暗黒のメルトダウン (下) (ストレイン)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150412661

作品紹介・あらすじ

吸血鬼"マスター"は日の光を浴びせても倒すことができず、「悪疫」はニューヨークから世界じゅうに広まりつつあった。最後の頼みは謎めいた古文書『ルーメン』に記された秘密だけ…。セトラキアン老教授は、危機のなか開催されるオークションにこの古文書が出品されると知る。だが入手を試みる教授の前に、因縁ある邪悪な元ナチ収容所長の吸血鬼が立ちふさがる…。戦慄の大作ノンストップ・アクション・サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • メキシコ出身でアカデミー賞監督「ギレルモ・デル・トロ」とアメリカの作家「チャック・ホーガン」の共著『暗黒のメルトダウン(原題:The Fall)』を読みました。

    『沈黙のエクリプス』の続篇で、〈ストレイン〉三部作の第二作となる作品です。

    -----story-------------
    アカデミー賞監督「ギレルモ・デル・トロ」の 戦慄のアクション・サスペンス
    全米ベストセラー〈ストレイン〉第2部刊行!

    皆既日食、沈黙したジョット旅客機、
    そして、街を襲う血に飢えた「悪疫」……

    巻末解説「ギレルモ・デル・トロ監督との出会い」
    「さすがデル・トロ。わかっているな、と感じさせる。映像でも観たかった」
    「《メタルギア》シリーズ監督・ゲームデイナー「小島秀夫」

    〈上〉
    着陸直後、乗員乗客が死体で発見された旅客機には、不死を望む大富豪の手引きにより、吸血鬼の長老“マスター"が運ばれていた。
    彼らの計画どおり、夜ごと街は吸血鬼に襲われ、「悪疫」がニューヨークに広まっていく。
    殺人容疑をかけられた疾病対策センターの医師「イーフリアム」は、仲間とともに、人類存亡を賭けた決死の闘いに挑むのだが……。
    アカデミー賞受賞監督「デル・トロ」による傑作《ストレイン》シリーズ、第二弾!

    〈下〉
    吸血鬼“マスター"は日の光を浴びせても倒すことができず、「悪疫」はニューヨークから世界じゅうに広まりつつあった。
    最後の頼みは謎めいた古文書『ルーメン』に記された秘密だけ……。
    「セトラキアン老教授」は、危機のなか開催されるオークションにこの古文書が出品されると知る。
    だが入手を試みる教授の前に、因縁ある邪悪な元ナチ収容所長の吸血鬼が立ちふさがる……。
    戦慄の大作ノンストップ・アクション・サスペンス
    -----------------------

    『沈黙のエクリプス』に続き、目まぐるしく場面転換を繰り返しつつ、ハイスピードで進んで行く展開… ダークホラー的要素がより色濃くなっているので、本作品でもグロテスクなシーンは想像力を封印して、目を覆うような場面はサラっとかわしながら読み進めました。

     ■灰色の空(Gray Skies)
     ■寒風(Cold Wind Blowing)
     ■落葉(Fallen Leaves)
     ■降雨(Rainfall)
     ■エピローグ(Epilogue)
     ■巻末解説 ギレルモ・デル・トロ監督との出会い 小島秀夫

    本作品(第二部)では、「エイブラハム・セトラキアン」と吸血鬼「"マスター"」の対決を軸にして、「"マスター"」を含む、吸血鬼の7人の始祖「"長老"たち」等、吸血鬼側の様子を中心に、「セトラキアン」や「イーフリアム(イーフ)・グッドウェザー」、「ノーラ・マルティネス」、「ヴァシーリ・フェット」等の人間側の微力ながら懸命な抵抗が描かれています、、、

    〇「"マスター"」と他の「"長老"たち」との確執、

    〇「"長老"たち」に利用された「オーガスティン(ガス)・エリサルド」や「アルフォンソ・クリーム」等のギャング団の活躍、

    〇吸血鬼「アイヒホルスト」(元ナチ強制収容所所長)がオークションで入手しようとしていた古文書「オッキド・ルーメン」に描かれていた吸血鬼たちの誕生の秘密、

    〇マンハッタンを脱出しようとした「ノーラ」とその母親、そして「イーフ」の息子「ザカリー(ザック)」が遭遇した地下鉄事故、

    〇「ザック」を狙う、吸血鬼化した母親「ケリー」との闘い、

    〇ストーン・ハートグループを率いる大富豪「エルドリッチ・パーマー」が「"マスター"」を利用して計画していた陰謀とその結末、

    〇原子力発電所で「"マスター"」との命懸けの闘いに挑む、「セトラキアン」とメキシコ人の元覆面プロレスラー「アンヘル・グスマン・ウルタード」、

    等々、息もつかせぬ怒涛の展開が愉しめましたね。

    そして、悪疫は全世界に広がり、各地(この場所には意味があるのですが…)の原子力発電所の核爆発とメルトダウンにより人類は絶滅の危機に晒される… というところで第二部はエンディング、、、

    「"マスター"」が圧倒的に優位な中、「イーフ」等は絶望的な状況を打開することはできるのか… うまく収拾できるのか心配になるような状況ですが、この先は第三部『永遠の夜』の展開に期待したいと思います。



