プリズム (ハヤカワ文庫 JA 227)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 443
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150302276

感想・レビュー・書評

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  • “堕天使に出会ったことは誰にも言うまいと少年は思った。”という書き出しの美しさよ。

  • 冒頭にある通り「あなたがいて わたしがいる」話だ。
    その言葉の意味するところは、本書を読め、その言葉通りの話だ。

    タイトル通り、多面体な話。
    それぞれ独立した世界が少しづつ位相を変えて展開し、それらが全てでひとつの世界を成している。
    ハイ・ファンタジーかつハードSF。

  • 〈わたしは想う、だからわたしはいる〉+〈あなたを想う、だからあなたがいる〉=〈あなたに想われて、わたしがいる〉
    制御体とうまくコミュニケート出来ない弟に兄がソフトクリームをあげる場面が好きだ。

  • 長く品切れていたものが、いつの間にか復刊していた。嬉しい。この作品と「貴方の魂に安らぎあれ」は奇跡の名作だと思う。今の神林のように洗練されてはいないが、今の神林には描けない世界。つまり、世界中もう誰も描けない世界ということだ。それを悲しむより、そういう作品がここにあるということに感謝しよう。……思い入れすぎてなんか文章が変になってるぞw

  • この本が発行された当初から愛読。神林長平の中でも一番好き(少数派だろうけど……)ここに表現される“言葉”に対する独特の感性がたまらない。最後の「その言葉は――彼女にやってくれ」で涙する。
    言葉とはそういうものなのかもしれない。

  • プリズム (ハヤカワ文庫JA)

  • 二冊め。

  • 連作短編集。SFとファンタジーを行き来する世界設定で、言葉と想いに翻弄される。それは幻か偽か。安定の<言葉使い師・神林長平>氏の世界観で大満足なのはもちろんなんだけど、色たちのファンタジー側の世界設定が綺麗で好みだった!ラストは心暖まって(今自分が)現実(と感じて信じている世界)に着地させてくれる親切設計。とっても良かった!大好き。

  • 買ったのはいつだっけ? 3、4年、下手するともっと前だ。そのときに3分の2くらい読んでこりゃだめだ手に負えんと投げ出したまま積ん読棚でひっそりしていたのを引っ張り出してみた。前に読んでいたときは物凄く読みにくくてそれでも話としては面白いような気がして半分以上はどうにか読んだのだが、それも力尽きて投げ出してしまった。しかし、今読んでみればどうしたのかすらすら読める。読める読める。挫折してSFは向いてないんだと思い込んだのだが、ほっぽりだしていた数年でいつの間にやら読めるようになっていたらしい。面白かった。世界を制御するコンピュータと言葉。舞台と人物がリンクして形づくられる世界。最初読んだときになにが読みにくさの原因だったのかよくわからないくらいこの世界が近かった。もしかしたらこの世界の言語をいつのまにか獲得していたのかもしれない。

  • 序盤では世界観が全く掴めないが、読み進めるうちにだんだんとわかってくる。もつれた糸がほどけていくような感覚だった。が、一度読んだだけでは作者がこの作品で何を述べようとしたのか、自分にはわかりそうもない。個人的には、序章からの謎が一気に収斂していく四章「ルービィ」は圧巻だった。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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