- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150306113
感想・レビュー・書評
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映画監督の「是枝裕和」が自らの映画作品を小説化した『小説ワンダフルライフ(英題:After Life)』を読みました。
『三度目の殺人』、『そして父になる』に続き、「是枝裕和」作品です。
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人は亡くなると天国の入口でこう言われます。
「あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい」天国に行くまでの七日間で、死者たちは人生最良の思い出を選択し、それを再現してフィルムに撮り、試写室で見るのである。
あれこれ悩んだ末に彼らが選んだ思い出は……話題の映画を「是枝監督」自ら小説化
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天国への入口で、人生を振り返り一番印象的な想い出を選択する死者たちと、彼らの手助けをする人々の交流を描いたファンタジックで感動的な群像劇、、、
映画の単純なノベル化ではなく、「映画という形でいったんふくらんだ『ワンダフルライフ』のモチーフを、活字というフィールドへさらに解放していくこと」(著者あとがきより)が意図されているらしく、映画とは違った味わいに仕上がっているようですね。
■月曜日―Reception/歓迎
■火曜日―Remembering/想起
■水曜日―Regret/後悔
■木曜日―Relationship/関係
■金曜日―Responsibility/責任
■土曜日―Requiem/葬送
■日曜日―Resolution/決断
■月曜日―Refrain/反復
■あとがき
■映画キャスト、スタッフ一覧
天国の入り口にやって来た22人の老若男女… 彼らはこれから7日間の間に大切な思い出をひとつだけ選ばなければならない、、、
人はその思い出だけを持って天国に向かう… 思い出は所長の「中村」、職員の「望月」、「川嶋」、「杉江」、アシスタントの「しおり」等の面接等により選ばれ、当時が再現されたスタジオセットの中で撮影クルー等の手により撮影され、最終日に上映会が開かれることになっていた。
さっそく職員たちは死者たちから思い出を聞き出し、撮影のための準備を進めるが… 死んだ人が天国へ辿り着くまでの7日間に最も大切な思い出をひとつだけ選ぶ、という設定を通して人生の意味について見つめ直した物語、、、
ひとり一人が選んだ、イチバン大切な記憶… その思い出を選ぶ過程や、選ばれた思い出の内容を通じて、ひとり一人が過ごしてきた人生や、人物の内面が明らかになるという展開で、独特の雰囲気を持った感慨深い作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絵本のような語り口が夢の中のような世界と相まって私を知らない所へ誘うようでした。
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映画のワンダフルライフは知りません。でも映像にした方が美しいかも。私の想像力ではダメです。自分の一生を振り返る。思い出深い出来事とはなんだろうと考えてしまいました。
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大学に入りたてだった頃にやってたワンダフルライフ、映画館に行く行動力はなかったけど小説は迷わずに手に取った。いつ読んでも自分に置き換えてしまうテーマ、毎回違った気持ちが湧き出てきます。
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図書館で借りた。
映画を小説にしたモノ。
登場人物が多くて
誰が主人公なのか?分かりにくかった。 -
映画はたまたま部分的に見ちゃったから、ちゃんと見たことない。
でもずっと気になっていて。
早く続きが読みたくて、急いで読んじゃったのだけど、良かった…。
映画もちゃんと見て、もう一回熟読して、ちゃんと言葉にしたい! -
映画のノベライズではない、とあとがきにはあるが、まあそうかな。映画を見たあとで読んだので、登場人物の心情が明確にされて、あ〜そうだったんか、と。
ですます調なのが新鮮。宮沢賢治を思い出した。 -
映画が好きなので、小説も読んだ。
それぞれの人がいるということ。
とても優しいと思った。
それから、話が切り替わるページが好き、
月曜日 Reception 歓迎
火曜日 Remembering 想起
月曜日 Refrain 反復
など。 -
古本屋で偶然発見。映画も未鑑賞。
最初は、ですます調で躊躇った。けど、読みながら、この本はこの文体じゃなきゃダメなんだと気づいた。普通の文体だと、ただの現代のSFみたいになっちゃう。ですます調だからこそ出る「死の世界」の、ありそうで、なさそうな雰囲気(?)を感じた。
『彼らは生きてはいるが、決して現在を生きているわけではない。生きながら「思い出」という過去を生き始めているのだ』 -
2013.5.28読了。
祝•是枝監督!ってことで、再読。
この映画とこの本で、私は是枝監督のファンになりました。
何度読み返しても、望月くんの選択に涙が出る。
私はどの思い出を選ぶんだろう。