- Amazon.co.jp ・本 (505ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150411756
感想・レビュー・書評
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一時期「クーンツも失速したな…」と偉そうに思っていたのだが、これは懐かしクーンツのスピード感が楽しめる!(往年の興奮にはまだ遠い気もするけど)お馴染みクーンツ節、善と悪のチェイス劇、そして全編を貫く「人生はいつだってやり直しがきくんだ、必ず愛は勝つんだ!」というメッセージ的な信念。クーンツファンならオススメの一冊。
帯から抜粋すると、「人違いで殺人の依頼をされた男と殺し屋の行き詰る戦い」。最初殺し屋と間違われてとある女性の殺害を依頼されたティムは、今度は依頼人に成りすましてその後やって来た殺し屋にキャンセルを告げる。そしてその女性を守ろうとするのだが…というストーリー。現代のテクノロジーを最大限に利用する殺し屋キャラが無意味に陽性で、何とも不気味だ。現代社会だと、こういうキャラの方が現実味があるところが何とも。
途中で殺されてしまう人々が普通すぎて、それだけに気持ち悪い。怖くはない。いや、怖いけどこんな奴がいたら。でも読書的には「怖く」ない、ひたすらに「気持ち悪い」。そういう意味で殺し屋キャラはなかなかいけている。
クーンツはどうも政治的というか、いわゆる「上の人」にあまり信頼を抱いていないんだろう設定が最近多い、のだけれど…今回出てくる「最後に助けてくれる人」の存在的に、全員に不信感があるわけじゃないのだろうな。というか、全員染まっててほしくない!という希望の現われが、あの地位にある人が「悪ではない」というところなのかも知れない。そこにはいわゆる勝手に思う、クーンツ的楽天さによる希望が見える気がする、なあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんかアメリカ白人男性憧れのマト的な主人公が、男気ボンバーで大活躍という、、、ちょっとペラいかな。
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見知らぬ女性を救うため自分の命を懸ける男のお話です。
いや、ほんとタイトル通りや…。
でも、守る女性がもっとおばちゃんとかでも守ってくれるんやろか。。
https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11344143748.html -
まさにトムとジェリー
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運の悪いときに、運の悪い場所にいた男と女の物語。息つく暇もないストーリーで、最後まで一気に読ませる。
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荒削りとか、クーンツにしたら他作品より劣るとされてるようですが、私はコレがはじめてのクーンツ作品で、海外小説にハマった、きっかけ
ある日、偶然殺し屋への依頼現場に居合わせ
依頼者には殺し屋に、殺し屋には依頼者に間違われて巻き込まれることになったレンガ職人ティムの話
過去に心の傷?を、もつティムが
理由もわからず殺し屋のターゲットとなってしまった女性を守りながらの逃亡劇、追走劇が、繰り広げられます。
この殺し屋もなかなかクセが強く、凶悪な内面を持ち表面には一切出さないで、主人公達を追いかけてきます。
何故?彼女が狙われるのか?
何故?ティムは無関係なのに守り通そうとするのか?の謎を読者として追うことになります。
ちょっとだけネタバレになってしまうかもしれませんが、読了後
タイトルを「善良な男」から「不運な男」に変えても面白いなと思いました。 -
おなじみ、絶対善vs.絶対悪の追いかけっこ( ´ ▽ ` )ノ。
ずんずん読ませる( ´ ▽ ` )ノ。
善良な男は自分の損なんか屁とも思わず、頼まれもしないのに、正義のために命を捨てる( ´ ▽ ` )ノ。
悪は、心底歪みきってる( ´ ▽ ` )ノ。先に読んだ「サイレント・アイズ」と同じで、極端に自意識過剰( ´ ▽ ` )ノ。
オチはナンだけどね( ´ ▽ ` )ノ。昔と同じことやってる訳だけど、「24」だの「プリズンブレイク」だの散々見た今となっては、ちょっと安易な感じに思える(>_<)。
ブクログでも解説でも触れられていないから、あえて一言付け加えると、あちこちに忍ばせてある詩的な情景描写文、あれ、なかなかいいね( ´ ▽ ` )ノ。
あと、いつの間にか冒頭に「赤の書」やら「悲嘆の書」なんかからの『引用』、なくなってるんだね( ´ ▽ ` )ノ。
2015.1.13 -
会話、話のテンポ共に面白かった。最後のがややあっけなく終わった。多分私の勝手な思い込みが強すぎたのでしょう。
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100602~100618読了
2008年に邦訳されたクーンツ作品。以前のクーンツらしい、善と悪のスピード感あふれる追いかけっこが堪能できます。また、この作風を楽しめるなんて嬉しいです。
レンガ職人のティム。ぱっとしない職業の主人公に見えて、やっぱりクーンツらしい正義感を持っていて好感が持てます。
~~ 引用 ~~
p149
「ぼくは普通のレンガ職人じゃない。腕利きのレンガ職人だ」
p330
「ばかみたいに聞こえると思うけど、あなたが家に現れてから、何もかもが猛スピードで進むもんで――あなたにお父さんがいるなんて考えもしなかった。お父さんのことは好き?」
「親父が好きかって? 何で嫌わなきゃならない? 親父はいい奴だ。最高だよ」
p422
「ああ、まさか」ふいに眩しくなった太陽の下で、楽な呼吸ができないほど重苦しくなった空気の中で、ティムはベンチから立ち上がった。
「あなたらしくふるまうのよ、ティム」
「ママ、ああ、そんな」
「いつものあなたらしくね。聞こえる?」「あなたらしく振舞ってね」「そうすれば大丈夫よ」