象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307684

感想・レビュー・書評

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  • 「ラギッド・ガール」があまりにすごかったのでかなり入れ込んで読んだのだけど、うーん、これは…。どの短編にもさほど惹きつけられなかった。

    「離陸」しないのだ。SFに限らず(SFにおいて顕著だが)ある種の物語はどこかの時点で加速して宙へ駆け上っていく。そうとしか言いようのない瞬間がある。物語の力に連れ去られ、そこから世界を新しい目で見ている時の高揚した気分を求めてわたしは本を読む。言葉にしがたい飛翔の感覚がそこにある。

    五感に訴えかける筆者の描写力はデビュー作から際だっている。でも、色彩あふれる世界にどうにも入っていけなかった。「廃園の天使」シリーズでは風の流れや匂いまで感じ取れると思うほど「連れ去られて」いったんだけど。

    これで本になったものは全部(と言ってもたった三作)読んでしまった。ああ早く「数値海岸」の世界へ行きたい。筆者はインタビューで「当分出ない」と断言していた。何でわたしの好きな作家は寡作なんでしょう。でも気長に待つよ。原リョウも。

著者プロフィール

1960年島根県生まれ。島根大学卒。第1回三省堂SFストーリーコンテスト入選。『象られた力』で第26回日本SF大賞、『自生の夢』で第38回同賞を受賞。著書に『グラン・ヴァカンス』『ラギッド・ガール』。

「2019年 『自生の夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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