ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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制作 : 村井章子 
  • 早川書房 (2014年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504106

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ホームズの思考術にあった速い思考と遅い思考(ホームズシステムとワトソンシステム)の元ネタはダニエル・カーネマンのファスト&スローだよなあ、と思い本棚から取り出し出だし少し読んでみた。ワトソンシステムの例が書いてある。考えてみれば普段の生活はほとんどワトソンシステムに任せている。だから、思いもしない事があると、自然な対応が出来ずミスしてしまう、という事になるんだな、と。ホームズは「見る事と観察する事は違う」と語っているけれど、少し日常を観察する事を意識してみよう。

    ↓以下、丸ごと引用
    『近所の人がスティーブのことを次のように描写しました。「スティーブはとても内気で引っ込み思案だ。いつも頼りにはなるが、基本的には他人には関心がなく、現実の世界にも興味がないらしい。物静かで優しく、秩序や整理整頓を好み、細かいことにこだわる」。さてスティーブは図書館司書でしょうか?それとも農家の人でしょうか?
    スティーブの性格が図書館司書のステレオタイプとピタリと一致することは、誰もがすぐに思いつく。だがこの質問に答えるためには同じくらい重要な意味を持つ統計的事実があるのだが、こちらはまず間違いなく無視される。
    あなたはアメリカでは男性の私を1人に対して農業従事者は20人以上いると言う事実を思い出したであろうか。農家の人がこれだけたくさんいれば物静かで優しい男は図書館で座っているよりもトラクターを運転している可能性の方が高い。ところが実験の参加者はこうした統計的事実を無視し、ステレオタイプと類似性だけを問題にした。彼らは難しい判断を下すにあたり、似たものを探して単純化ヒューリスティック(大げさに言えば近道の解決法)を使ったのだと考えられる。このようにヒューリスティックに頼ると答えには予測可能なバイアス(系統的エラー)がかかることになる。』p15

    何か問題や課題が与えられた時、いかにすでに自分の脳内にある、取り出しやすい、慣れた材料で物事を判断しているか!って事ですね。単純化!サポメ課題本の失敗の科学にも単純化の例が書いてあったし、先日ひっつじーさんが紹介してくれた【心配学】でのリスクとリターンの見積もり間違いの話にも通じるなあ。今日は自分がどれほど単純化しているか、意識してみよう。

  • ノーベル経済学賞を受賞した著者による、行動経済学の本。
    多彩な実例を基に、数々の事実を明らかにしています。

    なかなか読み応えのある本でした。
    下巻にも期待です。

  • 私たちの内的な決定機関には二つのシステムがあるということを、様々な実験から検証し提言する内容。ノーベル経済学賞を受賞した著者なので、内容は決して難しく書かれていないが、検証の緻密さ精密さはくどいほど。しかし目から鱗の大変面白い内容だった。

    ファスト&スローとは、簡単に言えば「直感」と「理性」といったところだろうか。私たちはあることに直面した時、自身にとって最善の方を選択しようとするし、状況と前提に合わせた回答を用意しようとする。しかしその選択の大部分は理性によって吟味されたものではなく、前提とされた状況や経験によってゆがめられている。「直感」はあるフレームがあり、それにのっとったものをストレスなく選び取ろうとする。「理性」は直感が選び取ったものをもう一度フィルターにかけて自己に問い直すような役割を果たす。しかしこの「直感」は大変揺れやすく、「理性」も直感のブレの幅に結構影響を受けてしまう。

     行動経済学に初めて触れた気がするが、この検証は結構恐ろしい。特に宗教者にとっては足元がぐらぐらする思いだ。信仰が個別的であり、自身の経験と直感にかなりの比重がかかっていることは自明である。マインドコントロールという言葉は使いたくないが、構造主義の賜物というのか。メタゲームの先に信仰は見えるのか、人生の課題でもある。

    17.12.5

  • 上巻では、人の二つの認知システム「システム1(自動システム)」と「システム2(制御システム)」について多くが語られる。
    実際にこうした脳機能が存在しているわけではないが、人間の心理をわかりやすく説明するためにあえて学術的に不適切な「擬人化」を使ったというところが、この本が広く一般に受け入れられている理由だろう。
    ノーベル経済学賞を受賞した心理学者だからこそ、こういう不適切な説明が許されている感もある。
    この本では、なぜ擬人化が人にわかりやすいかについてもさりげなく説明している。
    擬人化は萌え文化の専売特許ではないということだ。
    これを読めば、人の心理「システム1」と「システム2」が愛おしく思えるに違いない。この世で起こるアホな事件、アホな自分にも、きっと寛容になれるはずだ。

  • 行動経済学に関する本。上下巻あって長いですが、難しいようなら他のもっとお手軽な本で慣らしながら少しずつ読んでみてもいいかもしれません。

  • 人間が意思決定を行う際、じっくり考えればわかるものも過去の経験則などから直感を駆使してしまうことにより、非合理的な選択を行ってしまう等といった行動経済学に関するあらゆる事象を平易な文章で記載しており、とても勉強になりました。
    但し、分量が非常に多く、頭を駆使する必要があるため、読み進めるのに相応の時間が掛かります。
    面白い内容ではあるのですが、長期戦は必至であるため、挫折してしまう方も多いかもしれません。

  • 東大で読まれている本第一位、のオビに惹かれて店頭買い。
    アンカー効果
    順序に左右される

  • 「バイアス」という行動経済学についての本。
    人間の内部には誰しも「直感/論理」「経験/記憶」という二つの自己を内包する。
    そのバイアスについて色々な名前をつけていった本。名前を付ける事により現象が整理でき「バイアス」から多少逃れる事はできても完全に逃れる事は出来ない。
    バイアスがあるから世の中が動いたり、素敵に彩られているのも事実だ。
    組織運営やコミュニケーション、自己管理においても「バイアス」に対する素養があるかないかで人として大きく変わるのだろう。

    キーワード↓↓
    計画の錯誤、競争の無視、楽観バイアス(起業家に多い)、自信過剰の優遇、損失回避(人は利益を得るより損失を避けたい)、ピークエンドの法則、持続時間無視、プライミング効果、フレーミング効果、基準の無視、メンタルショットガン、ヒューリスティック質問。少数の法則、アンカリング効果、スキルの錯覚、妥当性の錯覚。

  • システム2を強化していくことでシステム1が強化される。それよりも効率的にシステム1を強化する方法があるとすれば、魔法修練だろう。

  • マーケティングをやろうと思ったら、絶対に読まないといけない本ですね。それと、マーケティングに騙されたくない人も・・・

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直感的「速い思考」と論理的「遅い思考」による人間の意思決定メカニズムを徹底解剖。

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ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の単行本

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