鉄の魔道僧1 神々の秘剣 (ハヤカワ文庫 FT ハ 6-1)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150205522

作品紹介・あらすじ

遠い昔、戦のどさくさにまぎれて神々の秘剣を手に入れたアティカス。大地の魔法を操って二千年以上生き延びた彼は、最後の魔道僧として、今は本とハーブの店を営みながら、静かに暮らしている。だが、そんな彼の前に、秘剣を狙うケルト神アンガスが現われた。圧倒的な力を持つ堕ちた神相手の二千年来の戦いに決着をつけることになるが…。古い神話に新しい息吹を吹き込んだ新時代のバトル・ファンタジイ、シリーズ開幕。

感想・レビュー・書評

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  •  本屋にてうっかりジャケ買い……したのには理由があって、それは数年前のこと。

     行きつけの骨董屋にて、奇妙な形状のペンダントトップ?を見つけたことがあった。
     ケルト十字に似ているのだけど、素材は鉄。両面ともにびっしりと刻印が刻まれている。店主の曰く
    「19Cイギリスのアイアン・ワークであるのは確かなんですが、用途が不明なんですよね。ペンダントにしては先端が尖りすぎていて危ないし、お守りのチャームにしては小さいし、銀ではないし」
     鍛冶屋が手遊びに作ったものだろう、ということで、値段も手頃だったので購入し、ペンダントに作り直した…… ということがあったのだけど。

     外見21歳のイケメンサブカル本屋の店主とは仮の姿、その実態は時を超えて生き続ける最後のドルイド僧。
     過去に「いろいろあって」ダーナ神族の一人に追われる身でもある彼は保身のために、自らのオーラと魔法を鉄に汚染させ、妖精族に対する鉄壁の護り(ペンダント)を作りあげていた、というこのあらすじに、ティンと来たからに他ならない訳で!

     ケルト神話の世界を土台としているけれど、作者オリジナルの解釈や設定が多用されているために、ダメな人はダメそうな内容ではある。
     が、逆を言えばそれだけとっつきやすく、魅力的な世界観でもある。デ・リントの「ジャッキー、巨人を退治する!」の、現代カナダに甦った妖精郷を受け入れられた人であれば、問題なくこの物語の中に入っていけるはず。

     そしてなによりもこの物語を魅力的にしているのは、主人公のアティカスとその相棒のウルフハウンド・オベロンの関係だ。
     シリーズの第一作目ということで、この世界観と関係が、この後どういう風に展開していくのかが今からすごく楽しみだったりする。

  • 活劇よりも、会話を楽しむはなしです。
    少し込み入った会話が好きならば、ファンタジーは好きでなくとも読めます。

  • 21世紀のアリゾナの町で、ドルイド僧とケルト神話の神々が殺し合う話……と書くと殺伐として血生臭そうだし、実際死屍累々で裏切りありありなんだけれど、それをあまり陰惨に感じさせないのは神さまも悪魔もノンジャンルでなんでもありだという無節操さな世界観のせいなのかも。なんとなく「聖おにいさん」と似たテイストを感じ取ってしまいます。
    スターウォーズやギャラクティカのビデオばかり見せられてきた犬のオベロンの偏りっぷりもステキです。

  • 狼人間やヴァンパイアやグール、果ては諸々の神話の神々さえ現代社会に生きている世界。
    主人公は見た目は若々しい、どこにでもいる普通の若者ですが、実は魔法によって2000年生きているドルイドで、しかも伊達に2000年生きてきたのではない叡智と狡猾さを持っています。

    軽い話になりがちな設定ですが、魔法を使う上での制約が意外にシビアで、よくある『魔法を使えば何でもあり』的なものを感じさせません。

    また、シリーズ第一巻ということで背景世界やら登場人物(これがまた数多い)の説明に相当部分を当てなければならないことを踏まえても、ストーリー展開のテンポはそれほど悪くないし、SFファンタジー映画ファンには思わずニヤリとしてしまう描写も多いので楽しく読めると思います。
    特に主人公と、主人公が飼っているアイリッシュ・ウルフハウンドのオベロンとの会話が良い味出してます。

  • えーと、ドルイドってこんな生き物でしたっけ。

    と、なるのももちろん作者の思う様ですが。現代物らしさとして、「オーランド・ブルーム演じるレゴラスのように美しい。化粧品の広告に出てくるタイプだ」でウケて、以後は違和感なく受け容れられました。

    それにしてもオベロンが可愛くて!アイリッシュ・ウルフハウンドの大きさを考えると更にギャップ萌え。アティカスとオベロンのやりとりが、人と犬、主従であって、そして友。オベロンいないとこの明るさは成り立たないでしょこれ。

  • シリーズ第一弾。
    ケルトって、ずっと興味はあるわりに、きちんと基本を読んでないままで、用語だけあちこちから入ってくるおかげで、ぼんやりと知っている、みたいな。
    そんな状態で読んだけど、舞台が現代なおかげで十分楽しめた。

    いろんな意味で、柔軟じゃないと長生きは難しい。
    同時に、古よりの本質を見失っても難しい。
    手軽に読めて、適度にどきどきして、続きが楽しみなシリーズだ。

  • 2100歳・犬LOVE・ドルイド in Arizona, USA  宗教観・世界観 ごちゃまぜ。 表紙のイラストと邦題はちょっと謎

  • 一気読み。続きも一気に読みたいと思ったけれど、読み返すかと言われればそうでもなさそう。

  • 図書館で。
    現代まで生き残ったドルイドのお話。
    個人的に神が血と肉で構成されている発想が面白い。剣で殺せるとかね。
    オベロンは可愛いし、人狼もカッコイイ。
    でもそうまでして2000年生きるという目的意識は何なんだろう?とか思ったり。
    気が向いたら続きも読もうかとは思います。

  • 本屋でケルト、アイルランドの文字に惹かれて購入。

    本格的にケルトの文化や神話を織り込んだ話が読みたい!!、重厚なファンタジーを読みたい、という人にはおすすめ出来ないかな?といった感じ。

    ただいかにもアメリカンな文章は気軽に読書したいときにはいいかも。キャラクターも魅力的です。映像化したら映えるだろうなー。

    レビューではオベロンが一番人気のようですが、私はマクドノー未亡人が好きです。怖いけど。

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