さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1)

著者 :
  • 早川書房
3.22
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本棚登録 : 360
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309978

感想・レビュー・書評

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  • 単純にペンギンとSFと言う好きなものがかけ合わさっていることと、表紙の可愛さに衝動買い。
    読み終わった感想は、みなさん仰っているけど、ラノベっぽかったかな?と言う印象。
    量子力学的解釈も、ライトノベルも好きなので、個人的には一気に読めたし楽しめましたが、好き嫌いは人によってかなり割れそうな気がします。

  • フシギなペンギンと1500年生きる男の話。

    後半のバトル物には少し驚きましたが大体の問題などには結末が描かれていてよかった。

  • 「量子力学」というのをご存知だろうか。

    僕も、いまいち全体像が把握できない理論だけれど、大雑把に書くと、「量子(超ミクロ)サイズ」の世界において、

    1.全ては波のように揺らいでいて、その状態は「確率」でしか表せない。(動きを正確に予測することは科学的に不可能)

    2.しかし、観測すると、波のように確率的に変動していたものは一つに決定される。

    …というもの。これは今のところ、科学的に正しいとされている。

    この『さよならペンギン』は上記の理論を応用した世界観で描かれる。

    主人公は、「死ぬ確率を、回避し続ける男」。

    …というよりは、「自分の死は自分で観測できない」という条件から、必然的に「自身が観測する世界では、自身は死なない」という世界が、生きている人の数だけ、パラレルワールド的に展開している、という世界観で、物語は進む。

    キャッチコピーは「哀愁のペンギンSF」。
    理系をかじった文系におススメの本。

  • この世界の観測者であり不老不死の男・南部と、その相棒であるフンボルトペンギン型延長体・ペンダンの同類探しの旅。
    異常なまでに長く生きてきた南部が見せる人間くさい姿や、謎に包まれながらも不気味な感じを出さず、南部以上に人間的な印象・感情的な姿を見せるペンダン。彼らの愛くるしい、口の減らない語り合いは読んでいて引き込まれるものがある。

    多世界解釈、確率論に始まり量子論とSFの重要な要素をわかりやすく解説しながら話が進んでいくため、文系人間の自分でもスムーズに物語に入っていくことが出来た。

  • 主人公は孤独で、そしてどこまでもただの人だ。そこがいい。
    この長い時間の中で「ただの人」でいられたのはすごく幸運なことだったんだよな。そうじゃなかった可能性も多分にあったのに…。いくつもの異常な状況をくぐり抜けても壊れず、狂わず、傍観者で居続けるのはどれだけ奇跡的なことだっただろう、なんてことを考えた。
    後半の意外な展開はちょっとドキドキしちゃったぞ。
    心に何かを残すいいオチだった。
    あと幼女が可愛い(笑)

  • 確率の話が良かった。これからの未来は無数に分岐点があって枝分かれしていく。そのうちの一つの未来に辿り着く確率は限りなく低い。しかし、過去を見ると、いまここにいる確率は常に1…なるほどなあ…。
    ペンダンが可愛かったです。

  • 表紙のペンギンに惹かれて購入。
    ペンダンいいなぁ。

    お話としては、好みがかなり分かれる気がする。
    主人公が40代(といっても不老不死なんで年齢なぞあまり意味はないな)の
    SFっぽい物語。
    ペンダンみたいに「かたわらにいるもの」に憧れをもつ身としては楽しめましたが…ラストあれでいいんかな。
    ちょいと悩む。あと女コワイ(笑)

  • SFと銘打ってますが、物理学テイストのファンタジーというところ。

    世界の存在と観測者。無限に生まれ続ける並行世界とその確率。考えると目眩がしそうです。
    まるで哲学の命題のようなそれが、物理法則と何ら矛盾しないということが感動的というか、不思議というか。

    「我思う故に我在り、そういう意味じゃなかったはずだがなあ」…案外そういう意味なのかも、しれない。

  • 「ロリコンは死ねばいいと思うよ」

  • 量子力学の視点から、世界を観測する人、観測者(オブザーバー)である男が主人公。そんな小難しい理屈はぜんぜんなしに読めますが、量子力学的な方向に少し想像を膨らまさないと、わりと淡々としたお話になってしまいます。

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