虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

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著者 : 伊藤計劃
  • 早川書房 (2010年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309848

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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)の感想・レビュー・書評

  • 言葉を器官と置き換えて、とらえるところが面白い。
    また、言葉とは‥どのようなものなのかという考察も楽しめました。
    西洋世界を守るために、途上国で虐殺を起こさせるなど皮肉に感じました。
    これからのセキュリティはどのように考えるべきなんでしょうね。

  • 期待しすぎたせいもあるけど、どちらかと言えば好きな雰囲気だったけど。。
    なかなか面白いアイディアだけど、もうちょっとこのアイディアをうまく使えたんじゃないのかなぁと。。
    高野氏のジェノサイドのように、ドキドキハラハラさせて欲しかったかな。ちょっと難しい。

  • 操られた文法によって各地で内戦を起こし、他国(アメリカ)に対するテロを抑える活動をするジョンポールを追う軍の暗殺者クラヴィスの物語。

    -理性はほとんどの場合、感情が為したことを理由づけするだけです。

  •  
    哲学グルグルサイバーパンク(?)


    そんな動機で世界をかき回したのか。


    未成熟の破壊発動。


    戦争って、結局そういうもんだったりすんのかな。


    何にせよ
    初めから終わりまで少年の声で再生されたわ。
     

  • SF界で噂の虐殺器官。先日思い切って購入しました。
    ワクワクしながら読み始めて、おお、9.11後の世界を描いてるのか、と読み進めて……ジョンポール登場で話が哲学的になり……。

    中だるみしつつも読み進め、ラストでうえぇ?!となりました。

    このラストはすごいな。怖い。色々怖い。

    内容的にはルビが多くて少しとっつきにくいけど興味深い。
    このままいくとこういう世界、ありえるよなぁ……と思う。

    ただ、SF初心者の私には少し難しすぎたかも。
    ハーモニーも一緒に購入したので、また時間をおいて読んでみようかな。

  • 人は見たいものだけを見る、地獄は頭の中にある……この言葉が延々とループして離れない。色々情報が目まぐるしく蠢く世の中、少し検索すれば何か見出して教えてくれる世の中、なのにも関わらず人は選別して受け容れやすいものだけの情報を取得してゆく。器官は平等に人にある、なのに心だけが自由だと過信にも似た驕り。ジョンポールがした虐殺の引導、終盤私もただただ否定ばかり出来なくなっていった。

  • ラノベっぽくなってしまった表紙に拒否感を植え付けられてしまい、手に取るのがかなり遅くなってしまった一冊。
    ラノベ臭もそこはかとなくするのだが、文学・科学・哲学・宗教学を絡めてくるハードSFものとして充分に楽しむことができた。

    9.11以降のアメリカの兵士、にスポットライトが当てられており、近未来での戦争観を提唱しながらも、現代が抱えてる問題って正にこれじゃねと感じさせてしまう手腕はお見事。
    主人公が米軍大尉のポジションにありながら、マッチョとは異なる文学知識を得た、一人称が僕というところはラノベまっしぐら!という感じで全くアメリカ人として脳内再生されなかったけどな!

    人の中にある良心と、人を殺すという行動の原理が、高度に情報化された社会の中で展開されていき、とても惹きつけられる設定が目白押しだった。中でも特に印象強かったのは殺人が何故、罪深いかということについて触れた下り。
    考えてみればこの通りだけど、文章として考えたことは無かった。

    「殺人が最も忌まわしい罪であるのは、償うことができないからだ。お前を赦す、というその言葉を受け取ることが、絶対的に不可能になってしまうからだ」

  • 情報技術によるグローバリズムの影響で、近年、過去には見られなかった種の国際問題が浮上しており、現代は新たな世界大戦期に突入しつつあるとの声も聞こえる。そういった諸問題に臨むためのテキストのひとつとして、まずは本書を推さなければならないと思う。本書はSFに不慣れな読者にも読まれやすいだろうし、比較的新しい学術的知見にも富んでいて勉強になる。
    (情報工学系知能情報コース M1)

  • メタルギア感がたまらない。好きなタイプのSF。

  • どう映像化したのかが気になる

  • 独特の言い回しで文字数も多く、さらりと読める感じではないが、主人公の感情、考え方が割と明確になっていたので
    展開としては分かりやすかった。

    行動を共にしている人たちに 彼の内面、思考は伝わらないので、彼の行動は青天の霹靂に感じたかもしれないが。

    回答と違う事を考えている=嘘をつく、正直に話す、
    『言葉で伝える』というフレーズはよく聞くけれど、そもそも伝えるのか伝えないのか、どう伝えるのか、伝える前に選択しているのだなぁ、と。

