夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

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著者 : 森岡浩之
  • 早川書房 (2002年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150306908

夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)の感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の「夢の樹が接げたなら」を読んだ時点で、すごいSF作家を見つけてしまったと驚いた。飛び抜けた発想と世界観の作り込みには感動するし、文章も読みやすい。ただ全体的に同じようなテーマで書かれているため一気に読むと若干あきる。表題作と「ズーク」が重くて面白い。
    星界の紋章はとりあえず買う。

  • 夢の木が接げたら、人は幸せになるのだろうか。
    同じ題材でも紡ぐ人が100人いたら、100通りの何かができるんだろうか。

  • 『スパイス』という短編がすごい。色々な意味ですごい。ここまで書くのかというほどすごい。
    スペースオペラのシリーズで有名な作家さんですが、この短編集が初読み。

    ・夢の樹が接げたなら
    表題作。
    新たな言葉を作りそれをインストールして使う時代。
    新しい未知の言葉は今までの概念を覆すものなのですが、その設定を巧みに生かした話でした。
    この後の短編でも、この作者さんが「言葉を作る」という設定にたけていることがうかがえます。

    ・普通の子ども
    機械に囲まれた世界で、親子の一瞬の邂逅を描いた話。

    ・スパイス
    冒頭に書きましたけどこれが一番、いろんな意味で印象に残りました。
    化学合成でDNAを一から組み立てた「ヒト」の形を成すもの。それにはプログラムによって温かい家庭の記憶(ニセモノ)を植え付けてあり、情緒の安定した普通の女の子の見た目と思考を持っている。
    人造人間を作り出し、食べようとする男と、女の記者が意見を戦わせる。女は報道の果てに、作られた人間に戸籍を与えるという役割を担う。
    しかし戸籍により、「人間である」というお墨付きを得ること。即ち一種のタブーを定義することが、この男に取ってはこれから食べようとする者に振りかける美味しいスパイスとなってしまった。
    あくまで肉体は合成であり、記憶はニセモノである。
    それを食用にするのは、是か非か。

    ・無限のコイン
    コンピュータのジレンマ。
    主人公の正体は多分序盤で気づく。

    ・個人的な理想郷
    この本の初版が出たのは1999年。SNSはまだ無かった時代だけど、この話では個人個人がネット回線などを通じてマス・メディアとなった時代が描かれている。今、TwitterやFBでこういうことをしている方が多いし、まさにこんな感じじゃないでしょうか。
    たった数人のために発信される情報だけど、ある人にとってはそれが全てであり、他なんてなくても良くなる。

    ・代官
    昔の日本に実は異星人が襲来していた。
    UFOとか宇宙人という言葉を使わずに、それが描かれています。
    鬼とか妖怪とか言われているものって、実は宇宙人だったのかもなぁ。

    ・ズーク
    宇宙空間で迷ってしまった宇宙船の中で生まれた子供たち。言語的にも隔離され、固有名詞という概念を持っていない。その子供の目線で話が描かれています。
    彼らが認識して名前を付ける前の物はみんな「ズーク」という言葉になる。だからズークの連発。
    ちょっと読みにくいけど、なんとなく異文化の人の心が解るような…とても面白い試み。

    ・夜明けのテロリスト
    面白い設定の話です。
    「知性」はどこからやってくるのか。思考する部位である脳の前頭葉は、実はインターフェイス(知性の源である何かと肉体を結ぶ仲立ち装置)であり、知性の源は未だにヒトが知覚できていない宇宙である。脳はそことつながっているという設定。
    ピンときたのは「涼宮ハルヒの憂鬱」のハルヒでした。ハルヒの脳もこうなってると言われるとすごく納得できる。真実は解らないけど。
    最後、宇宙がつくりかえられていくさまは見事な引きです。

  • SF短編集、新たな概念をどう受け入れるかというテーマが全編共通しているかな。頭ぐるぐるする。

  • 言葉に関する短編が面白かった

  • 途中で読むのやめた。面白さに欠ける。

  • 好みです。時間を忘れて読みふけってしまいました。ディテールを掘り下げていけば立派な長編小説になりそうなネタをあえて短編でコンパクトにまとめているので、想像力を刺激されます。

  •  「星界の紋章」などのスペース・オペラの作者だと言うことで避けていたのだが、本書の解説でまさにそれを指摘されてしまった。
     表題作『夢の樹が接げたなら』は森岡浩之のデビュー作。言葉に関わる物語で、非常に興味深く読むことができる。デビュー作であるとは信じられない。
     ホラーテイストの作品なども収録されているが、特に興味を持ったのは、最後の「夜明けのテロリスト」。知性に関わる物語であり、エンディングが興味深い。

  • 世界を言葉で表す。言葉から世界が生まれる。なんだか思考がこんがらがる。
    現実とSFの狭間を模索しているような雰囲気の短編集。

  • 久し振りに珍しくSFを読むと、いつもと違う頭の中の回路が刺激されて面白いですな。特にこの短編集に収録されている作品は、こと細かに事象の説明が成されていないので、考えつつ読み進めたので余計にそういう感覚が強かったのかも。
    人工的に言語を作り出す世界を描いた表題作や、名付けるという行為について考えさせられる『ズーク」など、言語に関した作品が気に入りました。

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夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)の作品紹介

独自の言語を設計する言語デザイナーの主人公は、奇妙な偶然から、これまでのものとはまったく構造の異なる言語に遭遇する。言語理解と人間の認識能力、そしてその未来を描いて第17回ハヤカワ・SFコンテストに入選した表題作をはじめとして、緻密な世界観に裏づけられた、名品8篇を収録。大反響をまきおこした、スペースオペラ「星界シリーズ」で、日本SFの新時代を切りひらく、森岡浩之のエッセンスを、ここに凝集。

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