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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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人は眼差しによって事物を犯し、見ることによって事物に犯される。だからこそ、人は見ずにいられない。形と、ちからを。
― 399ページ -
「その意向というのを説明してくれてもいいでしょう。ぼくには損害がないとでも?」
シラカワは肩をすくめた。
「契約上、あなたにそれを訊く権利はないし、私にもお話しする権限がない。ええ、個人的には心苦しく思っています」
「器材は他人のものです。協会にはそれまで保全する権利はないでしょう」
「いいえ。契約書をお読み返しください。それからクドウさん、あなたには応分の違約金が支払われます」
シラカワが契約でしくじることはないだろうな。隙がないもの、と思った。
― 316ページ -
「そうだね」圓は笑うけど、心からじゃない。あなたは自分の内部状態が大切なのよね。何か考えてるときに話しかけられるのが嫌なタイプ。外の変化に影響を受けるのがきらい。でもあたしはちがうんだ。おもいもかけないやり方でかきまわされるのが好き。だから刺青をえらぶ。けど、これ以上持ちかけても嫌われるだけだろう。
― 313ページ
みんなの感想・レビュー・書評
連作短編集。
他のハードSF作品と違ってエンタメ寄りの文章のため読み易い。
ただ表題作は文章は読み易いが章毎に一人称(計4人)や三人称の文章に変わったりして慌ただしく、説明も分かりづらいものが多く読み通すのは辛かった。
他の三編の中短編がそれぞれ面白かったのでこの点数に。これから読む長編も楽しみだ。
滅多に本を読まない物書きのかたが 「文章が美しいから複数回読んだ」とおっしゃっていたので気になって。 それを意識して読んだからだと思うが、 なるほど、分かりやすいながら、独特のリズムがある文章だった。 一文が短く、たまに出てくる一行半ほどの長い文は 途中の読点で意味が区切られていることが多いので、 日本語の構造が分からなくて読み返すということはない。 そして何より、表現が... 続きを読む »
久しぶりにSFものを読んだ。 本作は短編集。 状況や情景を想像するのがSFの楽しさの一つだと思うのだが、どの編もイマジネーションを刺激する作品だった。 気に行ったのは『デュオ』と『象られた力』。 前者は若干ミステリーやホラーテイストもありぐいぐい引き込まれた。 ラストのコンサートシーンはぞくぞくした。 後者は、世界観がかなり好みであった。 図形(形)が力や能力を発揮する発想や、ロフトの構造であったり、食や性的描写がとても興味深かった。 もっと早く読めば良かった~。
「グラン・ヴァカンス」で、伝説のSF作家から一気に知名度をあげた飛浩隆の、「伝説」たりえた代表的な中篇4編を大幅加筆の上まとめた作品集です。<br /><br /> SFではあるんですが、斬新なアイデアで勝負するといったタイプではなく、SFの文法を使って作者独特の世界を見せてくれる作品です。文体は美しくイメージ喚起力に優れていて、その作品世界は、邪悪なものと聖なるもの、残酷なものと優しいものが混じり合って独特の陶酔感があります。それでいて手触りは冷たくて、物語も理知的にコントロールされている印象を受けます。<br /><br /> 4編作品がありますが表題作と「デュオ」がすばらしいです。ごく個人的な感想としては、津原泰水に通じるものを感じます。津原泰水がホラーを通じてやっていることを、飛浩隆はSFを介して行っているというか(同意見なしって感じ…)。
なんてゆーかこのひとの文章の神経質なまでの硬質なきらめき、切実さ、無情さってなんなんだろう。溜息が出る
絶対だと思われた世界が、実はとても危ういものである、という事をまざまざと思い知らされるSF短編集。読み進めていて、アタマの中に新しいチャンネルが構築されていくような感じが、堪らない。表題作も素晴らしいが、個人的に巻頭の「デュオ」に痺れた。
堀→山本→野尻→飛っていう連鎖だ。1960年生まれで島根大学だそうな。近いなぁ。
どんでん返しが驚きの結末を彩るミステリー「デュオ」、作者の世界なのかな?けっこう凝った世界観を下地にした「呪界のほとり」、非常に風景描写が美しく筆力を感じさせる(ただし筋はイマイチの)「夜と泥の」、そして表題作「象られた力」と中編4編だ。
肝心の表題作はというと・・・・ちょっと長すぎる。あらかた筋書きが読めてからが長い。登場人物も多すぎて感情移入している暇がない。いい作品だと思うのだが残念。手が加わってるらしいので、オリジナル版を読んでみたいなぁ。
