天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 721
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310677

作品紹介・あらすじ

西暦2499年、人工宇宙島群スカイシー3で遭難した《救世群》の少女イサリは、《非染者》の少年アイネイアに助けられた。二人は、氷雪のシリンダー世界を脱出するための冒険行に出発するが――。
一方、太陽系世界を支配するロイズ非分極保険社団傘下の、MHD社筆頭執行責任者ジェズベルは、近年、反体制活動を活発化させる《救世群》に対し、根本的な方針変更を決断しようとしていた。
大いなる転換点を迎える第6巻前篇

感想・レビュー・書評

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  •  シリーズも折り返しを過ぎる6巻目で、3分冊のPart1。第1巻目に登場した《咀嚼者》イサリが登場する。まだ異形の姿ではなく、《救世群》の少女として。そして異星人《カルミアン》も登場。
     
     そしてサブタイトルが「宿怨」と、何とも不穏だ。物語のターニングにポイントになるのだろうか。

  • 「恨んだり憎んだりするのはさ、とても楽しいんだよ、イサリ」。スキットルはヒューマノイドだけれど200年近く生きてるので、含蓄ある言葉だ。。(スキットル、「高校事変」の凜香っぽくて好き)
    宿怨…積年の恨み。なんてピッタリな題名でしょう。
    《救世群》イサリと《非染者》アイネイアの旅で始まる上巻前半のボーイ・ミーツ・ガールはとても良かった。明星が完成していて、美味だと大人気になってるのが嬉しい。
    後半は、救世群とマツダ・ヒューマノイド・デバイシズ社の軍事力が支配してる非染者との全面戦争の予感がしてくる不穏な展開に。
    アイネイアが面倒くさがってるお母さま、そんな……!人間じゃない、って何、お父さまもっとツッコんで。。
    ダダーのノルルスカイン、ここにいるのは消されてしまった。ダダーいっぱいいるとはいえ。ロサリオが頼ってるのって、オムニフロラに侵されてるミスチフ系かな。うわぁ…
    フェオドール・ダッシュもドロテア・ワットにいるみたいで嬉しい……いや、大丈夫?体の方はずっとセアキ家にくっついてる。
    クレヴたちの祖先?も出た。《石工》より《穏健な者》のほうが良い名前。
    さり気なく(?)書かれてたけど、スキットルがイサリに伝えた千茅の言行録が改竄されてる件、歴史修正の恐ろしさに震えます。本来なら《救世群》と《非染者》が殺し合うくらいまでに対立する事はなかったってことでしょう?
    イサリがどうくるか、続きも楽しみです。

  • SF。シリーズ6作目part1。
    かなり久々に読むシリーズ。
    巻末の年表と人物・用語集が親切。
    1作目で印象的だったキャラクターのイサリが登場して嬉しい。
    この1冊で様々なストーリーが楽しめ、内容が濃いと思ったが、これが全17冊のうちの1冊なんだよな。壮大だ…。

  • 物語は後半に向けて加速している感じがする。
    新しい登場人物や出会いもありつつ、今まで出てきた要素がどんどん絡み合ってくるのがたまらない。

    本巻は救世群の少女イサリとアインが出会うところから始まる。イサリはアインと出会うことで救世群に疑問を持ち始めるが、救世群の暴走は止まらない。一方、ロイズ傘下のMHDでも大きな動きが…という感じでⅥだけでかなり壮大な物語になっていそう。

    巻末についている人物・用語集が地味に嬉しい。そろそろこんがらがってきたところなので。

  • イサリ筆頭に役者が揃いつつあり、未来(第1巻)との繋がりがようやく見え始めてきた。巻末に前巻までの登場人物、キーワード、年表が掲載されるようになったのは有り難い。

  • 「恨んだり憎んだりするのはさ、とても楽しいんだよ、イサリ」というスキットルの言葉が印象的だった。

  • 怒涛の展開を見せた第6巻。救世群の、虐げられ拗れた敵意が宿怨となって非感染者に向けられ始めた。攻殻化というウルヴァーノの技術を用いたことで、1巻で登場したイサリたち咀嚼者の起源が分かる。1巻でもイサリたちの事を「プラクティス」と言及していた場面は確かあったが、やはり救世群の成れの果ての姿だったということが確定して切ない。5巻まででイントロダクションは終わり、ようやく本筋へと物語が進んでゆく感じがする。また、巻末の用語集や年表は非常に役立つ。※追記、攻殻化はカルミアンの技術だった、、、。

  • 完結を受けて、途中でやめていた本シリーズを読むのを再開。話はおぼろげながらしか覚えておらずもどかしいものの、大きな枠組みは覚えており、読み始めるとなかなか面白い。救世群と非染者の対立が、今後どのような推移を見せるか、注目したい。

  • 前半戦で描かれてきた
    様々な種族が絡み始める。
    いきなりパート1〜3まである大ボリューム
    で幕開けの後半戦
    もつれるなぁ…

  • イサリとアイネイアの軽い掛け合いから始まる導入は物語に引き込まれ読みやすかった。
    最後のこの章のオチとしてもアインがいかに善意を持った青年かが表現されていてなんだか胸を打たれる。
    その後祖母の背景がありこれまでの経緯に納得。
    ラバーズたちと救世群の新たな関わりもここから明らかになり、ロイズとの関わり。
    ロイズの裏の方でうごめく陰謀、救世群のロサリオの背後にいる異星人のか変わりなど今後の展開がきになる。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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