- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150205348
作品紹介・あらすじ
異界族の存在を受け入れた19世紀のロンドン。この地で突然人狼や吸血鬼が牙を失って死すべき人間となり、幽霊たちが消滅する現象がおきた。原因は科学兵器か疫病か、あるいは反異界族の陰謀か。疑われたアレクシア・マコン伯爵夫人は謎を解くため、海軍帰還兵で賑わう霧の都から、未開の地スコットランドへと飛ぶ-ヴィクトリア朝の格式とスチームパンクのガジェットに囲まれて、個性豊かな面々が織りなす懐古冒険奇譚。
感想・レビュー・書評
-
アレクシア女史2冊目。
ヴィクトリア朝のロンドンに、吸血鬼や人狼が公然といたという設定のドラマチックな物語です。
ミステリというよりファンタジーかなあ‥
歴史改変SFというか~パラノーマル・ロマンスでもあり。
すべて含めて、スチームパンクそのもの。
今回はエーテル通信という発明も出てくるし、大型の飛行船での旅行、アレクシアのパラソルにも新技がいっぱい。
そういうことに興味があれば、1作目よりもイメージ豊富で面白いでしょう。
人狼団を率いるマコン伯爵と結婚したアレクシア。
おしゃれにあまり興味がなかったので、格式を保つファッションにも苦心しています。
熱々の新婚カップルではありますが~知らないことも多く、それぞれの立場もあり、問題は次々に起こります。
ロンドン近辺で突然、人狼や吸血鬼が牙を失い、ただの人間になるという現象が起きます。ゴーストは除霊されて消えてしまう。
これは<魂なき者>であるアレクシアの能力なら可能なので疑いもかかるが、アレクシアの場合、じかに触れている間だけのこと。
広範囲で起こるとは、何かの疫病か?化学兵器か?
マコン伯爵は、アレクシアには何の説明もせずに、突然スコットランドへ行ってしまう。
出身地の人狼団で、何事か起こったらしい。
夫の伝言で赴いた帽子店で、アレクシアは最新の技術を仕込んだパラソルを受け取ります。
帽子店の主マダム・ルフォーは、男装の謎めいた女性。
今回の現象が北上しているのを知ったアレクシアは、夫にそれを知らせるため、飛行船でスコットランドへ。
マダム・ルフォーも同じ飛行船に乗っていました。
親友のアイヴィと異父妹のフェリシティも諸事情により同行させる羽目に。
いささか見当はずれのことばかり言うアイヴィは、恋愛中。
性格の悪い妹とコメディ部門を担当します。
マコン伯爵の出身地で何が起こったのか?
衰えつつある人狼団は、伯爵の子孫だったが。
思いがけない展開に~!?
続きを読まずにはいられないラストに苦笑い~どっちにしても、読むけど☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スチームパンクで冒険小説でロマンス小説で…と好きな要素満載のシリーズ第2作。
ちょっと前半が冗長で、もう少し上手く纏めて
スコットランドに着いてからの描写に移ったほうが
良かったと思うのですが。
マダム・ルフォーとシドヒークのふたりはとてもいいキャラです。マダム・ルフォーは人気が出そうですね。
肝心の謎解きはあっさりしてるので、事件より人間関係で読んだ方が面白いんだな、と。
世界観とキャラで読むには面白いけど、第一作の面白さよりは
ちょっと失速ぎみの印象を持ちました。
ただ、ラストのアレクシア、可哀想に。
この難題は解決するのが大変そうですね。
王道を外さない小説でしょうから、
ハッピーエンドにはなるのでしょうけど。
マコン卿もアレクシアも、思い込みと言う難敵を
どうねじ伏せるか。
次が見ものになりそうですね。 -
読み返し。ルフォーが好きなんですね。ルフォーが。あとシドヒーク。
後半の一気に片を付けるアレクシアの剣幕が痛快。タンステルを呼ぶシーンが一番気に入ってます。
一番見てみたいのは、霧のけぶる古城から出てくる美しい男装の麗人なのですが。漫画版も楽しみ。 -
世界観、種族間の間柄とか組織体系とかがもうちょっと見えてきて、世界が広がる感じ。
キャラクターも、アレクシアだけでなくいろんな人がけっこう自由に生きてるんだなぁ~と感じました。
特に、一巻ではまだそれなりに一般のご婦人だと思ってた帽子のヒトのキャラだちすごい気が。
一巻一巻でそれなりに完結なのかと思いきや、前からの伏線?あり、次巻への強烈な引きあり。
三巻を準備しとかなかった自分に後悔してます。。 -
アレクシア女史シリーズの2作目。
1作目のレビューはこちら。
『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』 (英国パラソル奇譚)についてのkumabettiさんのレビュー - ブクログ
http://booklog.jp/users/kumabetti/archives/1/4150205329
@booklogjpさんから
この作品は、楽しい。
今、日本で似たような物語を作ろうとすると、まずもって、無駄な描写、展開を排除するというのが当世の流行りであり、むしろ好ましい展開だと思われている節があるが、はっきり言って、この作品の要素たちは、無駄だらけ。
そしてそれこそが、この作品の魅力。
アレクシアが飛行船に乗る、というときに、なぜ、奇妙奇天烈な帽子が好きなアイヴィを連れていかなければならないのか?
