山荘綺談 (ハヤカワ文庫 NV 18 モダンホラー・セレクション)

  • 早川書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150400187

感想・レビュー・書評

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  • 館モノ、ホラーでいうと山荘綺談も忘れられない。と思って検索したら…なんだろうこの装丁(怖すぎるだろ)
    私が読んだのは20年くらい前で、建物だけの絵でした。あと山らしく何本か木が。
    調べたら、第2、3刷版(カバーイラスト:渋川育由)だった模様。この目まで書かれたカバーは初期の角田純男さんイラスト。(絶版してるのか…


    個人的に、ストレートな幽霊モノ、ホラーというより、館、城、大きな屋敷、という装置が好きなのかもしれません。そこで起きる人間模様や心理描写が秀逸かどうか。(レベッカや料理人も印象に残っている)
    閉ざされた制約のある空間で起きるドラマに魅力を感じるのか、島も似た理由で好きなのかも、とちょっと気づかされました。

  • シャイニングのように、怪現象よりも、人の内面が変化していく様子が細かく書かれています。シャイニングは家族愛がテーマでしたが、これは孤独が根本のテーマと思います。介護から解放されたものの、肉親の姉夫婦からはうとまれ、山荘メンバーからも疎外感を味わう。

    滞在が長くなるにつれて、エリーヌの表と裏が違いすぎて怖くなります。エリーヌの考え方、道理が読んでいる読者にもわからない、どうしてこう考えるのかわからない。どんどん孤独が深くなります。

    怪現象を研究して発表する予定のモンタギュー博士ですが、チェスか読書する描写が多くて、仕事してんのかこいつとも思いました。後で夫人が登場するので、それも伏線だったのか。変人扱いしてたダドリー夫人とも一発で仲良くなるモンタギュー夫人。

    最後の結末をしって、最後の数ページを読み返すと感慨深いものがあります。みんなにお別れしたシーン、最後の最後で正気を取り戻すシーン。余韻がすごいです。

  • ダフネ・デュ・モーリアのレベッカがすぐに思い浮かぶ。そこから話は怪奇の方へ転がり、最後は現実と空想の境界が曖昧な形で終わる。主人公の抑圧された精神によりなされた現実的なものなのか、その建物に宿る超自然の現象がこれに共感する人物により発現したものなのかはなぞのまま残る。興味深い終り方だ。

  • 幽霊屋敷の調査をするために乗り込んだ不気味な山荘。ポルターガイスト、血だらけになった衣類、殴り書きの字は集団ヒステリー?一人の潜在意識による超能力?それとも本当に幽霊?最後までいかようにもとれるように終わる。ちょっとねじの回転を思い出した。

  • 幽霊屋敷を題材にした小説の古典的名作。
    心霊研究科のモンタギュー博士が霊媒を集めた幽霊屋敷で観察をする。
    とはいえ、シャーリィ・ジャクスンなので、本当に怖いのは人間の狂気というところに行き着く。

    館の作られた歴史や、わざと歪んだ建築方法、図書室の本や内装など、
    ワクワクポイントはたくさんある。

    主人公の言動が少しギクシャクしているのは、翻訳がおかしいのかな?と思っていたが、違った。
    それこそがこの作品の恐怖のポイント。
    それがわかってから本を読み返すと、なんと哀れな女なんだろうといたたまれなくなる。
    自意識過剰は自信のなさの裏返し。


    この作品を読んで、次の点に納得。スティーブン・キングがこの作品を絶賛し「シャイニング」を生み出したこと、
    映画版のシャイニングをキングが気に入らないこと。キング読みなら読んでおいて損はない作品。

    同じくこの作品を絶賛し生み出されたリチャード・マシスンの地獄の家も映画化されるヒット。
    こちらも読んでみたい。

  • 一人の孤独な女性の精神が壊れていく様が、世間から隔絶した山荘の中でゆっくりと描かれる。
    壊れるまでは、雰囲気のあるホラーだったんだけど、彼女がおかしくなってからは、嫌な印象しかなくなってしまった。

  • 同じ作者の日時計が面白かったので、期待したが、それほどでもなかった。
    幽霊研究のため、不気味な山荘に集まった4名。
    幽霊がいるのかいないのか、いまいちはっきりしない。
    後半に出てくるモンタギュー夫人と山荘の料理人ダドリー夫人が個性的だった。

  • 何か起こりそうで最後の最後まで何も起きない、それもいいが人物像の心理描写などの描き込みが浅い。

  • 三月は深き紅の淵を

  • 譲(真夏の月が冴える)

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