    地獄は頭の中に という作中の言葉だが、思考というのは実に複雑であり、だが時にシンプルでもあり、
    そんな自我を持つ人間たちが共同生活、集団生活をおくっている、平和に暮らしているというのは奇跡なんじゃないか、と思ってしまった。。。

  • 言葉が独特で読みづらさはあるものの、クライマックスまでのストーリーの盛り上がりに引き込まれて最後まで読み切ることができた。

  • テロを防ぐための理屈がすごすぎる。

    しかし、個人情報を徹底的に管理したところでテロは減らないというのには納得した。

  • 9.11以降に大きく変わった世界を描いたSF。
    発想はかなり面白いと感じた。前半が個人的にかなり読みづらかったのが残念なところ。
    でも後半やラストなどはなかなか好きな展開だった。著者がすでに亡くなっていたことも解説で初めて知る。もっと他の作品も読んでみたかった。

  • ずっと気になっていた作品。映画を観たので補完する意味も込めて読んでみた。近未来のSFものはもともと好みだがこれもかなり引き込まれて読んだ。見たいものしか見ない、というのは日本のような平和な国に住んでいると本当にそう思う。虐殺の文法とはどのようなものなのだろうか。

  • 映画を観てから読んだが途中・結末どちらも微妙に本と映画で異なった。

  • 伊藤計劃の原点。映画だけでは語られない。ぜひ読んでほしい。

  • 少し前になるが一気に読了。これを弱冠32歳で書いたというのは驚異的。ハッタリを納得させるパワーと物語を書きたいという作者の情熱が感じられた。生きていればSFのみならず日本の小説界を牽引したであろう才能。読了後すぐにハーモニーを購入した。

  • 映画公開を待って映画を1度観てから原作を読んだ。映画は映画で素晴らしいものだったけど、映画のパンフで監督が語っていたとおり、小説とは本質的に別ものだ。
    原作の本質的な部分は冒頭から随所に現れる「母さんのいる死者の国」で、クラヴィスが虐殺の文法を使うことにした理由がそこにある。
    作者がブログで書いてた「嘘」がどの部分か考えていたんだけど、嘘は最後にクラヴィスが「自分を罰することにした」と述べている部分で、一人称小説である仕掛けはi分遣隊に施されている感情調整が個々の人間に合わせて行われていることだと思う。最終戦闘でウィリアムズは任務より私情を優先したクラヴィスと尚も協力しようとして、クラヴィスは私情のまま行動した。たぶん、ウィリアムズに施されていた調整はクラヴィスのものより強い、というかクラヴィスはほぼ調整されていないんじゃないか。
    理由も分からず突然いなくなった父親と真意の見えない母親のもとで情緒を育まれないまま軍人になったクラヴィスにとって唯一現実感があったのが「はっきりと自分を認識して愛している母親と話す死者の国」だ。最後にクラヴィスが「とても辛い決断だ」と言っているのはジョンに嘘だと指摘された「つらいが仕方ない、仕事だからな」と言っていた部分と同じ。「自分を見ない母親」像だったルツィアを失い、世界を変えてくれるかもしれなかったジョンも死に、母親からの愛もほぼ否定されたクラヴィスは自分の心の安寧が得られる死者の国に行きたかった。母親の生命維持を止める決断をした時に「疲れきっていたから決断できた」ように、最後の作戦終了からずっと疲れていたクラヴィスがした決断が虐殺の文法を使うことだった。
    どこまでも自分自身のための決断だけど、それまで「愛される」ことしか望んでおらず母親を愛していたかということにも「育ててくれた恩義」でしか量っていなかったクラヴィスにとって、誰の命令でもなく自分から他者を害そうと行動を始めたのは一つの成長でもある。虐殺の文法を使って初めてクラヴィスは自分の世界を愛することができた。そういうラストだと思った。

  • 生得文法+言語は思考を規定+自由は通貨(選択の問題)、絵はきれいだが、ストーリーは目新しくなく。感情にマスキングした仲間が主人公の大切な人を売ってしまう。仲間にとっては自分の内側の世界が平和であればよかった。敵のジョンポールにとっても、だから殺戮を先進国には持ち込ませないよう、新興国で煽った。

  • 近未来の米国で暗殺部隊に所属する主人公。途上国各地で急増する内戦や虐殺の最重要人物を葬る作戦に関わるうち、扇動者としてある人物が浮上して、という話。読みながら何度も知的好奇心を煽られた。生、死、倫理、罪、罰、宗教、自由、選択、責任、遺伝子、ことば。これだけ取り上げながらも物語は繋がりや緊迫感を失わず、最後まで惹きつけられた。丁寧な文体で緩急があり、聞きなれないことばも会話などから自然とのみこめるが裏打ちは徹底している。濃い娯楽小説だ。

  • とてもスリリングな哲学だった。明晰な文体が心地いい。

  • 地獄はこの頭の中にある
    人間の虐殺のための器官とはなにか

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