コーマ: 昏睡 (ハヤカワ文庫 NV 326)

  • 早川書房
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本棚登録 : 96
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150403263

感想・レビュー・書評

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  • 怖いです~

    元医師の著者によるメディカル・スリラーの先駆け。アプローチや描写がまさに科学者ですね。

    マイクル・クライトンによって映画化もされているのは知ってましたが、こんなハードな感じだとは思いませんでした。もう少しエンターテイメントしているのかと敬遠してました。登場人物はステレオ・タイプだし、ベストセラーを研究し尽くしたという作りにはなっているけれど。70年代はまじめなスリラーが多かったよなぁ。

    何を書いても、ネタバレになってしまうけれど、今なお巣食っているというかある地域では珍しくもなくなってしまった医療業界の闇を描くこの作品。専門用語もばしばし出てくるし、人間を人体というモノとして扱われている過激なシーンも出てきますが、時代に即したテーマと冷静な描写で医師の心情を露わにしていき、のめりこんでいきます。

    入院中に読んでみたい一冊。怖

  • 古い作品だけに、人間関係とかそれこそ主題となる医療関係とかに時代を感じてしまうものの、この時代からこの主題を、ということに感心します。
    ただ、まぁ、主人公を含む登場人物の行動があまりにも衝動的なのがいかにも作り物っぽくて残念な感じも。
    特に、サービス過剰なサスペンス要素と、対象的に唐突な終わり方は、当時でも不評だったのではないかと思うのですが。

  • 医学サスペンスの第一人者クック1977年発表のデビュー作。
    ボストンの大病院で、患者が脳死に至る事故が相次ぐ。何れも麻酔を施した手術後に昏睡状態へと陥り、最終的には植物人間と化していた。原因は不明。同病院の実習生スーザン・ウィラーは、通常であれば起こり得ない事態に疑問を抱き、過去に遡ってデータを調べ始める。外科や内科、麻酔科の権威らと対峙し果敢に追求するも、激しい抵抗に遭う。事故の起こった場所が特定の手術室であることを掴んだスーザンは、麻酔ガスを送る設備に細工された跡を見つける。さらに、昏睡状態の患者らは、或る研究施設へと一様に運ばれていることを知る。一線を超えたスーザンは、必然的に殺し屋を引き寄せた。

    難解な医学用語が氾濫するが、プロット自体はシンプルなため、流すだけでいい。
    本作の核は、終盤で暴かれる真相そのものにあり、現代にも通じる極めて重い課題を投げ掛ける。物語自体はサスペンス主体で、あくまでも娯楽性を重視しているが、或る種閉ざされた世界でもある医療現場の裏側、1970年代の執筆時、近い将来に起こり得る事案に鋭くメスを入れている。実際、程度の差はあるが、いま現実に〝闇のビジネス〟として公然と行われている事象である。
    飛躍的な医術の進歩。資本主義社会に於いては、その恩恵が平等に授けられる訳ではない。富める者と貧しき者、権力を持つ者と持たざる者の歴然とした格差が、命さえも換算していく。一方は〝人身御供〟と同義となる売買の対象と成り果てて。
    物語の後に「著者覚え書き」で記したクックのアクチュアルな警鐘は、今もなお古びてはいない。

  • 30年程前の作だが、殆ど時代を感じさせない描写で古く思わず楽しめた。
    主人公の閃きがちょっと唐突過ぎたり、すごい身体能力だったりするが、それを盛っても次々に展開するストーリーが面白い。
    しかしなぜ、その閃きがあっても気づかない!んだ!とじりじりしつつ、ぐいぐい進んでラストが待ち遠しかった。
    医療物なので、人体描写が生々しかったりはするが、あまり怖い作品だとは感じなかった。
    むしろアクション系。

  • 医学サスペンス。サスペンスはあまり好きではないし、主人公の動機付けが弱いが、ラストの驚愕の真相に免じて。

  • クックの処女作

     荒削りだと思ったら、意外と繊細。

     最初に「訳者(林克己)からのお願い」がある。これって余分。

     小説のねらいとか、犯人の動機とか。これがなければよりいい作品なのに。きっと巻末に「著者の覚え書き」があるから真似したんだろうけれど・・・。

     ヒロインは医学部3

  • これはイマイチだった。
    主人公の医学生に感情移入ができなかった。

    初出が1977年ということは、このテの問題を暑かった草分け的な作品なのかな?

    80年代に、映画や漫画、テレビドラマなどでよく取り上げられていた題材で、印象に残るテーマなので、
    後半に入って「動機」が問題になり始めた時すぐに予測がついた。

    トリックについては、思いつかなかったのだが、犯人が一番それっぽい奴だったのは、やはり書かれた年代の古さゆえだろうか。

    犯人の予測ができてからは、この主人公の行動が、とても愚かしいことに見えて、がっかりな作品になった。

    最後が主人公視点で無かったのも、疑問。

  • ロビン クック にハマった最初の1冊

  • 怖かった。これ、医療関係者は怖くて読めないんじゃないかと思うんですけど、どう?

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