冒頭の一編「デュオ」が凄い。やけに描写のクオリティは高い上に、展開も落とし所も劇的。異様な読後感がしばらく消えないのだからこれは傑作なんだろう。
音楽SF?なのだとか。確かに双子のピアニストにまつわる話ではあるけれど。最近のSFの潮流も分からず「完璧な小説」という触れ込みだけで読んでしまったのが良かったのかどうなのか、グロテスクで確かに完璧。こんなの読んだ事無い。
他の作品の水準の高さも比類ない。間違いなく天才ですね。
その後(更に)傑作との「グラン・ヴァカンス」も危うくて。このネガな魅力には昔イタリアンロックに嵌った感を思い出した。手を出さない方がよかったかなぁ。
そもそも一気に読むのがもったいないし、短編を続けて読むと気持ちの切り替えが旨く出来ず物語があまり楽しめなくなるので、ボリューム自体はそんなにある訳でないないが、かなり時間をかけて読んだ。
どれも秀逸。
特に『デュオ』を読み終わった時はクラクラした。
『象られた力』も中盤〜最終局面の緊張感がものすごく、読み終わった時に息を大きく付くような気分。
飛浩隆は、合法で、健康に害のない、だけど依存性の高い読むドラックだと思う。
「デュオ」 「そうです、私がかれをころしました。もう何年まえのことになるでしょうか」という語りから始まる悪魔的な魅力を持っている双子の天才ピアニストと調律師の物語。全体を漂う濃くドロンとした不気味さ、緊張や恐怖など情感の表現が素晴らしくラストに向け音楽とともに加速してゆくストーリーには圧巻だった。ラストのオチもまた背筋をゾッとさせてくれる。 「呪海のほとり」 まぁSFっぽいSFで面白かった... 続きを読む »
きれいです。凄く綺麗。
音や形が目に見えます。まさに『象られた力』。
素晴らしい筆力。寡作にして佳作なのも肯ける。
今読むと、万丈とファフナーに笑った(名前がアニメのキャラじゃん。ファフナーはこっちが先だけど)。
「デュオ」読了。不思議な話。構成としてはどんでん返し系なんだけど、それ以上に「名無し」をどう捉えるべきなのか...。音楽の知識があったら、より楽しめたのかもしれない。
「呪界のほとり」を読了。すいません、理解できませんでした。。。多元宇宙的な話なのかしら。SF的リテラシーがなくて困る。
「象られた力」読了。ミステリ的な手法で書かれているので、普通に楽しく読めた。が、この物語を理解できたのかと言われれば、全く理解できていないんだろうなぁ。エンブレムがコマンドになっている、ということはわかるのだが、エンブレム自体が意思を持つ、的なのはどういうことか分からん。。
4篇が収められたSF中・短編集。文体も描かれている世界も幻想的で美しい。聴覚や視覚などが感じる「美」を言語化しようとする描写力に五感と想像力が強烈に刺激される。表題作が特に良かったかな。
文句なしの星5つ!めちゃくちゃ面白いです。たしかにSFなので難しい部分もあったりですが(そこが格好いいのかもしれませんけど)分かんないながらにどんどん読み進めたくなるストーリーの面白さ、キャラクターの魅せ方、情景描写の美しさ。他の作品も読んでみたい!
何度目かの読了。
最初に読んだときはデュオが読みやすくて好きだったけど、読めば読むだけ全篇どんどん面白くなるのですごい。
象られた力が一番文章から目に見える感じがして圧倒される。
バラエティに富んだ中短編集?でした。
作品ごとに印象が違うので、まぁ良く分からないけど、もしかすると好みかもしれない(漠然としすぎだろ
「ラギッド・ガール」があまりにすごかったのでかなり入れ込んで読んだのだけど、うーん、これは…。どの短編にもさほど惹きつけられなかった。「離陸」しないのだ。SFに限らず(SFにおいて顕著だが)ある種の物語はどこかの時点で加速して宙へ駆け上っていく。そうとしか言いようのない瞬間がある。物語の力に連れ去られ、そこから世界を新しい目で見ている時の高揚した気分を求めてわたしは本を読む。言葉にしがたい飛翔の感... 続きを読む »
<あらすじ> 惑星“百合洋”が謎の消失を遂げてから1年、近傍の惑星“シジック”のイコノグラファー、クドウ円は、百合洋の言語体系に秘められた“見えない図形”の解明を依頼される。だがそれは、世界認識を介した恐るべき災厄の先触れにすぎなかった…異星社会を舞台に“かたち”と“ちから”の相克を描いた表題作、双子の天才ピアニストをめぐる生と死の二重奏の物語「デュオ」ほか、初期中篇の完全改稿版全4篇を収めた傑... 続きを読む »
余裕がある時に再読したい感じだなあ。SFはやっぱし密度が濃いっていうか消化するのに時間がかかる。ということで星みっつ。

うわあ、なんで今まで読んでなかったんだろう、もったいない!
最初の「デュオ」にがつんとやられました。すごすぎます、この話。
最初に読んだせいもあるのかもしれませんが、表題作よりよっぽど強烈です...





