夜明けのヴァンパイア (ハヤカワ文庫 NV 464 モダンホラー・セレクション)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150404642

感想・レビュー・書評

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  • 無駄に読み返した本。今考えれば荒唐無稽。だからこそ楽しいんじゃないか。作者のアン・ライスはかなりヴァンパイアについて研究している。この作品から始まるヴァンパイア・クロニクルズは圧巻。作者は少し腐女子よりで、一度だけほんの数語だがゲイ描写が存在する。ヴァンパイアは子供を作らないからこそ、現代の性的タブーや慣習から離れて行動する事が可能なのだから、昨今に見られるヴァンパイア映画(トワイライト等)のように、異性にしかも人間に恋するなど、凡百甚だしい。これだけ言っといてあれだけど、ちなみに僕はゲイじゃない。

  • 昔観た映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の原作。といっても映画もおおまかにしか覚えていないので、観なおしたくなりました。
    ヴァンパイアにされた青年・ルイが語る自らの物語は、恐ろしくも耽美な魅力に溢れています。ちなみにタイトルの邦訳がこうなっているのは、最後まで読むと納得でした。
    主人公のルイをはじめ、彼をヴァンパイアにしたレスタト、やがて出会うアルマン等キャラクターが魅力的です。そして誰もが美しい。特にクロウディアの魅力がダントツでした。永遠に年を取ることなく、美しいままの少女。しかしその内面だけが年を経て成長してゆき、その外見と釣り合わないという苦悩と悲劇。ヴァンパイアは人を襲って殺すものだし、怪物という位置づけだけれど。こうしてみると彼らの生活が行きつくところは絶望しかないのだろうか、と切ない気分にさせられます。ある意味、ヴァンパイアの方がとても人間らしい存在なのかもしれません。
    ちなみにレスタトを主役にした「ヴァンパイア・レスタト」もあるので、そちらも読まなくては。

  • 美しく儚い吸血鬼大河小説の傑作。テープレコーダーの前で、200年の半生を語り始める吸血鬼となった男の告白。映画「インタビューウィズヴァンパイア」ではトムクルーズが魅力的でしたが、私は原作の方が好き。ヨーロッパを舞台に、レスタトにより吸血鬼にされた後、恋に、逃亡に、闇の世界を華麗に駆け抜ける。誰もが思い描く気高き吸血鬼の人生をリアルな描写で描いた。映画よりラストが素敵だ!そしてこの話では脇役にすぎなかったヴァンパイア・レスタトがこの後、主人公となってシリーズ化されていく。

  • もともとは映像から原作へ。
    トム演じるレスタトが強烈。沈美的な世界観が印象的。記者役を演じる予定だったリバーフェニックスの急逝もあって、個人的には忘れられない作品。18世紀の香り漂う南部の雰囲気も物語に色どりをそえる。

  • そもそも私は小学校に通っていた子供の頃から、吸血鬼が好きだったのです。
    血におかしな執着心があったのは、少々空想癖のあるような子供には拗らせるえさを与えることになりうると思わなくもない、聖書のせいではなかろうかと思いますが、聖書に出てくるわけでもないのに吸血鬼という存在に憧れていました。
    オタの教育で、。そんな子供時代に聖書を読んでいたわけで、そこに反するような存在としてきゅけ付きの背徳性に惹かれていたのかもしれません。
    孤独、というものに惹かれるのは、自分もダメな人間だと思っており、はじかれた者たちの孤独にシンパシーを感じるからかもしれないです。
    そうしてこのお話は、映画で非常に有名ですけれど、映画の美しさとはまた違う美しさを堪能できる小説。ちなみに作者のアン・ライスはこの作品を、愛娘を亡くした悲しみの底の中で描き切ったとのこと。
    萩尾望都『ポーの一族』とほぼ同時代に描かれた似て非なる、しかし似ている話に、時代がこういったものを求めていたのかもしれない、と思わされます。

  • そういえば、別のアメリカ人作家による吸血鬼小説の「フィーヴァードリーム」と、舞台設定が時代も地域も同じ(19世紀のニューオリンズ)なのね。アメリカ人のヴァンパイア観というのはやはりヨーロッパとはまた趣が違っているのが面白いかも。

  • モダンホラーセレクションは当時結構読んでいたので、
    これも読んでいたと思うのだけど、「インタビュー・
    ウィズ・ヴァンパイア」の原作だとは知らなかった…。

    ブックオフで100円で売っていたので購入w

  • 2017年7月21日読了。ヴァンパイアとして生きた数百年を取材者の若者のインタビューに答えて語るルイ、その数奇な運命とは…。映画化もされた大作を読了。長くかったるい展開、うじうじした主人公、ぎこちない訳語などが気になるが「数百年を生きる耽美的なヴァンパイア」を描くにはある意味必然?スピーディでアクション溢れた物語になっていてもしょうがないし、昔見た映画の展開・シーンを思い出しながら、雰囲気を想像して読むのが正しいのか。この作品に影響を受けた更新の作品で、きっともっとうまく「望まず呪われた存在となり強大な力を手に入れた悲しみ」を表現したものもあるのだろうな。

  • レヴューに文体が読みづらいという感想が散見されて驚いている。高校の頃だと思うが、ゴシック系の雰囲気を楽しみたくて読み始めて、文体が気に入ったので、ついでに英語版も取り寄せて読んだ思い入れがある。ゴシックな雰囲気が、荒涼とした、しかし少し愁いのある情景が文章から滲み出ていて、文章自体を堪能した。
    読後、翻訳者が気になり、詩人だと知り、田村さんの詩や散文を好んで読んだ。今でも田村さんの文章は好きなので、この翻訳は文庫ではなく単行本として手元に置きたいし、また読みたいと思っている。しかし、レヴューを見ると、そういう人間はどうやら多いとまでは言えなそうで、複雑な気持ちだ。それを前提にやはり好きなのでオススメしたい。

  • 他の方も書いているが、何故だろう、すごく読み辛い文章。。夏目漱石の『吾輩はねこである』みたいな。。
    インタビューという独白形式だからだろうか。。

    10年以上前に観た映画のシーンを思い出しながらなんとか読み進めて行った感じ。
    起こった事実よりも心情の描写が多かったので、場面をいまいちイメージできず。

    と思ったらラストが映画と違って
    続いていくようで。。映像化していない2冊目、読み終えることが出来るだろうか。。

    でも原作のラストだとレスタトが凄く気になるので
    手に取ってしまう気がする。。

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