探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫 JA ア 3-1)

著者 :
  • 早川書房
3.11
  • (86)
  • (367)
  • (603)
  • (246)
  • (69)
本棚登録 : 3934
感想 : 482
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150305215

作品紹介・あらすじ

札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする「俺」は、いつものようにバーの扉をあけたが…今夜待っていたのは大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。どうせ大したことあるまいと思いながら引き受けた相談事は、いつのまにか怪しげな殺人事件に発展して…ヤクザに脅されても見栄をはり、女に騙されても愛想は忘れない。真相を求め「俺」は街を走り回る。面白さがクセになる新感覚ハードボイルド登場。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昔読んだ本で感想書いてなかったシリーズ。
    私にはハードボイルド系は合わない。そう。決め手となった作品。読んでいて頭に入ってこないし、めんどくさくなって放棄したい気分だった。また、年を重ねて、気が向いたら再読してみようか。

  • レビューが両極端なのは読んでみて納得です。
    どちらかと云うと自分にとっては苦手な方の文章なので、読むのに時間がかかりました。
    最後まで読むと安直に捉えていた人物の意外な面が有ったりして続きが気になります。

    映画は全て観ているのですが、別物として楽しめました。

  • ハードボイルドミステリー。
    昔のススキノはこんなかんじだったのでしょうか。
    世の中人脈が大事ですね。
    物事を始めるきっかけはなんでも良いんだ。

  • ハードボイルド系小説にハマったタイミングで手に取りました。
    テレビの予告で大泉洋さんと松田龍平さんが出て映画化してるのは認識してたので、ごく自然に探偵が大泉洋さんで脳内再生される(笑)
    映画はシリーズ違う巻でしたが。
    喧嘩強い設定かと思いきや、結構ボコボコにされるんですよね、この探偵(^◇^;)
    毎回よく動けるねってくらい痛そう。しかも割と動き読まれてすぐピンチになるし。バーを根城にウィスキー飲んで、、ってメッチャ渋くてスマートなの想像して読むと、全く逆で、泥臭くて素人感あるのが、かえって面白い。
    北大生の彼女が失踪なんて、大した事ないとナメてかかったら大事件。にも関わらず、あんまり警察が介入しないあたりが、夜の街ならではというかヤクザ感強め。
    描写はいちいち痛々しいし、探偵はイマイチかっこよくないんですが、なんか人間味あってシリーズ読みしたくなります。

  • 個人的には、読み難く好きではなかった。

  • 映画版未見。原作も初めて読んだが、この原作の第1作は映画版の3で設定が部分的に使われているのみで、映画版になってる3本は原作の2と5とオリジナルらしい。まぎらわしい。
    とにかく、品のないものも含めてワードセンスや細かな描写がおもしろかっこよく(おもしろかっこいいとしか言いようがない。この言葉を生んだ魔神英雄伝ワタルのスタッフは偉大だ)、何度も賛嘆した。特にマスターの癖の描写なんかは天才的ではないか。飛行機が空中分解しても納得して瞬きしながら落ちていくだろうというところは爆笑した。全作読みたい。

  • 再読。やはり初期は伏線の回収も鮮やかだし文章も密度が高くていいなー。
    後期のようなススキノを揺るがす大事件でもなく、行政の腐敗にメスを入れる批評的な視点が強いわけでもなく、言ってしまえば、地味な事件だけど。
    1番のどんでん返しは、読者を驚かせる仕掛けではなくて、人間の多面性だろう。
    「俺」が馬鹿にしていた人間が実は全てを動かしていて、安易に他者を馬鹿にする「俺」を逆に軽蔑する。実は友情に厚い人間で、人情の機微を見抜いている。
    沈黙する「俺」が、非常に苦く、切ない。
    ふやけたところがなく、どこを読んでも軽妙でいかしている。モンローとの別れのシーンは愁眉。
    映画化により、映画から入った、ハードボイルド・ミステリを読み慣れていない素人さんが低い評価をつけ始めた、という印象。
    文章を読み慣れているか人か否か、書かれた文章を見ると割合に予想できる。
    評価は人それぞれで構わないと思うが。未知のものに遭遇したときにとりあえず拒絶から入る、という精神のあり方は、豊かなものだと自分には思えないね。

    また再読。どんだけ東先生好きなんだろう俺は。。。
    愚かな人間に対する著者の眼差しは、冷徹だけれど、真摯で丁寧である。後年の作品では愚かな人間をストレートにバカにしてしまうようなところに違和感を感じていたので、愚かと思っていた奴が実は。。。というどんでん返しも含め、著者の眼差しが嬉しいね。

  • 「ススキノ探偵」シリーズの記念すべき第1弾。
    探偵というと颯爽とした活躍をする場合と、どこを切り取ってもカッコイイとは形容できないような風貌でありながらキメるところはキメる場合がある。
    「ススキノ探偵」シリーズの<俺>は、どうみても後者だろう。
    携帯電話が嫌い。面倒くさいことが嫌い。なのに面倒くさいことに巻き込まれてしまう。
    許せることと許せないことが曖昧なようで、実はしっかりとハードルの高さは決まっている。
    アルコールが主食のような生活を送り、昼と夜が逆転した時間を生きている。
    他人とは絶妙に距離をとり、土足で踏み込むようなこともない。
    もっとも、自分自身にも踏み込ませはしないのだが…。
    突然現れた後輩からの依頼にも、当初は冷たい態度で接する<俺>。
    なのに読み終わって感じるのは<俺>の人の良さだったり、人からはわかりにくいだろう屈折した優しさだったりする。
    <俺>のキャラクターがすこぶるいい!
    けっして説明口調ではないのに、それぞれの登場人物たちのキャラクターがはっきりと伝わってくる。
    もしかしたら、札幌という街を…ススキノという場所を…もっと知っていたなら何倍も楽しめたのでは?と思い悔しい気持ちにもなった。
    <俺>はとても魅力的なキャラクターだ。
    どこかしら壊れてしまっているような、突き抜けているのか投げやりなのかわからないような人生観もいい。
    ゆるいようで鋭く、暴力的な描写のあとにほろりとさせられる。
    安っぽいくせにやけに純粋で、大馬鹿者のようで妙に人情家だったりもする。
    ハードボイルドなのだけれどあたたかい。
    ふと、「ケラー」に行ってみたくなる。まだ見ぬその店は、きっと極上に居心地のいい空間に違いない。
    これからも読み続けたい!と思える「ススキノ探偵」シリーズだった。

  • 北海道ススキノで便利屋をなりわいにする俺が主人公。
    謎解きやミステリーを求めてる人向けではないが、俺のキャラクターがかなりクセが強く、
    楽しんで読めた。続編も読んでみたい。

  • 映画の方しか知らず、だいぶ遅ればせながら本書を手に取った。
    80年台の設定であり、洋物のまがい物じみたハードボイルド感がなく、日本的な湿り気と、ススキノとが入り混じり良い作品だった。

全482件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東直己の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×