ミス・エルズワースと不機嫌な隣人 (ハヤカワ文庫 FT コ 4-1)

  • 早川書房
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本棚登録 : 182
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150205638

作品紹介・あらすじ

魔術は女性のたしなみとされる19世紀イギリスで、ジェーンと魔術師の恋愛模様を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 原題はSHADES OF MILK AND HONEY。milk and honey は富と芳醇さを表す表現のようなので、言い換えれば「豊かさの陰」の意味。邦題、ましてやショルダーコピーに掲げられた「幻想の英国年代記」では伝わらない本書のテーマがタイトルには込められています。つまり、19世紀初頭の英国郊外の上流層のまやかしをめぐるミステリーが本書です。

    「宇宙へ」の作者による2014年の作品。

  • 摂政時代の英国、といういかにも海外ロマンスにありそうな舞台で、しかもいき遅れの貴族の長女が主人公。そういう展開もあったりしますが(キスくらいです)、何よりも早川FTということで、「幻覚を操る技術」が「魔術」という技術として流通している世界で、「魔術」好きな女性としてエーテルをこねこね日々している彼女が出会ったのは、かなりひねくれものの魔術師というお話になっています。プライドの高い魔術師が、裏を見られてむっとしてしまうところとか、エーテルこねこねしあってひとつの「もの」をつくるのとか、面白かったー。ロマンス好きにはよくわかる舞台設定とか、楽しめました。おすすめです。

  • 美人な妹と、頭の良い姉、良くある構図ではありますが、ジェーンが振り回されつつも真面目な良い子で好感が持てました。
    魔術もごく自然に物語に取り込まれていて楽しめました。

  • 19世紀初頭の英国の田舎町。
    音楽や絵画に魔術をかけることか教養とされている世界で、魔術の才能がありながら容姿に恵まれず婚期を逃した28歳のミスのお話。
    歴史がどうこうと紹介されていますが、田舎のレディの純情ロマンスです。
    魔術の使い方が面白いので、そこは良かったですが、わかっていても最後はポカーンてした。存在すら忘れてたくせに!ってツッコミました。

  • よくある話の流れだったけど好き。

  • 幻想の英国年代記シリーズ。こういうファンタジー?は会わないことも多いんだけど、なかなか楽しめました。妹のキャラにイライラしたけど(笑)
    続編でないのかしら?
    まあ、ハヤカワだしな~

  • ハウルの動く城の映画版ソフィー的な長女の不遇。そんな主人公のジェーンなのでした。
    ※ハウル原作版はソフィーさん美人だし、どちらかというと寓話にある『長女の不遇』を信じてしまっているが故の不遇なので。
    メロディもねぇ…才能まで欲する欲張りと見るか、才能がないことに気が付いて嫉妬し嘆くだけの感性はあったと見るか…。
    まぁなんにせよワガママ娘だし、思いやりを搾り取られるだけ搾り取られて更にもっとと要求されるジェーンに同情してしまうのはいたしかたないかも。
    多少鈍感とはいえ、お父さんが優しいのだけはまだ救いだったかなぁ。
    魔法が出てくるけど、ハリポタのように戦ったりはしません(笑。
    どちらかというと芸術的な範疇、というのがファンタジー物にしては目新しく感じました。詩的な表現も素敵。

    この作品はこれだけで完結して読めるのだけど、シリーズとして5作目まで出てるらしいですね。邦訳はまだこれきり。
    出るなら読んでみたい!
    作者の方はアメリカ人なので、アングロファイル(英国びいき)文学になるのかな。
    最近ずっとマーサ・グライムズを読んでいたので、アメリカ人の書くイギリスが舞台の小説に縁と興味があるのでしたよ。
    アイリーン・アドラーのシリーズのキャロル・ネルソン・ダグラスもアメリカの人でしたね~。

    ハヤカワ文庫も最近はコ○ルト文庫とかラノベ調の表紙増えて来ましたね。

  • 図書館で。
    オースティンのパロみたいなファンタジー。魔法が女性のたしなみってのは面白いアイディアだなあと思いました。たぶん、このダーシィさんに似た人とうまく行くのかなあと思ったらやっぱり、という感じであまり驚きはしない展開でしたがそこかしこに高慢と偏見が顔を出していて面白かったです。続きも読んでみたいかな。

  • 19世紀初頭・摂政時代。
    女性のたしなみとして日常的に幻を創る魔術の用いられる英国ー
    美貌はないものの魔術と美術の才のあるジェーン・エルズワースは、望ましい結婚相手探しに夢中な美しいが才に恵まれなかった妹のわがままに振り回される日々。
    そんなおり、ジェーンは子爵夫人に雇われた凄腕の魔術師・ヴィンセントと出会う。
    無愛想で冷ややかな態度の彼だが、ある事件をきっかけにその印象は変わっていき…
    ロマンティック・ファンタジー

    ファンタジック・ロマンス?
    ジェーン・オースティンの描いた時代にたしなみとして魔術があったらーという設定。

    ないものねだり。
    でも持ってるもので勝負しないと、と分かってるのが。

    ミス・ダンカーク(ベス)は過去がアレなのに信じやす過ぎやしませんかね…若いからっていっても。
    不機嫌な魔術師よりも紳士すぎて良い人どまりなダンカーク氏がこの先も妹の心配で苦労続きそうで不憫-

    魔術で美しい時を縛った自然・芸術の素敵さが好いです-
    あと苺が、もぎたてを摘みたくなるよ-

  • ジェーン・オースティンの、という宣伝文句に感銘も受けず、19世紀英国が舞台、しかも魔術!という方によっぽど惹かれて手に取った。
    オースティンより、むしろ英国パラソル奇譚シリーズを思い出したよ。エーテルが共通ワード。
    魔術が当たり前な英国なんて、すごく好みの設定だ。
    ただ、あのシリーズよりシリアス色が濃いし(当たり前か)、淡々と物語は進むし、読み終わってから、なるほど、だからオースティンなのね、と思ったよ。遅すぎですか。
    魔術の描写がかなり素敵でね。
    魔術で描かれる絵や音楽を、頭の中でうっとりと想像してみる幸せ。これぞファンタジーの醍醐味よね。

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