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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

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著者 : 伊藤計劃
  • 早川書房 (2010年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309848

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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)の感想・レビュー・書評

  • 2時間程度のアニメでは再現しきれないほど緻密に創り上げられた世界観。やはり原作は素晴らしい

  • 伊藤計劃面白い
    ラストは救われない終わり方なのに、話の流れ上自然な終幕で良かった。
    もう作品が読めないのが実に残念
    ハーモニー共々面白かったのに

  • 伊藤計劃の生み出す世界観、内容の濃さに夢中になりました。破滅的な結末も愛する人々を守るゆえか。

  • (01)
    2007年に発表された本書であるが、10年後の2017年の現在でも虐殺やテロリズムに対する言及は色褪せていないし、むしろ本書は予言的(*02)であったともいえる状況に、今はある。
    死の不可解や死者の問題、殺人の倫理については、本書に続く「屍者の帝国」において円城氏に引き継がれているが、その端緒も本書に読み込むことができる。

    (02)
    冒頭で中東の大地に射ち込まれる侵入鞘(*03)というのは精子の到達を暗示しており、ペルシヤやメソポタミヤの地に始まり、インダスの奥、アフリカの奥と文明や人類の始まりの地にされ射出され巡礼する主人公は、やはり大地が指示する「母」との象徴的なトラブルを抱えている。
    自己言及されているが、プラハへの侵入は鞘を使用しない例外的なものであって、そこでは母を代理するヒロインに出会ってもいることも、その象徴をより強調するものである。
    また、主人公は本書で立ち止まっていない。座ったり寝たりでくつろいでもいない。概ね、立っている。動いている。走っている。その行動が象徴するものという観点もあるが、スピード感や疾走感は読書を楽しいものにしてくれている。言葉や会話の饒舌は、本書のテーマにも絡むが、活字を追うのが苦でないものにとっては、これまた楽しい。

    (03)
    ローマ字による組織や軍事的な隠語の略称や、外来語を示すカタカナのルビは、SFの王道をいく表現であり、本書でもその効果は遺憾なく発揮されている。
    器官は、おそらく機関の言葉あそびでもあり、オルガニズムとでも宛てたくなるような用語である。本書の構造として、この器官が虐殺とダブルイメージとして読者を揺るがす点、また主人公と悪役もダブってくる点に面白さがある。

  • 言葉を器官と置き換えて、とらえるところが面白い。
    また、言葉とは‥どのようなものなのかという考察も楽しめました。
    西洋世界を守るために、途上国で虐殺を起こさせるなど皮肉に感じました。
    これからのセキュリティはどのように考えるべきなんでしょうね。

  • 期待しすぎたせいもあるけど、どちらかと言えば好きな雰囲気だったけど。。
    なかなか面白いアイディアだけど、もうちょっとこのアイディアをうまく使えたんじゃないのかなぁと。。
    高野氏のジェノサイドのように、ドキドキハラハラさせて欲しかったかな。ちょっと難しい。

  • 操られた文法によって各地で内戦を起こし、他国(アメリカ)に対するテロを抑える活動をするジョンポールを追う軍の暗殺者クラヴィスの物語。

    -理性はほとんどの場合、感情が為したことを理由づけするだけです。

  • SF界で噂の虐殺器官。先日思い切って購入しました。
    ワクワクしながら読み始めて、おお、9.11後の世界を描いてるのか、と読み進めて……ジョンポール登場で話が哲学的になり……。

    中だるみしつつも読み進め、ラストでうえぇ?!となりました。

    このラストはすごいな。怖い。色々怖い。

    内容的にはルビが多くて少しとっつきにくいけど興味深い。
    このままいくとこういう世界、ありえるよなぁ……と思う。

    ただ、SF初心者の私には少し難しすぎたかも。
    ハーモニーも一緒に購入したので、また時間をおいて読んでみようかな。

  • 人は見たいものだけを見る、地獄は頭の中にある……この言葉が延々とループして離れない。色々情報が目まぐるしく蠢く世の中、少し検索すれば何か見出して教えてくれる世の中、なのにも関わらず人は選別して受け容れやすいものだけの情報を取得してゆく。器官は平等に人にある、なのに心だけが自由だと過信にも似た驕り。ジョンポールがした虐殺の引導、終盤私もただただ否定ばかり出来なくなっていった。

  • ラノベっぽくなってしまった表紙に拒否感を植え付けられてしまい、手に取るのがかなり遅くなってしまった一冊。
    ラノベ臭もそこはかとなくするのだが、文学・科学・哲学・宗教学を絡めてくるハードSFものとして充分に楽しむことができた。

    9.11以降のアメリカの兵士、にスポットライトが当てられており、近未来での戦争観を提唱しながらも、現代が抱えてる問題って正にこれじゃねと感じさせてしまう手腕はお見事。
    主人公が米軍大尉のポジションにありながら、マッチョとは異なる文学知識を得た、一人称が僕というところはラノベまっしぐら!という感じで全くアメリカ人として脳内再生されなかったけどな!

