君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2)

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312343

感想・レビュー・書評

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  • 2024.1.13 読了 ☆8.8/10.0


    幸せの定義を自ら一つに定め、そのたった一つのため
    に身を献じて一生を捧げる。つまり、たった一つの可能性にのみ愛を見出し、その他すべての可能性に愛なんてないと考える。

    これかま幸せなのかどうかは人によって捉え方がちがう。良い悪いではない。


    自らの幸せを自ら定義して、自らが選び取って幸せに感じる。そのために、その他すべての「幸せかもしれない選択肢」を捨てて掴みに行く


    それが、この話における世界の主人公の暦の幸福論であり、究極のテーマ。

    というのも、同時刊行された『僕が愛したすべての君へ』と通じていて、そこに出てくる暦は別の世界に生きている。(2作とも読んでいる人には伝わるので詳しくはぜひ読んでみてください)




    "選んだ道を正解にするために人生を歩むのか、それとも、正解というゴールに向かってたった一つの道を選んで歩むのか"



    哲学的で究極的なテーマだと思う。
    次の感想に、両作を読み終えた感想を綴ります。

  • "君愛"を読み終えて思ったこと、、、
    確実に"僕愛"は"君愛"の後に読むべきだった。。

    "僕愛"から読み終えてはいますが、
    結果的に物語は掴めるので、ぶっちゃけどちらから読んでも
    問題はないかと思います。
    ただ、"君愛"→"僕愛"の順で読んだ方が面白いです。
    "僕愛"の裏設定みたいな感じになりますかね!

    それぞれの作品で完結しておりますし
    この2冊で1つの物語を繋げて堪能できると思います。

    "僕愛"では少しミステリー要素を加えておりましたが
    "君愛"は、1人の女性に会う方法をひたむきに考える
    一途な暦君が読み取れます。
    一途過ぎて気付いてない事もありましたが、
    そこは、"僕愛"で回収ですよね(笑)!

    僕も並行世界にシフトして、運命の人を探してみます。
    パラダイス・シフトでね。

  • 僕が→君をの順で読了しましたが、なんというか、あまり繋がらなくなった…汗汗
    自分がアホなのでしょう。でも、それにしても、ストーリーが本当に面白い!

  • 2冊目。1冊目があっての2冊目で内容に厚みが出た感じ。最後の一冊も楽しみ。

  • すべての君へ→ひとりの僕へ、の順に読んでたぶん正解だった。全ての君へ、は王道感、ひとりの僕へ、は裏設定感がする。軽くてかっこいいラノベ風SF。表裏一体の並行世界の2冊組って、どんな設定でも2冊目は飽きそうと思ったけど、いい感じにパラレルワールドしてて良い。でもこっちは状況と理論がちょっとややこしくて理解できなかった。こっちの世界は、暦、和音、栞、誰も幸せになれないから辛い。この広い宇宙のどこかの世界線で、君と君の好きな人が幸せでありますように。

  • Amazonの紹介より
    人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界―― 両親の離婚を経て父親と暮らす日高暦(ひだか・こよみ)は、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞(さとう・しおり)という少女に出会う。 たがいにほのかな恋心を抱くふたりだったが、親同士の再婚話がすべてを一変させた。 もう結ばれないと思い込んだ暦と栞は、兄妹にならない世界に跳ぼうとするが…… 彼女がいない世界に意味はなかった。『僕が愛したすべての君へ』と同時刊行



    アニメ化されるということで読んでみました。読む順番によって印象が変わるという噂を聞きつけ、どの順番で読もうか考えた結果、こちらを先に読んでみました。

    どのようにして、もう一つの作品と繋がっていくのか。
    書く段階では、この作品だけを読んだ段階で書きました。

    一途に愛するヒロインを最後まで愛し続ける主人公が、ある意味凄かったです。どうしてそこまで愛せるのか?そういった深掘りされたような描写はなかったのですが、ある意味死なせたことによる後悔や運命的な何かがあったと思います。

    ちょっとでも、状況が違っていたら…と思うと、登場人物みんな切なすぎでした。2人だけでなく、それぞれの親側に立ってみると、何とも言えないやるせなさもあって、複雑でした。

    タイムトラベルを虚質科学という表現にし、そのメカニズムも堅苦しい表現でしたので、なかなか頭の中で想像しづらい部分もありました。それでもなんとなくですが、理解できました。

    読んだ印象としては、悲しくもあり、切なさの残る余韻でしたが、同時に希望のある側面もあるかなと思いました。

    もう一つの物語を読んだ時、どのように 2つの物語がリンクしていくのか楽しみです。

  • 平行世界を行き来してることが証明された世界の話。どっちから読むかによって読後感が変わる恋愛SF小説。君を→僕が、順に読んだけど、これ逆から読んだ人と話したい!逆から読んだら感想とかも変わりそう。

  • こちらの方が最初から話が重いですね。
    読んでいて辛くなっちゃいました。
    主人公が報われるのか報われないのか、その選択は正しいのか否か
    なげかけられるテーマが重たかったです。
    でも読みやすくてさっと読める作品でした!

  • 好きな女の子のために男の子が奔走する。定番スタイルと言えるかも。珍しい点は、若いころの話だけにとどまらない点と、『僕が愛したすべての君へ』とつなげるために、区切りがついていない点かな。裏面(たぶん「裏面」になるのかな?)となる『僕が愛した~』ではどんな展開になるのか楽しみ。和音が第三の人物としてキーパーソンの一人になりそうだけど、どう絡んでくるのかな。暦と和音の関係はどういう言葉で表現したらいいんだろう?

  • 『僕が愛したすべての君へ』と同時刊行。どちらも同一主人公ながら平行世界で別々の物語となっている。どちらから読んでも問題ないが本書から読むことをおススメ。本書を書店で見かけたときタイトルと表紙絵からライトノベルだと思っていたがライトノベルのレーベルではなかったので興味本位から手に取った。内容は本格的なSF。とても面白かった。本書はタイムスリップの過酷さをもう一冊は平行世界の儚さと幸せの意味に想いを馳せることになるだろう。
    あらすじ(背表紙より)
    人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界―両親の離婚を経て父親と暮らす日高暦は、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞という少女に出会う。たがいにほのかな恋心をを抱くふたりだったが、親同士の再婚話がすべてを一変させた。もう結ばれないと思い込んだ暦と栞は、兄妹にならない世界へ跳ぼうとするが…彼女がいない世界に意味はなかった。

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著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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