ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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制作 : 塩原 通緒 
  • 早川書房 (2011年7月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503741

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 他者に共感する気持ちはどこから来るのか?
    他者の行動を先読みできるのはなぜか?
    そもそもサルと我々の違いはなにか、
    [DNAの発見に相当する]の謳い文句に偽りなしのモノマネ細胞について安っぽいハウツー本では得られない知識の部分が濃い!サイコウ!正直なところ脳科学の本て微妙なのが多いなかでこれはほんとうにおもしろい!

  • 目からウロコの「ミラーニューロン」仮説。誠実な科学者として、つねに慎重な実証的データをもとに話をしている様子は、読めば読むほど、ものすごくよく分かる。いろんな対照実験も本当におもしろく。さすがだと思いました。しかし、それを「説」として編み上げる/結論づけるところで、すいません、ときどき、私にとっては反骨とユーモアが足りない気がして。
    まるで暗闇をところどころ照らす明かりを頼りに、地図を描いているよう。手探りながらも厳密に。さすが科学者、立派。一方で話のトピックが大きくなり、価値判断が入ってくると……

  • 他人のある動作を目にしたとき、自分がその動作を行った時かのように活性化するニューロンの話。脳について、心理学的な証明が必要になる場合、個々人の主観っていう部分がどうしても少なからず入ってしまうから、いくら条件設定をしっかり整えても、ある一定の胡散臭さが混ざってしまうと思う。素晴らしい発見には違いないけど、説得力っていう点ではイマイチピンとこなかったのも確か。面白い話題ではありました。

  • 【私の中のあなたの素】1990年代後半から神経科学の世界で脚光を始めたミラーニューロン。他人の行動を観察したときに活動するという「鏡」のような役割を持つこのニューロンの潜在的可能性、そしてその衝撃に迫った作品です。著者は、イタリア生まれの神経学者であり、カリフォルニア大学ロサンゼルス校において、自らもミラーニューロンの研究をリードし続けているマルコ・イアコボーニ。訳者は、科学関係の翻訳を多く手がけている塩原通緒。


    少しずつその認識は広まってきているのだとは思いますが、改めてミラーニューロンの持つ意義に驚かされた一冊。単に知的好奇心を満たしてくれるのみならず、哲学や政治、さらにはマーケティングにまで影響を及ぼす可能性のあるこの存在を知ることにより、ものの見方までもが何となく修正を迫られるような衝撃を受けました。ミラーニューロンを軸として物事を語ることにどこまでリーチがあるかはわかりませんが、注目の神経科学の分野の一端がのぞける良作だと思います。


    科学の本と聞くと、門外漢は受け付けないような印象を受けますが、数々の具体的な実験や身近な出来事を例としながら語られるので、まったく抵抗なくミラーニューロンの世界に足を踏み入れることができたのも本書の大きな魅力の1つです。また、科学者が普段何を考えているのか、そして実験を行うに当たってクリアする障壁はなんなのか等もわかり、今まで知ることのなかった世界についても教えてくれた作品でした。

    〜人間は別の人間と深くつながりあうように進化してきた。この事実に気づけば、私たちはさらに密接になれるし、また、そうしなくてはならないのである。〜

    科学と哲学が改めて密接にリンクしていると感じた☆5つ

  •  ミラーニューロンについて、読者の興味が湧くようにわかりやすい喩えや、冗談を交えながら解説している。わかりやすいので入門書として読むのに適しており、一方で入門書と呼ぶには勿体ないほど濃厚な内容となっている。読むことであらゆるものに対する見方が変わる一冊。

  • 面白そうなテーマだと思って読み始めましたが、ちょっとなんだか読み難く…最後まで読むのがしんどかったです。
    もうちょっと図とか使ってド素人にもわかりやすくしてほしかったかな…

  • 「生物学におけるDNAの発見に匹敵する」と称されるミラーニューロンは、サルで発見された、他者の行動を見たときにも自分が行動しているかのような反応を示す脳神経細胞。
    この細胞はヒトにおいて、他者が感じることへの共感能力や自己意識形成といった、じつに重要な側面を制御しているという。
    ミラーニューロン研究の第一人者自らが、驚くべき脳撮像実験などの詳細を紹介しつつ、その意義を解説する。

    新たに発見をされたミラーニューロンについて実験や検証結果、仮説などが順序立てて書かれている内容でした。

    自分自身が行動を起こしていても、他者が行動をしていてそれを自身が見ている時でも同じ神経細胞が活性化しているというもの。

    ミラーニューロンがあるからこそ、相手の感情を読み取り共感する手助けをしている。

    人格形成のひとつである模倣にもミラーニューロンは深く関わっていることなど、人間には無くてはならない要素の一つであることが書かれています。

    普段当たり前の様に誰かの話に耳を傾けて、哀しい話ならば哀しい気持ちになって楽しい話なら互いに笑うといった行動をしているが、その一連のコードには経験則が含まれていたりすると考えると少し感慨深い気持ちになる。

    今まで経験してきたことも多少なりとも今後の事象の対応としてコードされているのかと考えてしまう。

    人と人が本当の所では何を考えているのか、何を想っているのか分からないのは変わらないけれど、行動から推測が出来る様に、人の気持ちを汲む事も人にはできる。自分以外の誰かの気持ちを受け止める為に重要な働きをしているミラーニューロン、制御をするスーパーミラーニューロン。


