パナマの死闘 (ハヤカワ文庫 NV 80 海の男ホーンブロワー・シリーズ 5)
- 早川書房 (1974年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150400804
感想・レビュー・書評
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上司に贈られて読んだ一冊。
これまでこの手の本は読んだことが無かったので自分的には新しい読書の境地を開くことが出来た。
冒険譚、主人公の決断、海戦の描写、人物描写の綾と、純粋に面白く読めた。
上司からのメッセージは、孤独なリーダーシップのあり方に学ぶところがあるだろうと言うことだったが、確かに主人公の振る舞いに考えるところがある。
他のシリーズも読んでみたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
え〜〜〜、この本でホーンブロワーはパナマに行くのに喜望峰(アフリカ最南端)を廻って、太平洋を横断してますね。それも秘密任務ということで、7ヶ月無寄航。でもって、たどり着いた時には食事が悲惨な状況になっています。
ということで、今回は食事について。これが調べたら情報が色々有るのですね。
まずよく出てくるのが”かたパン”と”塩漬け肉”。
かたパンというのは、やっぱりカンパンの事のようです。下のURLに写真を載せますが、カンパンの箱に"Navy
Biscuit"と書いてあり(原文はどうなってるのか判りませんが)、多分間違いないでしょう。ちなみにこのシリーズで良く出てくるかたパンを机に叩きつけるシーン。このとき追い出しているのが、同じく写真のこくぞうむし君ですね。
塩漬け肉というのは、本当に単純に樽の中に肉と塩を詰めた物のようですね。私はひょっとしたらベーコンのことかと思っていたのですが。これを普通はゆがいて塩抜きして食べる。もっとも7ヶ月もすれば、当然ながら腐ってきて、ウジなんかも涌いてる。そういえば、このウジとこくぞうむしで、艦内で飼ってる鶏を太らせるなんて話もありました。
水も樽詰。あおみどろが涌いてる。この頃には壊血病が生野菜の不足から発生することが判っており、レモンジュースが配布されていた。
まあ、何れにせよ、現代の主婦が聞いたら卒倒しそうな食事です。それでも生きてゆけるものなんですね。
写真はhttp://www.geocities.jp/sea_lion23/book/ship3.html
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3年ぶりに再読。そして感想は「ホーンブロワーってこんなに面白ヤツだったんだ!」。前巻の感想を撤回します。
37歳(若い頃の話があとで出版されて年齢のつじつまが合わなくなったらしいけれど、少なくとも発表順第1作のここでは37歳)、生え際が後退しつつあり、腹が出っぱり始め、しかもそれらを気にしてる、どこから見ても冴えない中年。そのうえ自分が他人の目にどう見えているか、四六時中くよくよ考えていて、情けないと言えなくもない。
ただ、並の中年と違うのは「こう見られたい」と思ったら、意志の力で口数を抑え、恐怖心を克服し、見られたい人物像を演じきることができること。そして頭脳や操船術といった能力・技術が間違いなく人並み優れていること(当人は過小評価しているようだけど)。
原作の発表は第二次世界大戦前。それなのに、主人公の現代的な魅力にあらためてびっくり。さらに(一応)ヒロインもまた、身分は高いがさほど美人ではなく(今で言う「男顔」らしい)、年齢も当時の規準で言えば「オールドミス」。でも素敵にいきいきしている。
『アフリカの女王』でもうなったけれど、作者の描く男女像の鋭さに改めて感服しました。 -
英国海軍のホーンブロアー艦長の活躍を描いた海洋冒険小説。
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The Happy Return
海の男ホーンブロワーシリーズ第5巻。原作第1巻!!
そうです。ここからホーンブロワーの物語が始まったのです。原題の意味は、ぜひ読んで「あぁなるほど!」と言ってくださいw -
(06.3.18読了)