マルドゥック・ヴェロシティ 1 (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-4)

著者 :
  • 早川書房
3.87
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本棚登録 : 1164
感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150308698

感想・レビュー・書評

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  • マルドゥックシリーズの世界感が超大好き(笑)

    スクランブルでは、ひゃ〜危険!恐い!やだ!って思ってたボイルドの背景を知ると切なくなる。


    ああ〜、なんだよ、楽しい時と終焉の時…。


    ボイルドにも感情移入してしまうのです。

  • 「マルドゥック・スクランブル」売れたからスピンオフかよ!
    みたいな気持ちで読み始めたら、とんでもなかった。
    すごい。これはすごい。

    「スクランブル」のおまけなんかじゃない。
    むしろ「スクランブル」との整合性は無視してでも語られる
    凄惨で鮮烈でひどくセンチメンタルな黙示録。
    やばい。これはやばい。

    ほぼ全員が新キャラなので、
    スクランブルで予習する意味はあんま無いです。
    思い立ったら読むべき本。

  • 『有用性の証明ーそれが規律の名だ。我々は、我々を必要とする者たちのために、惜しみなく力を使う。ここで一つリスクについて言及しておく。君たち力ある者にとってはスリルと言い換えてもいいだろう。有用性の証明に失敗すればー廃棄処分か、刑務所行きか、ゴミ缶に放り込まれるか、戦うべき相手に敗北するかはわからないがー要するにジ・エンドだ。むろん働きによっては、そうなる前に巻き返すこともできるだろう。それが私の選択肢だ。説明は以上だ。』

    『マルドゥック・スクランブル』以前の物語。本作もかなり面白い。『マルドゥック・スクランブル』もだいぶ前に読んだから内容覚えてないなぁ〜。映画観ようかな。

  • 柔らかくて暖かくて優しい存在を失った黒い男の戸惑いと暴力と懺悔の物語。

  • 「マルドゥック・スクランブル」の前日譚。
    スクランブルではラスボスだったウフコックの元相棒のボイルドが主人公。


    絶望し虚無へ身を委ね、ウフコックを濫用して決別したボイルド。
    それにまつわるオクトーバー一族との因縁。

    スクランブル時点であんな状態だし、3巻の帯に書かれたコピーは
    「灼熱の暗黒、失墜する魂」

    読み始める前から、とんでもなく悲惨なラストになると分かっていたので、09のメンバーが皆良い奴らばかりなのがつらい。
    ウフコックとの蜜月も・・・スクランブルに比べてだいぶ幼いウフコックの無垢さとボイルドの純粋さが可愛いわ切ないわでつらすぎる。

    =、-や/などを多用した文体が読みにくい!という意見がよくあるけれど1巻を読み終える頃には、慣れて気にならなくなる。正直、2、3巻は記号を目にした記憶がないほど物語にのめり込んでた。
    このヴェロシティからいきなり読んでも大丈夫だけど、おすすめはスクランブル→ヴェロシティ→スクランブルのループ。

  • 時間軸として前作「スクランブル」より過去の話。前作で主人公の宿敵として出てくるボイルドが主人公。まだ1巻しか読んでないけど、3冊読み終わる頃には悲壮感、絶望感、血味泥加減が半端なさそうw

    都市が大都市として急激に成長していくなか、それに伴う組織の変容が血生臭く書かれている。残酷でグロテスクな描写も容赦なくあるので苦手な方は要注意。作者の文章力が見事で、映像として捉えやすいから苦手な方は大分きついかも。

    その分バトルシーンなんかは圧巻。又、それぞれのキャラの緊張感がヒシヒシ伝わってページを捲る手が止まらなかった。読み出したら止まらない後引き大根本。

    「スクランブル」のファンは読むべき!今シリーズ単体でも楽しめるが、前作を読んで要るからこそ感じるものが十二分にある。作品世界にドップリ浸かれる。前作と合わせてオススメしたいSF小説。

  • 刊行時に買ったもののずっと積んでいた本作、ようやく全三冊読了。


    あなたも私もシザーズ

  • スクランブルを読んですぐに手に取ったので、機械的に徹しようとする地の文にまず驚きました。そして一旦読み始めれば、ボイルドがウフコックを心配して捜しまわっていて人間臭いわ、ウフコックもしゃべり方がどこか幼いわ、ドクターの描写にも驚かされるわと一体10年の内に何が起こったと先が気になって仕方がなかったです。会話文は個性豊かな登場人物のおかげでコミカルな場面も結構ありますが、これから泥沼に落ちていくことが分かっているのでどのように変容していくのか楽しみです。

  • マルドゥック・スクランブル以前の物語。
    ボイルドとウフコックがコンビを組んでいた時代の話。

    09法案の誕生や、マルドゥック市発展の様子が分かって、スクランブルのファンはとても楽しめる。
    個性的な能力を持った登場人物が多いし、戦闘に関してはこちらの方がより面白いかも。
    (3/22)

  • 2010 12/16読了。WonderGooで購入。
    @sakstyleたちと映画を見に行くにあたって『~スクランブル』を読み、感想も色々話していて、その際に『~ヴェロシティ』を読んでからだとボイルドの印象がかなり変わるとは聞いていたのだが・・・。
    か、変わり過ぎだろう。
    なんてこった・・・どうしてここから『~スクランブル』に至るんだ。
    先を読むのが楽しみなような、怖いような・・・。

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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