戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫 JA 183)

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150301835

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  • 南極大陸の一点に突如出現した未確認戦闘機。それは、人類と異星体ジャムとの長く壮絶な闘いの前兆だった。反撃を開始した地球防衛軍は、ジャム戦闘機を追い、地球侵略用超空間通路を通り抜け、惑星・フェアリイを発見する。やがて、ジャムに対抗するため前哨基地がフェアリイに設営され、高度な電子頭脳を搭載した戦闘機シルフィードが配備された。さらに、未知のジャムを探るべく、遊軍機を見殺しにしてでも敵の電子情報を収集し、帰投することを至上命令とする戦術戦闘電子偵察機〈雪風〉が投入される。はたしてジャムの目的は何なのか?
    (1984年)
    — 目次 —
    FAF・特殊戦隊
    Ⅰ 妖精の舞う空
    Ⅱ 騎士の価値を問うな
    Ⅲ 不可知戦域
    Ⅳ インディアン・サマー
    Ⅴ フェアリイ・冬
    Ⅵ 全系統異常なし
    Ⅶ 戦闘妖精
    Ⅷ スーパーフェニックス

  • 20年以上ぶりに再読。アニメ化されたり、フィギュアが出たり、とりまく状況は予想もできなかったくらい変化したけど、自分の中ではこの表紙の機体とパイロットが雪風と零。

    主人公を含めて、目の前のやるべきことをやるだけ、お偉いさんの思惑なんか知ったこっちゃない、という感覚が異様に理解できるようになった自分に驚愕。

  • あぁ面白かった。愛機雪風に絶対の信頼を寄せるパイロットの零。でも雪風は次第に人間を必要としなくなっていた。コンピュータのゴースト的な物についても想いをめぐらせたし、敵対する生命体、ジャムの目的は人ではなくコンピュータだった皮肉も気に入った。戦闘シーンも他の小説だとしばしば冗長に感じるけどこれはテンポよくイメージが浮かんできてひたすらかっこよかった。ストーリー以上に雰囲気というか魅せ方がいい。〈改〉の方はどの辺が変わってるんだろ。気になります。

  • はじめは正体不明の敵が不気味だったが、後になるほど雪風の不気味さが増してくる。この構成が大変秀逸。
    なんといっても戦闘機のマニューバがここまで写実的に表現された文章がすごい。空戦シーンには文句なしの臨場感がある。

    あと大事なことだけど、改じゃないから「むは」が読める。

  • ただの人工知能を持った戦闘機じゃない

  • 和製SFの名作。
    異星体ジャムと戦う超国家軍FAF。中でも「戦場に出ても戦わず、全てのデータを収集し帰投する」事が目的で、その為には味方を見捨てることも厭わない特殊戦隊のパイロット、深井零が主人公。
    それぞれ独立した短編が、全体で1つの物語になっています。

    人間とはうまくコミュニケーションが取れず、搭乗機雪風だけを信頼する深井零は、徐々に自立していく雪風に裏切られた思いを味わい、ラストで本当に裏切られ、衝撃を受けながら意識を失います。
    もちろん雪風はあくまで任務を完了させただけで、裏切りなどとは考えません。全編通して零の雪風への愛着が沁み渡っているだけに、ラストの無人で飛ぶ雪風の帰投通告は、かっこいいんですが、読んでいる方に虚無感さえ与えます。

    FAFの中での確執、戦争の存在を忘れかけている地球と最前線の深い溝、いまだ覇権を争う国々、名声を求める人々。複雑で緻密な背景に、さらに正体も侵略目的も不明なジャムが影を落とします。

    このシリーズ、ずっと続いてほしいなあ。

  • 異端の重要性を知った作品。

  • なんでイメージが無いの……。 <改>の方も持ってたけど購入。ただのむは目当てです、はい。

  • 久々にハードSFを読んだが、なかなか楽しめた。
    ブツ切りの文体で、それによってスピード感を出しているが、読みにくくはなかった。
    なにか「エリア88」に近い印象だな。
    雰囲気としては。

    この巻では結局結論が出ていない部分もあるが、この時代(1979年)これだけの設定と世界観を、切れ味鋭く表現できているのはすごいと思う。
    良作。

  • 昭和59年のハヤカワ文庫。定価400円と書いてありました。さすがに文字が小さいなぁ。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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