- Amazon.co.jp ・本 (588ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150306540
作品紹介・あらすじ
400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは、浮浪者の男だった。男の導きで、沢崎は元高校野球選手の魚住からの調査を請け負う。11年前、魚住に八百長試合の誘いがあったのが発端で、彼の義姉が自殺した真相を突き止めてほしいというのだ。調査を開始した沢崎は、やがて八百長事件の背後にある驚愕の事実に突き当たる…沢崎シリーズ第一期完結の渾身の大作。文庫版書下ろし掌編「世紀末犯罪事情」収録。
感想・レビュー・書評
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正統なレイモンド・チャンドラーの後継者と言えると思う。
レイモンド・チャンドラー+ロス・マクドナルドだな。
何とも言えないけど、読み応えが有り、素晴らしい作品だ。
煙草が無性に吸いたくなる。今の時代は煙草の扱いが厳しいような。 -
探偵沢崎シリーズで、「私が殺した少女」の次に書かれたものです。
沢崎氏は渡辺探偵事務所の探偵なんですが、所属しているのは彼一人。
なんで「渡辺」?なんですが、主宰者でありパートナーでもあった渡辺は
元刑事なんですが、おとり捜査の最中に取引のブツと金の双方を持ち逃げして
警察とヤクザの双方から追われている、という身の上。
前作でも、その渡辺氏は絶妙に現れては消えて、深い印象を残していたんですが
今作でついに、彼に関しては決着ついてしまいます。
けっこうなエピソードだと思うのに、全くの傍流扱いで。
そして本流の方も、圧巻というか息をもつかせぬ展開で。
なかなかのアクションシーンが随所にあって、コレ、映画化されないかなって。
沢崎シリーズの第一期完結となる渾身の大作だそうで。
いや、全く。タイトル含めて非の打ちどころのない傑作だと思います。
全く語られないのに、いやだからこそ、香るように、ゆらめくように
沢崎の思いや感情が、行間から沁みだしてくるような気がします。
オススメです。 -
ハードボイルド、私立探偵沢崎シリーズ第三作。
11年前に義姉が自殺した真相を突き止めて欲しいとの依頼を受ける。
原尞氏の著作には、妙なリアリティが存在している。それは、そこかしこに、原尞氏自身が潜んでおり、ある種の私小説的な迫力があるせいかもしれない。 -
YM館長の一箱図書館で借用。
タイトルは知っていたが読んだことのなかった本。
探偵沢崎シリーズの第3作。
甲子園賭博の話から、途中で能の宗家の話が出てきて、どうなるのだろうと思った。 -
沢崎が相変わらずハードボイルドにキメる。
高校野球の八百長の謎について辿っていくと、沢崎は能を見ることになるのだ。なんのこっちゃ。
アウトローな探偵を気どりながらも、なんだかんだ人の情に繊細さを見せるシーンが多く、いかにも日本風チャンドラーといったところ。 -
すべてのネタ振りがきれいに回収される展開が気持ちいい。探偵は自分ルールに縛られて、苦労が多い。
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姉の自殺の真相を調べる。
依頼されるまでと真相に関して若干こねくり回し過ぎやなーって感がした。今読むと全体的に古いなー。
だから、事情の分からん海外ものが好きなんかな。
でも、やっぱり沢崎シリーズ面白い。