    以下、主な登場人物です。

    「イーフリアム(イーフ)・グッドウェザー」
     元CDC(疾病対策センター)所属の医師で疫学者。殺人容疑で指名手配中

    「ザカリー(ザック)」
     イーフの息子。11歳

    「ケリー」
     イーフの元妻。吸血鬼

    「ノーラ・マルティネス」
     疫学者。イーフの部下

    「マリエラ」
     ノーラの母親

    「エイブラハム・セトラキアン」
     ニッカーボッカー骨董質店主。元ウィーン大学教授(東欧文学および伝承を専門)

    「ヴァシーリ・フェット」
     ニューヨーク市有害生物駆除サービス課の仕事を請け負っている害獣駆除業者

    「オーガスティン(ガス)・エリサルド」
     メキシコ系ギャングのボス。18歳

    「アルフォンソ・クリーム」
     ガスのライバルギャング団ジャージー・サフィアズのボス

    「ロイヤル」
     クリームの仲間

    「アンヘル・グスマン・ウルタード」
     メキシコ人の元覆面プロレスラー

    「"長老"たち」
     吸血鬼の7人の始祖

    「"マスター"」
     7番目の長老。ポーランド貴族ユセフ・サルデューの身体を持つ

    「ミスター・クインラン」
     長老たちのチーフ・ハンター

    「アイヒホルスト」
     元ナチ将校で強制収容所所長。吸血鬼

    「ハウプトマン」
     元ナチ将校。吸血鬼

    「エルドリッチ・パーマー」
     ストーン・ハートグループを率いる投資家。大富豪

    「ミスター・フィッツウィリアム」
     パーマーの看護師兼ボディガード。元アメリカ海兵隊

    「ゲイブリエル・ボリバル」
     ロックスター。吸血鬼

    「エヴェレット・バーンズ」
     CDC(疾病対策センター)局長

  • 長老?えっ?!長老だよね?教授ぅ〜!!ザックどうなっちゃうのぉ!パーマー、ざまぁ(笑 いやぁ、面白いじゃないの。第三部へGo!

  • "最悪の結末で幕を閉じた。指導者的存在もいなくなってしまったのか?
    次の永遠の夜ではどうなるのか?人類は生き残れるのか?"

  • 最高っス。全ての展開が最高だけど「正義はかならず勝つんだ。最後には」のアンヘル捨て台詞後のマスク装着シーンには、もう涙が溢れましたよ!お決まりの演出とはいえ「死ぬなよ、銀の天使、くそ野郎!」とガスと一緒に叫びたいほど感動的でした。あと文庫2冊で終わっちゃうなんて読む前から終わるのが残念に思われるほど面白いです。このまま『永遠の夜(上巻)』行っちゃいます!

  • 秘密の書をメインに話がスピーディに展開するのは良いし、後半はお互いの主要キャストが死んでいくのも戦闘の激しさと相まって良い。ただやはりというか、このザックをめぐる物語があまりにももたつき過ぎ。頻繁に入れ替わるカットバックのような構成も物語のスピード感を損ねている。いよいよ吸血一族の壮大なプランが姿を現してきた。次の作品に期待。

  • セトラキアンの死に意味はあったのか。人類の未来は。続きが気になる。

  • 最初は病原菌物と思いきや、吸血鬼と人間の対決。面白く読み進んだものの、下巻の終盤は説明不足なまま強引な感じで持ってきた。せっかくこれだけのページ数を使うなら、もう少し深く描いてもよかったのでは?

  • 話に勢いがなくなってきて完全に中だるみ。いくぶん冗長かなぁ、最後まで付き合いますが。
    あとがきがなんか微笑ましかった。
    物語関係ないですが、このテキスト数で分冊したらあかんやろ~カバーかっこいいからまだ許すけども。

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著者プロフィール

映画監督・脚本家・小説家。
1964年10月9日生まれ。メキシコ出身。
劇場長編監督デビュー『クロノス』(92)が各国の賞で高く評価され、97年の『ミミック』でハリウッド・デビューを果たした。『デビルズ・バックボーン』(01)、『ブレイド2』(02)を経て、念願だったマイク・ミニョーラの人気アメコミの映画化『ヘルボーイ』(04)を実現。映画はヒットを記録し、続編『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(08)はスタジオをユニバーサルに移して製作。その間にスペインで製作した『パンズ・ラビリンス』(06)は、アカデミー賞脚本賞にノミネートされたほか、カンヌ国際映画祭など各国で高い評価を受けて気鋭の監督として国際的に広く認知されるように。07年にはペドロ・アルモドバルらとメキシコで製作会社「チャチャチャ(Cha-Cha-Cha)」を設立。『ロード・オブ・ザ・リング』の前日談にあたる大作『ホビット』シリーズでは脚本を手掛けた。10年『パシフィック・リム』で、久々に監督に復帰。14年にはチャック・ホーガンとの共著で発表した初の小説「ストレイン」シリーズ(09年)のテレビドラマ化が実現。本作に続き、今後は『Pinocchio』『ヘルボーイ3』『パシフィック・リム2』などの話題作が予定されている。

「2016年 『ギレルモ・デル・トロ クリムゾン・ピーク アート・オブ・ダークネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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