- Amazon.co.jp ・本 (587ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150203573
感想・レビュー・書評
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ダークなファンタジーではある。
SF作家という認識でファンタジーを期待して読むとガッカリだけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知らずに映画プレステージを先に見てしまった。$$これは原作。
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やっと読み終わった…。
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えーと。なんかややこしかったんですけど。
19世紀末の二人の奇術師サイドの話と
それぞれの子孫の話とで。
本題と関係ない、
テスラの理論の方が気になって、なんかノリが
今一つでした・・・
このラストはなかなか、いえ、かなり、インパクトありですが。
もっと短くなりそうなもんだ。 -
二人の奇術師の諍いがそれぞれの視点で
残された記録をもとに子孫が検証していく
という風に始まるが、
ボーデンの記述に違和感を覚えながら
エンジャの記述にも最後半に違和感を。
そもそも我々が先に目にしたボーデンの記録とは?
と思いながら小説の中の現実から
不思議の世界に導かれていくのは、
カチッとしたミステリーや、装置のSF仕掛けとは
別に、不思議の世界に連れて行く幻想の要素を
奇術師の記述の奇術、小説家の技術をおりまぜて
読者をその世界に引きずり込む小説だと思う。
ただし結末は、今となっては古ぼけた
安っぽいホラーかな。
奇術師が奇術のネタを隠し、明かすように見せて
騙しのテクニックを用いているように
小説の世界で事実と思っていたことを
幻想の世界に入っていき、現実をとヒックリ返す
奇術師の反発をモチーフとしながら
小説面での騙しを用いた作品なのかな? -
1/18 読了。
19世紀末ショービズ小説であり、エンタメ論小説であり、奇術師ライバルBL小説である、と言っていいでしょう。ボーデンとエンジャの手記が同じ一行で終わるのにやられたー、もえた。
とはいえ、舞台の演者と客席の観客とのあいだには"魔法の黙秘契約"が結ばれている、と語るボーデンに肩入れしてしまう。ハッタリをどれだけうまく見せるかが肝であるマジシャンと、ハッタリはハッタリである(必ずタネがある)と知っていながら、ステージを観ているあいだはそのことを一度忘れる客、という共犯関係は、エンターテインメントの世界に共通のマナーである。"全部嘘である"ことを指摘すれば白けてしまうのは、小説というメディアでも同じことで、作者と読者は暗黙の了解のうちに契約を結んでいるのだし、"騙される"ということに快感をおぼえない人はそもそもエンタメを見るのに向かないのだ。
しかし、ここが微妙なところであるのだが、エンジャとボーデンの出逢いは、心霊術の交霊会である。交霊会は舞台以上に観客が進んで嘘を受け入れるような場であるのと同時に、"タネはない"と信じたい、という強い気持ちの働く場である。交霊会はエンタメではなく、宗教なのだ。ボーデンはエンタメのルールで宗教の場を壊してしまった。ふたつは密接に関わりあっているけれども、明確に分けられていなければならなかった。
ボーデンとエンジャは互いに別の方法で同じ奇術を追求した結果、同じようにアイデンティティを喪失していく。自分だけの名声(現在におけるPrestige[原題]の意味)を得るために、観客を幻惑(元々のPrestigeの意味)し、自分自身までをも騙してしまう。呪われたエンターテイナーたちの運命は、きっといつの世も変わらない。 -
クォリティ高いなぁ。やりすぎると破綻しかねへんけど全てがその手前。
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不思議なことに日記調の書き方をされると、どうにも先が気になって仕方なくなる不思議。しかしなんか深すぎて実際にこの本の神髄をどこまで理解できたかは不明。ただ独特のストーリーにどっぷり漬かったのは確かで、まぁ概ね面白かったのかなーっと、一般人的に言ってみる。
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二人の奇術師の奇術対決という紹介が何かでされていて、
かねてより興味があった作品。
結論から言えば読みきってよかった。
“読んで”ではなく“読みきって”というのは、他の方もレビューしているように、
中盤まで全然面白くなく、読んでて非常に苦痛だったから。
何度文庫を上から眺め、まだここまでしか進んでないのかーと思ったことか(笑)。
このまま退屈なミステリーで終わってしまうのかと思いきや、中盤以降、
かのニコラ・テスラが出てきた辺りから一気にSFに。
俄然面白くなってきた。
“瞬間移動”がまさかそんな方法で実演されるなんて・・・
その代償は・・・
ブルブル・・SFというよりホラーかな。
轟雷!
違うか(笑)。