人イヌにあう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
3.71
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本棚登録 : 307
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503550

作品紹介・あらすじ

夏の晴れた日には、どうせ進まない書きもの仕事など放り出し、ローレンツ先生はイヌのスージとドナウ川に遊ぶ。ハイイロガンやカラスと同様、イヌやネコも先生にとっては、研究対象であり、かつ一日見ていて見飽きない伴侶たちだ。名作『ソロモンの指環』のローレンツが、イヌやネコに対する愛情から発した洞察を、自身の生活を彩った愛らしいイヌたち・ネコたちの肖像とともに綴る、愛犬家でなくとも必読の名作エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭でローレンツ博士はヒトとイヌの出会いを見ていたかのように描写するが、異種の動物の出会いの中で、ヒトとイヌの出会いというのは相当、幸運なほうだったのではないだろうか。牛や豚は食べられちゃうし、馬は戦争に巻き込まれたり、畑を耕したり、相当重労働しなくちゃならない。その点、イヌも番犬したり牧畜の手伝いしたり働かなくちゃならないけど、野生やっているなら狩りをしなくちゃならないわけだから、その代わりと考えれば危険も少ないし、食いっぱぐれもない。何より、結構楽しんで働いている感じがする。悪くはないな、と思っているのではないだろうか。まあ、人間と暮らして一番得をしているのは猫だと思うけど。

    イヌは身近すぎてあまり研究対象にならないみたいだが、何頭かのイヌと暮らしてきた身としては、研究したらこんなに面白い生き物はいないと思う。実はこいつ世の中のことを相当わかっているんじゃないか、と思うこともあったし、どう考えているのだろう、と不思議に思うこともあった。たとえばぼくは、イヌを渓流釣りにつれていくことがよくあったのだが、魚が水から出てくるのが相当面白いらしく、しばらく釣れないと脇に座って咎めるような目でこっちを見たり、ふと気づいたらいないので探したら、全然知らない釣り人の後ろに座っていたり(そっちのほうが釣れると思ったのだろうか?)、しまいには自分で、水面を前足でぴちゃぴちゃ叩くということを始めた。あれは魚が水しぶきを上げて釣れるのを観察していて、水しぶきを上げると魚が出てくるのかも、と考えたのではないだろうか。だとすればそれは演繹的推論であり、相当高度な知性を持っているといってよさそうだ。

    本書に出てくるコンラート博士の主張や理論に全部賛成するわけではないが、それでもこんなことを考えながらニヤニヤしながら読んだのだった。面白かった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/768061

  • ハヤテさんが我が家に来たので読んでみた。ちょっと古かったかも。

  • 犬を飼いたくなる

  • ローレンツの犬に対する温かい眼差しがよく伝わる

  •  ノーベル賞受賞者の動物行動学者ローレンツが語る人とイヌとの関係。

     エッセイのような軽快な文章で人とイヌの関係について書かれている。実験によるものというより、長い年月における何匹ものローレンスの飼い犬との間で起きたことから書かれているのが面白い。イヌとはこんなにも何かを学ぶものなのかと驚く。
     きっとイヌを飼っている人からすると私の何倍も面白く感じるのだろう。その人たちが羨ましくなるイヌの飼い主必読の一冊。
     

  • ともだちのことを考えるにあたって、ともだちのことをよくみてみること、ともだちの気持ちになってみること、というのを考える。

    イヌについての本の中でも名著にあたる本。だと思う。

    単行本を持っていてそれはたぶん小学生くらいの時にはじめて読んだのだが、読み返す必要があって手にとったところ、ぼろぼろになってしまっていたので文庫版を購入。

    この文章を書いている人間が、ほんとうにみている対象の動物たちのことを愛しているのだな、というのが文章の端々から、いや、文章全体余すところなく伝わってくる。なので読んでる端からこちらもその熱にやられてどんどん動物たちのことが愛おしくなってくる。特にイヌがね。おそろしい文章だ。著者自身も描いているという挿絵も素敵。

  • 本能から生まれる愛と本能から解き放たれた知性は世界を鮮やかに彩る。

  • イヌとの毎日を動物行動学から書いた本

  • イヌを飼っていた時
    この本を読んでいれば!

    そんな本であった
    とても面白い
    イヌ好きネコ好きの人は読むべきだ

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