ゴッドプレイヤー: 神を演ずる者 (ハヤカワ文庫 NV ク 2-12)

著者 : ロビン・クック 林克己

• 早川書房 (1993年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[diver0620さんの感想 · 2014年12月11日]

どんな世界もそうでしょうが、成功体験を積んだ者でその組織を支えたり世の中の役に立っている人間は、どこまで謙虚に生きていられるのでしょうか。悪いことをするためではないという大儀もあり、どんなことも正義のため世の中のためと、捻じ曲がっていきながら少しずつ積み重なっていっていく姿が恐ろしい。
誰にでも起こりうるし、誰でも巻き込まれる可能性があるのではないでしょうか。

最近でもロビン・クックは作品を発表しているはずなのですが、紹介されなくなってますね。問題意識もはっきりしているのにもったいない限りです。

[いなえしむろさんの感想 · 2011年9月16日]

荒いがドラマティック

　1983年の医学もの4作目。

　ヒロインは糖尿病を患う精神科医で夫はスーパー心臓外科医。

　タイトルをみれば真犯人はわかるのだが、どんでん返しをねらった工夫が随所にみられる。

　それでもやはり動機等が弱く、全体的には秀作レベル。

　それでも、何度も死地から患者を助ける経験をした医者が、自身が神になったような錯覚に陥る姿を描くという意味では現実感にあふれていると見えるかもしれない。

　実際はどうなんだろうか？　かなり昔だが、とある医者が私に言ったことを思い出す。

医者の言うことを聞く患者が死に、
聞かないのが生きる現実をみると
医者はなんと無力かと思う。

[cirolさんの感想 · 2007年7月24日]

つくづくこの作家はむなくその悪い人物を描くと思う。