食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

制作 : Felipe Fernandez-Armesto 
  • 早川書房
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503673

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  • 読書録「食べる人類誌」5

    著者 フェリペ・フェルナンデス=アルメスト
    訳 小田切勝子
    出版 早川書房

    p309より引用
    “貿易による世界規模での食材の流通は、筆
    者が「よそ者効果」と呼ぶものーー多くの人
    が異国のものをあがめる傾向ーーによって
    助けられている。”

    目次から抜粋引用
    “調理の発明
     食べることの意味
     食べるための飼育
     食べられる大地
     食べ物と身分”

     歴史家である著者による、現在までの人類
    と食べ物との関わりを記した一冊。同社過去
    刊行作文庫版。
     火を使う事による食の革命についてから現
    代の食べ物に関する出来事まで、多くの歴史
    的事例を元に解説されています。

     上記の引用は、遠方の食べ物が広まったこ
    とについて書かれた章での一文。
    隣の芝生は青いといったところでしょうか。
    自分の近くで手に入るものを食べて満足出来
    ていたら、食品の移送に使われるエネルギー
    が少なくて、その分他に回せるのではないか
    なと思うのですが。
     文庫で450ページ超と、結構な読み応え。
    しかも中身もぎっしりと詰まっているので、
    読み終わる頃には頭がお腹一杯になることで
    しょう。
    食べるという生きる根源についての著作なの
    で、大抵の人は興味を持って読めるのではな
    いでしょうか。
     巻末の解説を、発行学者の小泉武夫氏が書
    かれています。氏の他の著作とは違って、硬
    い文章が味わえます。

    ーーーーー

  • 人類の食についての「8つの発明」を通して、どのように発展してきたのかを語る。8つの発明、といっても小手先の部類ではなく、調理の発明から、食事の意味、食べるために飼育し、栽培し、交易することなどが大きなスケールで語られる。

    エピソード中心で、貫く柱がないようにも思えるけれども、食という面を切り取って、人類の発展を語るのは読み物としても面白い。でも、この文字量には慣れが必要かも。人間が最初に飼育した動物は貝類(カタツムリ?)だったとか、言われてみればそうかも、と思う話がたくさんある。

    世界観を捉え直す視点を持ちたいときに、こういう本を読んで教養にすると、新しいアイデアが生まれる素地になると思う。私は小説を書くときに「食」を重視するけれども、それはこの本の影響が強い。

  • 火を使った調理法の発明から始まって、食材や料理だけでなく「食べる」ということそのものの文化的、精神的な意味や役割を広範かつ詳細に考察されていて、質量ともに読み応え十分。

  • タイトルに相応しい珠玉の一冊。相応しすぎて内容については他に語るところがない。死ぬまでに読んでおくべき一冊。

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