膚の下 (下)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 369
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (629ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150308827

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻、計1200ページの大作。しかも、3部作の第1部『あなたの魂に安らぎあれ』から、足掛け20年に及ぶ1大巨編の完結だ。本作にSFとしての欠点や矛盾をあげつらえばいくらでもあるだろう。しかし、それらを補って余りあるスケール感と圧倒的なまでの感動を伝えるのがこの作品だ。エピローグが素晴らしい。福音書の最期を飾るにふさわしいものだ。理想が実現した後にやってくるのは、満足感ではなく哀しみだった。「選ばれし者の恍惚と不安と二つ我にあり」―慧慈はまさに召命されたのだ。それは誰にだったのだろうか。神林の最高傑作。

  • 再読すると脇役の人に目がいくなあ。ドクターは達観してるな。そしてマギラ少佐はいい人だ~。生きることに執着のある人は格好いいなあ。 慧慈のためにあえて厳しくしているけど、本当は一番の理解者であり、一番愛してる。父親という役割を見事に果たしてる。慧慈は親孝行できたんだ。 本にはないけれど、アートルーパーの計画が軌道に乗ったころに、慧慈とゆっくり話ができたらいいのにな…と思う

  • 上下巻の下巻、神林長平作品の中で最も優しくて、エゴイスティックに満ちた作品かもしれません。
    ただものを作るエゴとその悪魔的な魅力については一見の価値があるんじゃないかなと、
    墓場まで持って行きたい本の一冊です。

  • 借本。
    一気読み。
    もぅ、最後の一行にやられた。
    ロマンチックすぎる!
    さて、また「あなたの魂に安らぎあれ」から読むとしよう。

  • われ奇跡を見たり、 慧慈理論は真なり!
    膚の下を読んで、あなたま読んで、帝王の殻読んで、また膚の下読んだ。やっぱり次はあなたま読みたくなった。無限ループ!

  • 慧慈の決断は崇高すぎて厳しすぎて切なすぎる。
    アートルーパーとして生きること、創造主となること、その罪、その孤独。それを全て抱えて彼は荒野を歩くのだと思うと、胸が苦しい。
    この物語が「あな魂」に続いていくんだなあ。
    あな魂が読みたくなった。
    また号泣してしまうに違いないけど、これを読み終わった今ならまた違う泣き方ができそうだ。

  • 創造について多くを教わりました。
    いまのところ一番好きな作品です。

  • [novel][SF]
    「あなたの魂に安らぎあれ」「帝王の殻」で描かれた世界がアートルーパー慧慈により、いかにしてもたらされたのかが明らかになる下巻。
    定められた結末に向けて進む分、物語が制限を受けた感は否めないが、それでもその過酷さと美しさは輝いていた。

    シェンエはいいキャラクターだった。つまらない理由で大騒動や大災厄を起こす小悪党って大好きなんだ。

    神林長平はかなりハードなSFを書く作家だが、決してハードSFの作家ではないことを改めて感じた。

  • 3部作のうち、これのほかの2作を読んでいない。
    そのためか、話の流れにまったく納得がいかない。
    登場人物は魅力的なのでその分で★2つ。

  • 火星三部作。第三作。下巻。

    火星三部作、堂々の完結。
    人間、機械人アミシャダイ、そして他のアートルーパーとの交流により成長していく慧慈にどこか心地よさを覚える。
    前二作、とくに一作目の「あな魂」に存在した数々の謎が消化されてお腹いっぱい。

    もう一度あな魂から読み返さないと!!!
    きっと新たな発見があるに違いない。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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