沈黙の教室 (ハヤカワ文庫 JA オ 4-1)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 488
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (697ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150305796

作品紹介・あらすじ

青葉ヶ丘中学3年A組-悪魔のようなこのクラスを、担任教師が名づけて「沈黙の教室」。何者かが不気味な恐怖新聞を発行し、つぎつぎと粛清の対象を指名していく。そして行なわれる残酷ないじめ。やがて20年がたち、クラスの同窓会の告知が新聞に載った時、報復を誓う者による大量殺人計画がひそやかに進行しはじめた!めくるめく多重構造の謎と、じわじわと忍びよる恐怖。日本推理作家協会賞長篇賞に輝くサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫で700ページ近い分量だが、まさに一日で一気読み。

    ホラー、サスペンスの要素をふんだんに盛り込みながら話は進む。
    謎自体は、そんなに深いものではなく、途中である程度先は読める。

    続編もあるらしいので読みたいが、それにしても、イジメ問題は根が深い。人類が人間である限り、根絶は不可能
    なのかな。

  • 久しぶりに読んだ折原一作品。そうそう、この読みやすいのに白昼夢を見ているかのような文章。中学校で何が起きていたのか、その真相や、復讐者の正体など、なかなか推理できるものではなかったが、首謀者が彼というのはなんだか納得。

  •  好きな作家の本で面白いのは間違いないが、結構な厚さになかなか手が出ないまま、何十年も積んでいた作品。
     寝かしている間に、世の中色々変わり、作中の文化も結構変わって現代の人が読んだら、戸惑うような世の中を舞台にしているもする。
     新聞に個人情報が平然と公開されていた時代があったのですよ。
     タイトルが微妙に内容を咀嚼していない気もした。
     20年前の中学校のイジメ問題と、そのクラスの同窓会にまつわるミステリ。
     三部構成で、今の作家ならやらないであろう、とんでもなく入り組んだ構造とソレが解決される結末。

  • 燃え尽きた。。。
    どんどん増えていく謎の把握に神経を使い、叙述トリックか?と読み返し、先生、こんな名前だっけ?と読み返し、全てが明らかになるころには、疲れ切ってしまった。
    合掌。

  • お勧め度:☆6個(満点10個)。随分、長編だったけど、ようやく読み終えました。文庫本で700ページの厚さがありましたが、とても20年前の作品だとは思えない斬新さがあったような気がします。長い年月を経て復讐を果たした犯人のどれほどの執念が描かれているかがうかがえる。内容は大きく分けて、青葉ヶ丘中学校の時代と、20年後の同窓会の時代の二部構成。ただ、最初から最後まで「粛清!」の恐怖が貫き、次々と殺人が起こる。恥ずかしながら、私は最後まで犯人がわからなかったが、ちょっと、終わりが少しあっけないような気がした。

  • 続きが気になって、ページをめくる手が止まらなかった。
    最後は、なんかスッキリしない気もするけど、
    なかなか楽しめた。

  • どこかのほほんとした雰囲気。粛清の言葉が腹立たしい。秋葉への制裁は卓郎の存在だけ?先生にはむしろ幸せになってほしい。幸せかな?女性の描写が中学生男子の妄想レベルでこっちが恥ずかしくなる。

  • 日本推理作家協会賞長編賞に輝くサスペンス。折原一らしく,多数の登場人物の視点からいろいろと謎が提示され,中盤のサスペンスは部分はなかなかのもの
    交通事故に遭い,記憶喪失になった謎の男「神崎一郎」の正体は誰かという謎。20年前の青葉ケ丘中学で,恐怖新聞を発行し,粛清をしていのは誰かという謎。同窓会を妨害するために,野呂和男と喜多村冬彦を殺害した復讐者は誰かという謎。そして,青葉ケ丘中学の教師だった仁科良作の妻は誰かという謎。これらの謎が、畳み掛けるように構成される。しかし,真相が平凡。神崎一郎の正体は,都会から転校してきて,すぐに転校していった足立一郎。恐怖新聞を発行していたのは級長の秋葉拓磨。復讐者は,自殺した稲垣公夫の父であり,仁科良作の妻は,長谷川美鈴だった。
    いずれも,ある程度ミステリを読んだことがある人であれば容易に予想する結末であり,ミスディレクションといえるものがない。叙述トリックを駆使し,作品がどんどん複雑になっていた折原一が,叙述のテクニックを利用し,サスペンスとして楽しめる出来とし,作品全体の作りをシンプルにした結果だと思われるが,どこか一つくらい,裏を書いても良かったのでは,と思ってしまう。折原一を初めて読む人が,叙述トリックの折原一の作品と期待して読むと拍子抜けするかも。ミステリ慣れしていない人が,余談を持たずに読めば,楽しめるかも。
    いじめ部分は全く感情移入できなかった。折原一はいじめられたことがないのかもしれない。米澤穂信のボトルネックや,相沢沙呼の午前零時のサンドリヨンなんかに比べれば薄っぺらく感じてしまった。
    折原一らしく,サスペンスとして中盤部分までは十分に楽しめ,結末の意外性こそはないが,全体してこじんまりとまとまった作品といえ,駄作とは思えないので,評価としては★3かな。

  • 長い…
    犯人は、一周回って結局一番濃い動機があった人が犯人じゃん!ってカンジだけど、他諸々の辻褄合わせが一応叙述系ミステリなのかな?いや、しかし長い…

  • 20年ぶりの中学校の同窓会で、クラスに恨みを持つ者が大量殺人を計画するという話。かなりの長編だが、これは犯人がわからないようにするために意図的にそうされたような気がする。伏線が無駄に多い。おかげですっかり騙されたけど…。笑

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て1988年に『五つの棺』でデビュー。1995年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。叙述トリックを駆使した本格ミステリーには定評がある。『倒錯のロンド』『倒錯の死角』『倒錯の帰結』など「倒錯」シリーズのほか『叔母殺人事件』『叔父殺人事件』『模倣密室』『被告A』『黙の部屋』『冤罪者』『侵入者 自称小説家』『赤い森』『タイムカプセル』『クラスルーム』『グランドマンション』など著書多数。

「2021年 『倒錯のロンド 完成版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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