裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
4.02
  • (34)
  • (29)
  • (28)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 422
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150313517

作品紹介・あらすじ

この現実と隣合わせで謎だらけの〈裏世界〉をめぐる、実話怪談×探検SF。新たなキャラ&怪異も登場、佳境へ向かうサバイバル!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 第3巻。空魚と鳥子はこれまで何度も死にかけながらも裏世界に慣れて(?)きたのか、秋になりお弁当を持ち込んでそれこそホントにピクニックみたいなことから始まる。たまにはちょっとのどかなのもいいかもねと思っていたが、甘かった。やっぱり危険極まりない。今回は空魚の家族に起きた過去のカルト騒動の続きや裏世界に対する思い、さらには鳥子の家族構成のことも少し明らかになり、この先の2人の関係性にも関わってくるのだろうか?冴月もいよいよ直接的に接するようになってきて続きが気になる。しかし、もしも自分が小桜だったら発狂して気が狂いそうだ。

    「ヤマノケハイ」
    空魚と鳥子は沖縄で購入した農業用AP-1を使い、ゲート間を繋ぐ安全なルートを確保しようと裏世界に入る。進むうちに上部を円盤状のものが回転する展望台のような見慣れない建物を見つける。そこでお弁当を食べるうちに様子がおかしくなり、外に出て不気味な動きをするものに襲われる。

    「サンヌキさんとカラテカさん」
    空魚の後輩である茜理から、友人の夏妃が変な猿に話しかけれてからおかしなことが続いていると相談される。3人は夏妃の家に向かい、異様な老婆に遭遇する。

    「ささやきボイスは自己責任」
    夏妃が怪異に巻き込まれたのは、〈ウルミルナ〉と名乗る人物の怪談動画を見たためだと推測する。小桜の家でその話をしている時にちょうどそれらしき動画が検索される。小桜の家からの帰り道、空魚と小桜が何者かに車で連れ去られる。目を覚ますとそこには潤巳るなと何人もの男女がいた。

    鳥子、小桜、るな、この3人は冴月に対する強い思いを持っている。依存や崇拝といった類の感情。空魚は直接的に冴月と知り合っていないから感情的には特別な思いはないのだが、読み進めてくると何らかの強い繋がりが一番強く現れてきそうな気がするのだが思い違いだろうか?果たしてどうなるのか?

  • 早川書房電子書籍2018年4月刊:ヤマノケハイ、8月刊:サンヌキさん、カラテカさん、の2篇に書下ろし:ささやきボイスは自己責任、を加えて2018年11月ハヤカワ文庫JAから刊行。シリーズ3作目。前2作に勝るとも劣らない異世界冒険譚。怖くて、不思議で、すんごく面白い。夢に見そうなインパクトがある。

  • このシリーズやっぱり好きだ。ホラー感もちょうど良いし、ラノベだからこそ風景が真っ直ぐ頭に中に入ってくる。(その分ホラーシーンが怖いけども)

    続きはいつ読もうかな〜♪

  • 陰キャラ女子大生の空魚(そらお)とミリタリー女子鳥子のコンビが、裏世界からの怪異と戦うシリーズ第3弾。
    今回は、鳥子の憧れのひと冴月(さつき)が怪異の元凶となってふたりの前に現れ、空魚と鳥子の関係に変化が……これからどうなっちゃうの?っていうお話。
    自分的にはファイル10がお気に入り(^^)
    内容はかなりグロいんだけど、空魚の大学の後輩カラテカ茜理とその幼なじみヤンキー夏妃の存在がいい感じで、全然グロさを感じさせないライトな話になっている。
    ファイル11では、ついにラスボス的な冴月が前面に出てきたので、次回はいよいよ最終決戦になるのかな(できれば茜理と夏妃も活躍させてほしい)。
    楽しみ(^ω^)

  • SF。ファンタジー。ホラー。シリーズ3作目。
    久々に読むシリーズ。
    相変わらず、ストルガツキー兄弟の『ストーカー』を思いっきりライトノベル風にしたシリーズという印象。
    読了後に何か心に残るような作品ではないが、読んでいるときは楽しいのは確か。
    カラテカさんが良いキャラですね。

  • シリーズ第3作。空魚の後輩の茜理(あかり)が絡む「サンヌキサン」の話は怖い。最後のエピソードでは、ついに鳥子や小桜が探している閏間冴月が登場する。冴月を崇拝する潤巳るな(うるみるな)との攻防は、一気にアクション作品かと思わせるくらいの手に汗握る展開となる。ラスボスとの決戦のようだった。

    本シリーズは一応区切りが着いたようだ。続篇が出るかどうかは不明だが、まだ裏世界でやり残したこともあるだろうし、ネットロアはたくさんあるだろうから、期待はしてしまう。空魚だけでなく小桜や鳥子の生い立ちも気になる。ぜひ続篇で明らかにして欲しい。

  • 今回は裏世界だけじゃなく表世界でも戦う羽目に陥る。今までは裏世界に行った人達が協力し合っていたのに対して初めて敵対者が現れる。しかも因縁付きで。
    キャラクターが魅力的で敵対者すら良く描かれている。女性ばっかりなのは気になるが、そろそろ着地点が見えてきそう。

  • 都市伝説+SF+百合という変わったジャンルが面白いシリーズ。や、これ、好きだわ……。主人公が振り切った「変人」なのがまた面白い。ちょっと油断してると一気に怖くなるのもまた快感。怖いもの見たさってなんなんだろうなあ……。

  • 異世界冒険物語。核心に迫る第三弾。
    面白かったー。今までは主に異世界のわけわからん脅威との戦いだったけれど、はじめて今生きている生身の人間と戦ったのでは?という感じだった。
    今までのネットロアを下敷きにした話もありつつ、後半はだいぶ物語の中核に迫ってきていた。とはいっても「そのもの」の正体や意図はさっぱりわからないし、鳥子側だけでなく紙魚が昔出会ったものの正体も全然触れられていないのでもっと続いて欲しいなー。
    新キャラも出てくるけれどこれもなんか今巻で終わりそうな気配がしなくもない。
    カラテカみたいにこのあと出て来て百合三角形になっても楽しいけれど。二人は二人の世界でいて欲しい派なのでどうかな。
    紙魚が隠してきたことが暴かれる巻。とはいってもぐるぐるしてるのは彼女だけで、相方はわりとさっぱりしていた。鳥子がぐるぐるしてる時は紙魚がさっぱりしているので、良いコンビだなと思う。
    なかなか紙魚が強かった。壮絶な体験してきてるだけはある。

  • シリーズ第三弾はまだまだ物語が続く予感を見せて終わった。主要キャラの語られていない過去もありそうで。ただ今回はいわゆる裏世界滞在は短め。その代わり現実世界でのバトルが堪能できます。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

小説家。代表作に『裏世界ピクニック』(ハヤカワ文庫JA)、『そいねドリーマー』(早川書房)など

「2019年 『迷宮キングダム 特殊部隊SASのおっさんの異世界ダンジョンサバイバルマニュアル!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮澤伊織の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×