    人の中にある良心と、人を殺すという行動の原理が、高度に情報化された社会の中で展開されていき、とても惹きつけられる設定が目白押しだった。中でも特に印象強かったのは殺人が何故、罪深いかということについて触れた下り。
    考えてみればこの通りだけど、文章として考えたことは無かった。

    「殺人が最も忌まわしい罪であるのは、償うことができないからだ。お前を赦す、というその言葉を受け取ることが、絶対的に不可能になってしまうからだ」

  • 情報技術によるグローバリズムの影響で、近年、過去には見られなかった種の国際問題が浮上しており、現代は新たな世界大戦期に突入しつつあるとの声も聞こえる。そういった諸問題に臨むためのテキストのひとつとして、まずは本書を推さなければならないと思う。本書はSFに不慣れな読者にも読まれやすいだろうし、比較的新しい学術的知見にも富んでいて勉強になる。
    (情報工学系知能情報コース M1)

  • メタルギア感がたまらない。好きなタイプのSF。

  • どう映像化したのかが気になる

  • 独特の言い回しで文字数も多く、さらりと読める感じではないが、主人公の感情、考え方が割と明確になっていたので
    展開としては分かりやすかった。

    行動を共にしている人たちに 彼の内面、思考は伝わらないので、彼の行動は青天の霹靂に感じたかもしれないが。

    回答と違う事を考えている=嘘をつく、正直に話す、
    『言葉で伝える』というフレーズはよく聞くけれど、そもそも伝えるのか伝えないのか、どう伝えるのか、伝える前に選択しているのだなぁ、と。

    地獄は頭の中に という作中の言葉だが、思考というのは実に複雑であり、だが時にシンプルでもあり、
    そんな自我を持つ人間たちが共同生活、集団生活をおくっている、平和に暮らしているというのは奇跡なんじゃないか、と思ってしまった。。。

  • 言葉が独特で読みづらさはあるものの、クライマックスまでのストーリーの盛り上がりに引き込まれて最後まで読み切ることができた。

  • テロを防ぐための理屈がすごすぎる。

    しかし、個人情報を徹底的に管理したところでテロは減らないというのには納得した。

  • ずっと気になっていた作品。映画を観たので補完する意味も込めて読んでみた。近未来のSFものはもともと好みだがこれもかなり引き込まれて読んだ。見たいものしか見ない、というのは日本のような平和な国に住んでいると本当にそう思う。虐殺の文法とはどのようなものなのだろうか。

  • 映画を観てから読んだが途中・結末どちらも微妙に本と映画で異なった。

  • 伊藤計劃の原点。映画だけでは語られない。ぜひ読んでほしい。

  • 少し前になるが一気に読了。これを弱冠32歳で書いたというのは驚異的。ハッタリを納得させるパワーと物語を書きたいという作者の情熱が感じられた。生きていればSFのみならず日本の小説界を牽引したであろう才能。読了後すぐにハーモニーを購入した。

  • 映画公開を待って映画を1度観てから原作を読んだ。映画は映画で素晴らしいものだったけど、映画のパンフで監督が語っていたとおり、小説とは本質的に別ものだ。
    原作の本質的な部分は冒頭から随所に現れる「母さんのいる死者の国」で、クラヴィスが虐殺の文法を使うことにした理由がそこにある。
    作者がブログで書いてた「嘘」がどの部分か考えていたんだけど、嘘は最後にクラヴィスが「自分を罰することにした」と述べている部分で、一人称小説である仕掛けはi分遣隊に施されている感情調整が個々の人間に合わせて行われていることだと思う。最終戦闘でウィリアムズは任務より私情を優先したクラヴィスと尚も協力しようとして、クラヴィスは私情のまま行動した。たぶん、ウィリアムズに施されていた調整はクラヴィスのものより強い、というかクラヴィスはほぼ調整されていないんじゃないか。
    理由も分からず突然いなくなった父親と真意の見えない母親のもとで情緒を育まれないまま軍人になったクラヴィスにとって唯一現実感があったのが「はっきりと自分を認識して愛している母親と話す死者の国」だ。最後にクラヴィスが「とても辛い決断だ」と言っているのはジョンに嘘だと指摘された「つらいが仕方ない、仕事だからな」と言っていた部分と同じ。「自分を見ない母親」像だったルツィアを失い、世界を変えてくれるかもしれなかったジョンも死に、母親からの愛もほぼ否定されたクラヴィスは自分の心の安寧が得られる死者の国に行きたかった。母親の生命維持を止める決断をした時に「疲れきっていたから決断できた」ように、最後の作戦終了からずっと疲れていたクラヴィスがした決断が虐殺の文法を使うことだった。
    どこまでも自分自身のための決断だけど、それまで「愛される」ことしか望んでおらず母親を愛していたかということにも「育ててくれた恩義」でしか量っていなかったクラヴィスにとって、誰の命令でもなく自分から他者を害そうと行動を始めたのは一つの成長でもある。虐殺の文法を使って初めてクラヴィスは自分の世界を愛することができた。そういうラストだと思った。

  • 生得文法+言語は思考を規定+自由は通貨(選択の問題)、絵はきれいだが、ストーリーは目新しくなく。感情にマスキングした仲間が主人公の大切な人を売ってしまう。仲間にとっては自分の内側の世界が平和であればよかった。敵のジョンポールにとっても、だから殺戮を先進国には持ち込ませないよう、新興国で煽った。

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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)の作品紹介

9・11以降の、"テロとの戦い"は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす"虐殺の器官"とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)のKindle版

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