なぜ、仲のよくない妹(のうちのひとり)を連れていかなければならないのか?
楽しいからだ。
本筋にまったく関係ないどころか、変身できなくなった人狼や、消滅してしまったゴーストたちという、諸問題というには本書のメインの謎と、まったく関連がないにも関わらず、まるで「主人公が結婚してしまったのだから、恋のパートは私たちにお任せよ」とばかりに、やりたい放題三角関係で騒ぎ立てる婦女子たち。
そしてそれが、楽しい。
1作目は、世界観の描写と、主人公アレクシア、そしてマコン卿、および人狼と吸血鬼たちのそれぞれの事情などを丁寧に描いていたが、2作目に来て、キャラクターたちの活き活きとした姿が、まずもってパワーアップしたようにすら感じる。
これこれこれこれ。
こう言うのですよ!
物語とは、プロットをただ進めればいいってもんじゃない。
ある展開に沿って、「この状況だったら、こいつはこう動くよね!」という、キャラクターが生きて動く感覚。
そしてそこにこそ、物語の楽しさとリアリティはある。
小池一夫先生が提唱するキャラクター論とは、まさしくこれ。
物語は、登場人物がプロットの犠牲になるのではなく、むしろプロットをより先に進めさせる原動力となることが望ましい、ということ。(ちなみに、プロット重視でありながらキャラクターが物語を動す、奇跡的なバランスを持っていた、という意味で希有な作品として小池先生が捉えているのが、話題になったアニメ『まどかマギカ』であることは、今さらいうまでもない)
婦女子陣のパートは、人によっては無駄だと思うかもしれない。
ところがどっこい。
これこそまさしく演劇的であり、一見無駄に見える、実際無駄なパートこそが、楽しいパート、なのである。
そして、僕が好きなのは、こういう作品だと胸を張って言える。
3作目以降も楽しみです。 -
人狼や吸血鬼、幽霊たち異界族の存在を受け入れた19世紀ロンドン。
ある日、突然、異界族がその特異性をなくし死すべき人間となり、幽霊たちが消滅したー
原因は化学兵器か疫病、あるいは反異界族の陰謀?
疑われた〈魂なき者〉であるアレクシア・マコン伯爵夫人は謎を解くため、帰還兵で賑わう霧の都ロンドンから、未開の地スコットランドへと飛行船で向かうがー
前作でめでたく結ばれたアレクシアとマコン卿のその後です。
まだまだお互いに知らないこと、特にマコン卿の過去、とかお互いの立場もあって甘いだけではない生活っぷり。
アレクシアは新たに機能満載のパラソルを手に入れて活躍!ですが…秘宝になんてことを!
“元気はつらつ”=“しっぽふさふさ”って表現は可愛いな‐狼らしい
作中ひと組くらいはグレトナ・グリーンにいかなきゃね
しかしアレクシアと周りの人間(異界族)関係は複雑…
前作から引き続いての登場人物にも秘密がいっぱいだったし!
一番の味方であるはずの彼の態度も!
どう考えても触れ合ってる時は人間なんだから…そうなってもおかしくないと思うんだけど?違うのかしら?
まぁ永く生きてて頭堅くなってるのもあるだろうけど!もうちょっと信用しても…
特殊な用語にリタイヤしようかと思ったけど‐
最後に凄い展開が来ちゃったので、続きも読まなきゃ落ち着かないヮ★ -
一巻の内容が微妙だったので、購入は見送るつもりだったけれど、ツイッターでフォロワーさんが「面白い」と呟いていらしたので購入してみる。
結論としては、一巻よりも活劇要素が増えて面白かった! 素直に三巻が楽しみだと思えて一安心。
そして、相変わらずタイトルの付け方が秀逸だなあと感服する……。 -
ひたすらイチャイチャしているご夫妻
-
さて、続く三作目は翻訳されるんでしょうか。なぁ?>ハヤカワさん
-
大事に読んでいたのに読了してしまった…相変わらずおもしろい!今回は脇キャラがまた良いですね☆ちょっとおバカなアイヴィさんの恋愛とか、ムカつきまくりの妹フェリシティ。なんなんすかこの妹は!と、かなりの感情移入。ミステリ…ではないけどミステリ要素もあり、最後は一気読み‼︎犯人はちょっと意外な感じがしました、そして男装の麗人マダム・ルフォーはまた出てくるんでしょうか。続編もワクワク☆もっと広まってほしい!!!