    本書の中にある、
    関連研究によってもはや明らかになっているように、模倣は私たちを変えることができる。私たちは模倣によって緩慢にもなれば迅速にもなり、賢くもなれば愚かにもなり、数学が得意にもなれば不得意にもなる。役立つ人間にもなれば、無礼にも丁寧にもなる。くどくなったり、憎たらしくなったり、攻撃的になったり、協力的になったり、負けず嫌いになったり、従順になったり、反抗的になったり、保守的になったり、忘れっぽくなったり、注意深くなったり、無謀になったり、細やかになったり、いいかげんになったりする。

    この文章を読むとわかる様に、人は意識によってどうにでも変われる可能性を見る事が出来る。精神論の話になってしまうけれど、向上心はとても大切だと感じました。


    この様な人体の新発見を分かりやすく読める本だと思います。
    今後研究が進んで自閉症などの新たな治療法や新たな人間の在り方が発見されることを強く願っています。

  • 人が物を掴む動作を見ていた猿の脳が、自分が物を掴むときと同様の発火を示したという。つまり他者の動作を目撃してその動きに「同期」するような、脳の特定の部位があるらしい。これがミラーニューロンと呼ばれる。
    しかもこれは単に「物まね」活動するだけではなく、他者の表情を読み取ってその心情と同調したり、人間の場合だともっと複雑に、抽象的な記号等を介しても他者と連携しようとする働きを示すらしい。
    確かに、この本に書かれたことがほぼ正しいとするならば、これは凄い発見である。器質的に「他者とつながろうとする細胞」があるということは、これまでの西洋近代哲学史をも一部無効化してしまいかねない。
    そういえば、教室や職場で、誰かがセキをするとそれが数名に伝播していくことがある。この本に書かれていることではないが、これもミラーリング作用かもしれない。
    現実に、私たちは日常、周囲にいる他者たちの感情に影響されていることは確かだ。西洋近代哲学が考えてきたようには、「個人の精神」なるものは独立していない。それは絶え間なく他者たちとの相互作用のもとにおいてあるものだ。
    この考え方はまさしく、木村敏さんの「あいだ」の思想と合致するし、レヴィナスがあんなにこだわった「他者の顔」というのも、ミラーニューロンがその作用を自己へと引き受ける、そのシステムを予言していたのかもしれない。
    ミラーニューロンを研究した科学者チームの中にメルロ=ポンティ・フリークが一人いて、メルロの思想を咀嚼しながら彼らが研究を進めたという逸話も、胸が熱くなる。
    このミラーニューロンの発見を受ければ、フッサールもハイデッガーも、「他者」に関する理論を書き換えなければならなくなってしまう。とりわけ、「他者への跳躍」は自己にとってはなはだ突飛なものだ、などと考えてきた独我論者たちは葬り去られてしまうだろう。なにしろ、独我論者たちが「自己」に閉じこもってぶつぶつつぶやいているのに対し、脳はとっくのまえに他者とのミラーリング作用を活動させてしまっているのだから。
    この本に書いてあるように、自閉症がミラーニューロンシステムの何らかの故障だと考えるのも、もしかしたら妥当かもしれない。現に「模倣」活動を取り入れた治療活動がすすめられつつあるという。

    この本は私にとって非常に画期的だった。今までずっと考えてきた「なぜ、音楽作品のなかではある要素が”模倣””反復”されなければならないんだろう」という疑問は、ミラーニューロンが示唆する自己-他者間の模倣-反復作用が音楽に反映されたものかもしれない、という新たな仮説に到達する。
    ほかにも、音楽など芸術作品にとって、ミラーニューロンがどの程度の意味を持つのか、素人が性急に断定することはできないが、やがてさらなる研究が進んでいくことだろう。
    まだ日本語で読める文献は少なそうだが、もうちょっとミラーニューロンについてしらべてみなくてはならない。この書物は私に、それほどの衝撃と切迫感を与えたわけだ。

  • ミラーニューロンの発見から様々な実験結果をまとめ、そしてどのようにそれが私たちの生活と結びついているのかを説いた本。

    ミラーニューロンとは脳に存在する細胞で、人を精神的、感情的に理解するためにとーっても重要な役割を果たしています。この細胞の存在をクラスで知った直後には、私のお気に入りの細胞になっていました(笑)実験もとてもおもしろいものばかりで、読んでてとても勉強になりました。専攻を変えようかと一瞬考えた程!

    (ただ、心理学を英語で勉強しているせいか、日本語での専門用語が全くわからなかった‥。特に脳の部位の名前‥トホホ。)

    これから先、もっともっと注目される細胞だと思う!

  • 脳ってすげぇ…。

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ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の作品紹介

「生物学におけるDNAの発見に匹敵する」と称されるミラーニューロンは、サルで発見された、他者の行動を見たときにも自分が行動しているかのような反応を示す脳神経細胞。この細胞はヒトにおいて、他者が感じることへの共感能力や自己意識形成といった、じつに重要な側面を制御しているという。ミラーニューロン研究の第一人者自らが、驚くべき脳撮像実験などの詳細を紹介しつつ、その意義を解説する。

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)はこんな本です

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の単行本

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