- Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150410780
感想・レビュー・書評
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ポンペイ近くの水道橋から水が流れてこなくなってしまい、若い技官が修理に奔走するところから話が始まる。
ストーリー展開も面白く、すいすいと読めてしまう。手に汗握るようなストーリーが最後まで続くので、特に後半は止まらずに読みきってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある雑誌で勧められていたので購入し読んでみた。
ポンペイが火山の爆発で埋まるまでの4日間が当時の様子とともに描かれている
スイスイと読めて楽しめた。 -
大きな自然災害が立て続けに起こっているここ数年。いざ自分の身に降りかかったらどんな行動を起こすのか怖くなります。容易にパニックを起こして被害拡大させたり、自分本位な行動をとったりするのではないだろうか。この本の登場人物達のように、まぁ事象を明らかにするなんて事は考えないでしょうが、大事な人を助けにいったり、現場に行こうとする人を無事に届けようとしたりできるだろうか。
ヴェスビオス火山の噴火数日前。水道の水は止まる、出るところでも硫黄を含んでいる。こちらは原因も、これからの災害も知っているので気が急いてしまいます。あれもそれも噴火の前触れなんだよ、と登場人物達の行動を読んでいるしかできないのが歯がゆい。前任者の不正やら、奴隷上がりの大金持ちの嫌がらせやら、その娘との恋愛やらが、「あと〇時間で噴火」とカウントダウン状態の上で進められていく。小説の中の出来事なのに、頭の容量オーバーでとんでもなくハラハラします。火山が噴火して焦りもピークに達する頃、冷水を浴びせられたようになったのは大プリニウスが関係するエピソード。船から陸の邸宅を見て主の名前を呟く、たったそれだけなのに急に現実的に感じられました。それ以降はそれこそドキュメンタリーのように冷静に一つ一つの過程を読み進められました。ラストは逆に作り話に戻ってしまったようにも感じましたが…まぁハッピーエンドなんで良いですけれど。
「ポンペイの壁画展」を見た後だったので、当時の建物の様子だけでも想像できたのが大きな楽しみに繋がりました。視覚情報って偉大だ。 -
ローマ帝国の水道管理官を主人公に前任者の失踪と水道トラブルというと様々な人間模様がヴェスヴィオ山の噴火へと収斂していくストーリーはなかなか壮観で素晴らしかった噴火描写も圧巻でわくわくした。
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415041078x 455p 2005・3・31
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ポンペイ噴火前後四日の話。後書きにもあるけれど、ヴェスヴィオス噴火を背景にした作品といえば、リットン卿の『ポンペイ最後の日』(なぜか完訳は出ていない)。あちらは勧善懲悪、50年代ハリウッド風の絢爛豪華な展開だけど、こちらはミステリっぽい展開。その分、ちょっと広がりに欠けるかな。それに面白いけれど、本当にそんなことしてて助かるの? と火山国の人間としては首を傾げるところも(直前に『死都日本』なんか読んだせいかも)。
主人公がテルマエ・ロマエの主人公からギャグ要素をすべてそぎ落としたような水道官で、なかなか好感が持てる。
大プリニウスの描写にはびっくり。こちらも本当だったんだろうか。 -
ヴェスヴィオ火山噴火の二日前から、噴火当日、翌日までを描いた作品。アウグスタ水道の異変の修繕に呼ばれた技師の話を主軸に、登場人物達の思惑を絡めて話が進んでいく。
読者側にとっては数日後に噴火が発生するのは分かっているわけで、彼らのやりとりを追いながら「そんなことしてる場合じゃない!」とはらはらしていた。
歴史小説だが小難しいことはあまりなく、すいすい読める。当時の歴史背景や政治構造などにあまり筆を割かれすぎると退屈するのではと心配していたが、その辺りは上手にさらりと描かれ、大して知識のない私も楽しめた。
結末は少しあっさりしすぎていて、その点が少し残念。また結末前後ではどの登場人物も心情描写があまりされていない点も物足りない。せめてコレリアについてくらいは最後に至る心の動きをもう少し細かく見せてほしかった。登場人物が皆魅力的で生き生きとしている分、もったいなく感じる。
しかしこれ、筋といい個性溢れる登場人物といい、映画向きなんじゃないかな。基本的に文章の映像化にはかなり否定的なのだが、この作品に関してはハリウッド映画ででも見てみたいと思った。 -
ローマ帝国最長のアウグスタ水道の管理官として着任したばかりのアッティリウスは、断水という大問題に直面する。水道官工事のためにポンペイへと向かうアッティリウスだが、水道という帝国の公共事業に纏わる汚職が見え隠れする中、ヴェスヴィオ山の噴火の時が近づいていた。
シュウゾーが、ポンペイ展で買ってきました。
とても面白かった!
噴火・ポンペイ消滅という史実に向かって話しが進むので、ドキドキ感がありますし、ローマの水道について熱く語られているのが興味深い。水道オタクみたいな主人公の技官が、いい味出してます。 -
ポンペイの最後の四日間を描いた小説。史実に忠実らしい。
ハリウッド映画的な面白さ。
すごいし面白いしワクワク読めるんだけど悪い方向に「男らしい」。
形としては「弱さもあるヒーロー」なヒーロー。
しかし主人公の体力すごいな。超人並み。
いちいちホモフォビックな言葉を足さなきゃ気がすまないらしいのと、ひどいことのグロい描写がさらっとでてくるのがしんどい。
水道橋周辺や街の描写や世情なんかはすごくいい。 -
段落の始めの噴火が徐々に迫っている説明が緊張感を高めます。