く場である。交霊会はエンタメではなく、宗教なのだ。ボーデンはエンタメのルールで宗教の場を壊してしまった。ふたつは密接に関わりあっているけれども、明確に分けられていなければならなかった。
    ボーデンとエンジャは互いに別の方法で同じ奇術を追求した結果、同じようにアイデンティティを喪失していく。自分だけの名声(現在におけるPrestige[原題]の意味)を得るために、観客を幻惑(元々のPrestigeの意味)し、自分自身までをも騙してしまう。呪われたエンターテイナーたちの運命は、きっといつの世も変わらない。

  • クォリティ高いなぁ。やりすぎると破綻しかねへんけど全てがその手前。

  • 不思議なことに日記調の書き方をされると、どうにも先が気になって仕方なくなる不思議。しかしなんか深すぎて実際にこの本の神髄をどこまで理解できたかは不明。ただ独特のストーリーにどっぷり漬かったのは確かで、まぁ概ね面白かったのかなーっと、一般人的に言ってみる。

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北イングランドに赴いたジャーナリストのアンドルーは、彼を呼び寄せた女性ケイトから思いがけない話を聞かされる。おたがいの祖先は、それぞれに"瞬間移動"を得意演目としていた、二十世紀初頭の天才奇術師。そして、生涯ライバル関係にあった二人の確執は子孫のアンドルーにまで影響を与えているというのだが…!?二人の奇術師がのこした手記によって、衝撃の事実が明らかとなる!世界幻想文学大賞受賞の幻想巨篇。

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