旧友は春に帰る (ハヤカワ文庫JA)

著者 : 東直己

• 早川書房 (2011年8月10日発売)

感想・レビュー・書評

[bubu-oさんの感想 · 2024年3月9日]

ハードボイルド！
男は黙ってを地でいくスタイルが良い。

それにしてもハヤカワはでかい。
ブックカバーに入れるの苦戦した。。

[ミライさんの感想 · 2021年9月29日]

読み終わってみると、なんだか悲しいなぁ。この苦い感じがシリーズの味。しかしページ数が多い割には進みが悪かったような…。登場人物達も年取ったから、このペースが合うのか。そしてモンローの良さが自分には分からない。アンジェラはとても良い。

[NOBさんの感想 · 2020年9月24日]

ススキノ探偵シリーズ。
第1作に登場したモンローが再登場。

久々に登場させた割に、魅力的な部分が文中では表現されず…

結末は…
しかも残酷な…

作者が読者を傷つけるのもアリだとおもいますが、これはチョット…

個人的には、ルパン三世における　峰不二子的な振舞い&オチがよかったなーと思った次第です。

[2006takahiroさんの感想 · 2018年6月25日]

「…ただ、お願い。助けて」突然送られてきたモンローからのメッセージは、“俺”の眠気を覚ますのに充分なものだった。どうしても事情を話そうとしない彼女を夕張のホテルから助け出し、無事に本州へと逃がしてやった直後から、“俺”の周りを怪しげな輩がうろつき始める。正体不明のトラブルに巻き込まれ、地元やくざに追われるはめになった“俺”は、ひとり調査を開始するが…旧友との再会、そして別れが哀切を誘う感動作。

[ぱぱいや33さんの感想 · 2018年3月2日]

再読。せっかく俺が苦労して逃がしてやったのに、結局モンローは何をしたかったのか。そこがどうしても解せなくて、あんまり面白くなかった。でも俺と華がやられそうになって、間一髪で高田が助けてくれたのはちょっと泣きそうになった。ほんと高田はかっちょいい。またアンジェラ登場したし。どうして松井省吾がグロ大に行ってるのか。読んだはずだけど覚えてないわ。はやくこのシリーズ読み終わって、ハーフボイルドの方読まなきゃ。

[lasttrainhomeさんの感想 · 2017年6月7日]

複数再読。かつてファムファタールだったモンローが醜悪なオバサンになってしまうのが切ない。単なる老いではなくて、あの頃のまま、子供のまま、年齢を重ねてしまったということだろう。
アキラさんもどんどん弱っていく感じがして、いつか死んでしまうんだなと思わせる。

[林檎飴甘さんの感想 · 2017年3月13日]

理由もわからないままトラブルに巻き込まれ、いつものことがけれどやくざから追われるはめになった「俺」。
かつてススキノを席巻したモンローから、久しぶりの連絡を受けた「俺」は、面倒がりながらも結局は手を貸すことになる。
過去から這い出てきたような女の存在は、「俺」を思いもよらぬ事態へと引きずり込んでいく。
あるのかないのか、まるで信憑性のない蜃気楼のような「印紙」を追い求め、入り乱れる人間たち。
損得勘定で動く彼らには、真実はいつまでたっても見えないのだろう。
自分たちの見たいものしか目に入らないし、自分たちの信じたいものしか信じないのだから。
何ごともほどほどがいい。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
モンローは過ぎた美貌が仇となって、自分自身も周りも振り回され続けた一生だったように思う。
光に害虫が集まるように、モンローのもとには負のエネルギーが集まってしまったのかもしれない。
モンローは幸せだったのだろうか？
幸せになることが、幸せでいることが、幸せでいつづけることが、怖かったんだろうか？
「俺」の後悔が、切なく哀しい。

[Bookriumさんの感想 · 2017年3月4日]

すっかりいい歳になった「俺」の言動は、若い頃から持っている独特の美学を残しつつも大人の分別や優しさも身に付き、成熟した魅力になっている。
桐原や種田も然り。
本シリーズのベスト作品じゃないかな。

[kujira34さんの感想 · 2016年3月23日]

ど派手に大活躍。
しかも舞台はススキノ。
大好きです。

[paurdsumitoさんの感想 · 2015年6月19日]

シリーズ1作目「探偵はバーにいる」に登場したあのモンローから、四半世紀ぶりに「お願い。助けて」と言うメールが来たところから周囲が慌ただしくなり、それから最後までハラハラしながらも懐かしくなったり悲しくなったりする話だった。
とにかくモンローと一緒になって追っ手から逃げようとする前半と、大切な人を守ろうと戦う後半で流れが一気に変わっていて飽きない。
消えた少年もそうだったけど、誰かを守ろうとする時の主人公〈俺〉が格好良い。

事件の解決法はなかなか気持ちの良いものだったけど、その後に判明する事件のその後と、真相があまりに悲しい。心に残る名作です。

著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』（早川書房）で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』（角川春樹事務所）で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家　書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」