パンツァークラウン フェイセズI (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-1)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 202
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311131

作品紹介・あらすじ

西暦2045年、積層現実都市イーヘヴンとして再生した東京に、heroにカテゴライズされた青年・広江乗が帰還する。3カ月連続刊行。

感想・レビュー・書評

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  • 人類が仕出かしてきた戦争の数々から見ると、人間が元々持っている凶暴性が浮き彫りになってくる。強者が自然界の頂点に君臨するのは、古来から続いてきた摂理であり、生存を巡る戦いであるのだが、倫理や理性を持っているはずの人間がいつまでたっても、殺戮のドラムの中で永遠と回り続けるのは何故なのだろうか。イーヘヴンという都市で提示される未来の形は、社会をコントロールし、管理される事だけが争いを防ぎ、死への恐怖を排除する手段なのではないかと思わされてしまう。しかし、深層心理から導き出された結果を、自分の人生と言えるのか

  • PSYCHO-PASSやハーモニーが好きな人にとっては好きな世界観だと思う。
    私たちのスマホやパソコンの履歴から広告を表示しているのは、その世界が半分実現してると言っても過言ではないと思う。
    商業都市としてAR技術の発展はすごいと思う。
    しかし、戦闘シーンや乗の回想についていけなかった。
    ARが使えない体質は、PSYCHO-PASSにおけるハイパーオーツアレルギーのようなものだろうか。それでは生活に困難が生じるだろうに。
    そういえばハーモニーの世界でも社会評価は相手に開示されていた。
    相手のデータは見たいが、自分のデータが晒されるのには抵抗感があるが、TwitterなどのSNSの自己紹介画面と大差ないのではないかと思った。

  • ※本レビューでは全3巻をまとめて扱っています。
    ※暴力及び流血描写の含まれる作品です。

    【印象】
    2045年東京、大災害の後につくられた娯楽性商業都市。
    AR技術、行動履歴、最適化、超先端技術兵装、意識集合顕在、人間。
    軍事系企業により派遣され、かつて出た都市を訪れる少年。
    彼と同僚、少女ら、都市上層部、テロリスト。過去と現在が強く絡み合う先。

    【類別】
    小説。
    SF、サイバーパンク。アクション。少し群像劇。

    【構成等】
    都市や人物に関する謎が徐々に解かれます。
    鍵となる情報の一部について、明らかにされる時期に妙な遅さを感じました。
    焦点の当てられる人物が多いので場面が頻繁に切り替わる部分もあります。
    色々詰め込もうとしたように見えます。

    【表現】
    三人称視点の色濃い一人称視点で書かれた地の文です。
    やや専門性のある技術的用語が常に用いられます。
    造語的なもの、ルビ、ダッシュ記号、スラッシュ記号が多用されています。意味合いと時の流れの描写において効果的な表現だと感じましたが、人によっては読みにくいかもしれません。
    一部、人物や動作のネーミングに問題を感じました。

  • パンツァークラウンフェイゼズは、マルドゥックの影響が顕著すぎてさすがになぁ。。。SF的なディテールから、都市と個人と存在意義と…みたいなテーマ性まで同じ。また、何よりの問題は本家より劣化しているところで、ルビの振り方もなんか格好悪いw

    また、同じビックデータもののSFだと、野崎まど「know」のほうが設定がしっかりしていて、リアリティーがある。こちらは映像のイメージが先にあって作られた設定なのかも。

  •  かの「マルドゥックスクランブル」を超えるとの煽り文句から手にとった作品。この第一巻は、著者が描き出す世界観の説明と伏線作りに終始したように思われる。キャラクタ同士の正義や信条についての熱い議論は、読む人によって賛否両論変わるものかと思われますが、そのトンガリ具合から、著者の熱量が読み取れる。
     第二巻以降、あの超絶ギャンブル描写に匹敵するものが出てくるのか、見ものです。

  • ―――西暦2045年、大震災で崩壊した東京は、行動履歴解析(パーソナライズ)と
    現実への情報層(レイヤー)付与を組み合わせた制御技術〈Un Face〉により、
    完璧な安全(セキュリティ)を実現した層現都市イーヘヴンに生まれ変わっていた。
    そこへ漆黒の強化外骨格を身にまとう青年・広江乗(ひろえじょう)が、民間保安企業の契約者として派遣される。
    だが彼には、この故郷を離れざるを得なかった過去があった。
    そんな乗を試すかのように、白き男ピーターがイーヘブンに降り立つ。

    平積みされてるのを見て衝動買い
    強化外骨格とか拡張現実とか、心くすぐられるよね!!!

    新人作家のデビュー作とは思えないほどのボリュームと構想
    随所に伊藤計劃と似た感じが見受けられるので、彼の作品を楽しめる人は結構好きだと思う。

    デビュー作だからなのか、この作家の癖なのか場面転換が分かりづらいところがあるけど次回作以降に期待したい。

    物語が進むにつれて、過去の事実や事件が持つ意味がガラッと変わる瞬間がいいね。



    われらいずこより来たり、われらは何者か、われらいずこへ去るのか。

  • 近未来、制御され効率的な都市に生まれ変わった東京。そこにかつて追放された青年が民間保安企業の一員として戻ってくる。敵対組織と戦いながら、自分が何故追放される事になったのかを調べる。
    変身するというか強化外骨格を身につける、まるで仮面ライダーやギャバンのような設定は少し幼稚に感じる。文章もくどく目新しさも感じない。普通に面白く読めるが3部作にするほどのものかは疑問。次作くらいは読む予定。

  • …正直ちょっと、文章が読みにくい。ある意味装飾過多なのに、時々描写が足りない気がする。まあ、好きずきなのだろうけど。

    物語は…。
    アニメ『サイコパス』と舞台装置が非常に似ている。(これはどちらが先かは解りかねるけど)
    他にも「ああ、パロディなのかな」と思わせる部分がチラホラ。その辺がポスト伊藤計劃なのかとも思うけれど…。

  • 攻殻機動隊でタイバニな感じ…。
    表記が結構中二的でもぞもぞするけど、でも面白い。

  • Amazonとかで言われてるほど酷くはない
    けどいろんな作品の設定を組み合わせてるみたいな感じがする
    あと文章が説明しすぎな感じだし会話が一方通行
    主人公が物語を転がしていくような感じがなくて完全な受け身

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