- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150408565
作品紹介・あらすじ
頭がよくてちょっと生意気な雄猫フランシスは、頼りにならない飼い主のグスタフとともに古ぼけたアパートに引っ越してきた。ところが、そこで待ち受けていたのは無残に殺された猫の死体だった。近所を縄張りとする猫"青髭"の話では、猫殺しはこれで四件目になるという。コンピュータを操る長老猫パスカルの協力を得て、フランシスは調査を始めるが…世界中で絶賛された極上の猫ミステリ。ドイツ・ミステリ大賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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キャッチコピーは、「猫の事件は猫が解く」。猫のミステリ小説です。
主人公は、頭脳明晰&クールな猫のフランシス。引っ越した先で、次々と猫の死体に遭遇、複雑怪奇な事件に巻きこまれていきます。
フランシスが出会う、近所の猫たちは、個性豊か。
人間を缶きり野郎(!)と呼ぶ、偏屈だけど頼りになる猫や、短気なボス猫、聡明な高齢猫・・・。猫たちの世界を垣間見ているようで、楽しくなります。
そして、思わずニヤリとしてしまうのは、フランシスと、ドウキョ人グスタフの関係。
フランシスによると、グスタフの仕事は、あやしげな小説を書くこと。ドンくさくて、人畜無害で、女性から敬遠されそうなタイプの男性・・・と、散々けなします。でも、グスタフのささやかな楽しみ、土曜の夜の独り深夜映画鑑賞会には、ちゃーんとお付き合いするのですよ。
もちろんグスタフも、「絶対ひつような撫で撫で」をするくらい、彼のかわいい猫ちゃん(!)に夢中・・・。
表紙が黒猫だったので、黒猫のイメージをずっと持っていましたが、あらためて記述を探すと、フランシスの容姿については、どこにも見当たらず・・・。
見つけられないだけなのかなぁ・・・と思っていると、訳者、池田香代子氏のあとがきに、ありました!
「彼だけは、品種も毛色もいっさい不明です。ひょっとしたら、この空白にあなたの愛猫をはめこんでください、ということなのでしょうか」
もしそうだとしたら、読み手によって、猫のイメージを変えることができるなんて、何とも心憎い演出だとは思いませんか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/118082 -
猫たちの聖夜 (ハヤカワ文庫NV)
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訳が悪いのかテンポが合わない、読みづらい、オチもいまいち
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ドイツ作家
ドイツ・ミステリー大賞受賞作(1990年)
「猫を擬人化していないから好き」と人から薦められて読んだ本。
今までミステリーを読んできて作中に出てくる殺人事件のどんなむごたらしい状況説明でも動揺しなかったけれど、この本の猫の死体の描写には眉をひそめました。人なら平気なのになぜ猫だと痛ましく感じるのか自分でもわかりません。
無残に殺された猫の死体が頻繁に発見される。そこで主人公の猫が他の猫の協力を得て事件の調査に乗り出す。やがて10年前の、猫を使った動物実験を行った科学者の手記が発見された。その実験で犠牲になった猫と殺され続ける猫の関係は・・・
註釈がついていて猫の生態もわかる。
猫の著しく発達した筋肉や、飼われていても自立した野生の生き物 そんな姿を楽しめます。 -
なじ■雄猫フランシスの一人称視点の物語。おんもしれェ~~~ッ!!! と興奮しまくりでした。
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すごかった!伏線があんなところに。ドイツミステリ大賞あなどりがたし。そして、猫のフランシスの軽快なしゃべりが心地よい。グスタフにたいする愛を語るほんの一ページ弱のくだりに涙。
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これ怪作。こんな話、読んだことがないって本です。(sayakatakeさん)
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殺された猫。探偵は猫。犯人は…
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読むには難しい、と思う方もいるかも知れませんが、傑作です。
主人公は、猫たちなのですが、内容は手に汗握るサスペンス、サイコミステリーさながらの展開です!