- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150400187
感想・レビュー・書評
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館モノ、ホラーでいうと山荘綺談も忘れられない。と思って検索したら…なんだろうこの装丁(怖すぎるだろ)
私が読んだのは20年くらい前で、建物だけの絵でした。あと山らしく何本か木が。
調べたら、第2、3刷版(カバーイラスト:渋川育由)だった模様。この目まで書かれたカバーは初期の角田純男さんイラスト。(絶版してるのか…
個人的に、ストレートな幽霊モノ、ホラーというより、館、城、大きな屋敷、という装置が好きなのかもしれません。そこで起きる人間模様や心理描写が秀逸かどうか。(レベッカや料理人も印象に残っている)
閉ざされた制約のある空間で起きるドラマに魅力を感じるのか、島も似た理由で好きなのかも、とちょっと気づかされました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シャイニングのように、怪現象よりも、人の内面が変化していく様子が細かく書かれています。シャイニングは家族愛がテーマでしたが、これは孤独が根本のテーマと思います。介護から解放されたものの、肉親の姉夫婦からはうとまれ、山荘メンバーからも疎外感を味わう。
滞在が長くなるにつれて、エリーヌの表と裏が違いすぎて怖くなります。エリーヌの考え方、道理が読んでいる読者にもわからない、どうしてこう考えるのかわからない。どんどん孤独が深くなります。
怪現象を研究して発表する予定のモンタギュー博士ですが、チェスか読書する描写が多くて、仕事してんのかこいつとも思いました。後で夫人が登場するので、それも伏線だったのか。変人扱いしてたダドリー夫人とも一発で仲良くなるモンタギュー夫人。
最後の結末をしって、最後の数ページを読み返すと感慨深いものがあります。みんなにお別れしたシーン、最後の最後で正気を取り戻すシーン。余韻がすごいです。 -
幽霊屋敷の調査をするために乗り込んだ不気味な山荘。ポルターガイスト、血だらけになった衣類、殴り書きの字は集団ヒステリー?一人の潜在意識による超能力?それとも本当に幽霊?最後までいかようにもとれるように終わる。ちょっとねじの回転を思い出した。
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幽霊屋敷を題材にした小説の古典的名作。
心霊研究科のモンタギュー博士が霊媒を集めた幽霊屋敷で観察をする。
とはいえ、シャーリィ・ジャクスンなので、本当に怖いのは人間の狂気というところに行き着く。
館の作られた歴史や、わざと歪んだ建築方法、図書室の本や内装など、
ワクワクポイントはたくさんある。
主人公の言動が少しギクシャクしているのは、翻訳がおかしいのかな?と思っていたが、違った。
それこそがこの作品の恐怖のポイント。
それがわかってから本を読み返すと、なんと哀れな女なんだろうといたたまれなくなる。
自意識過剰は自信のなさの裏返し。
この作品を読んで、次の点に納得。スティーブン・キングがこの作品を絶賛し「シャイニング」を生み出したこと、
映画版のシャイニングをキングが気に入らないこと。キング読みなら読んでおいて損はない作品。
同じくこの作品を絶賛し生み出されたリチャード・マシスンの地獄の家も映画化されるヒット。
こちらも読んでみたい。 -
一人の孤独な女性の精神が壊れていく様が、世間から隔絶した山荘の中でゆっくりと描かれる。
壊れるまでは、雰囲気のあるホラーだったんだけど、彼女がおかしくなってからは、嫌な印象しかなくなってしまった。 -
同じ作者の日時計が面白かったので、期待したが、それほどでもなかった。
幽霊研究のため、不気味な山荘に集まった4名。
幽霊がいるのかいないのか、いまいちはっきりしない。
後半に出てくるモンタギュー夫人と山荘の料理人ダドリー夫人が個性的だった。 -
何か起こりそうで最後の最後まで何も起きない、それもいいが人物像の心理描写などの描き込みが浅い。
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三月は深き紅の淵を
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譲(真夏の月が冴える)