それをお金で買いますか (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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制作 : 鬼澤 忍 
  • 早川書房 (2014年11月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504199

それをお金で買いますか (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の感想・レビュー・書評

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  • マイケルサンデルの作品を読むのは二作目だ。
    今回は市場における道徳的規範についての話だ。
    お金を中心に回っている人間社会では、合理性を追求していくことが重要になってくる。
    そこでストップをかけるのが道徳心だ。
    あらゆるものに市場が参入してしまうと、本来、守るべき人間性や誠実さ、本質、真髄が消えていってしまう。
    人間は他の動物とは違って、熟考することができる。
    機械とも違って、頭だけで行動するわけではない。
    人間には自分の名誉や主義主張を大事にしたいという性質がある。
    どこまで市場に踏み込ませていいかは一人一人が考えなければならない。

  • 行列の論理、市場主義

    ダフ屋は、排除すべきか

    格安20ドルで提供されているライブコンサート料金、100ドルでダフ屋から購入して、ライブを楽しんではダメなのか
    ライブ会社が利益を逸失しているとみなし、チケットを適正価格まで引き上げるべきなのか

    市場モデルは、社会関係の再構築に影響を与えている、社会問題の解決のために金銭的インセンティブがますます使われるようになっている

  • 読んでみて、そういえば確かにそうだと思うことがたくさんあった。知らぬ間に商品化されている身近なものがあることに気づいていなかった。その全てが悪というわけではないが、それによって失われる何かがあることはきちんと理解しておくべきだと思った。

  • 久しぶりにサンデル先生の本を読んだ。市場化によって腐敗してしまうものがあるというのは非常にしっくりきた。

  • 私自身、資本主義経済や株式制度に疑問をもっています。ですが、経済や経営などの難しい話はわからない上に、そんな疑問を解決に至る方法などの本を見つけることはできずにいます。いろいろと歯がゆい思いを抱いていました。経済の仕組みや市場の在り方など、経済学者が触れたがらない点にもふれ、理不尽ともいえるいろいろなことが起こる理由もわかるし市場主義に関しても詳しく話してくれています。世界の人々いやアメリカの人々の価値観がよく表れている事例も多いので大変興味深い本です。

  • 2014年(底本2012年)刊。著者はハーバード大学政治哲学教授。◆道徳や倫理が、市場・貨幣という数値に浸食される実態をあらゆる例・調査結果を提示して開示。◇日本でも散見される球場命名権、各種罰金・金銭的行政罰制度、ファストパス、行列の並び屋、CO₂排出権取引などの一方、海外特有の事象、例えば、縁組希望の養子の価格付け、遅刻への罰金、学生の成績向上に対する報奨金(学費無償でなく現金給付というのがミソ)、生命保険の第三者転売と当該債権譲渡の市場化、血液を含む臓器売買、出産制限ある社会での子供の出産権など。
    ◆ここでの問題点は、つまり道徳や倫理が侵食される意味は、①「生命」「子」など単一基準での価格形成・数値化が不可能ないし非難されたものを、単一基準で数値化すること。また②倫理的非難を構成した罰則や損害賠償金が、それを払うと許容されるとの数値基準に転化し(例えば、100万円払えば浮気ができる、駐禁切符代で駐車場を探さずに済む)、同一の倫理的非難であったはずなのに、それを払える人と払えない人との間の格差を生んでしまう。③成績向上の金銭給付や献血など、インセンティブでは良結果が得られないデータがある。
    あるいは、その可能性の如何を調査しないままで済ます。しかるに、あたかもインセンティブが万能かのような制度設計をする点などか。◆医師の優先的診療権(テーマパークのファストパスなら笑って済ませられるかもしれないが)等々、全体になかなか含蓄ある叙述で、読みふけってしまった。再読不可避だが、脳の報酬系が金銭では反応せず、褒める言葉かけや愛情表現で活性化する知見を想起させる書でもある。◆cf.TPPによる米国サービス産業の国内参入とも絡めて…。

  • サンデルの問題意識は、市場社会の浸透による社会的不平等と道徳的腐敗の蔓延にある。これに対して、サンデルは二通りの異論—リベラリズム的なものと「コミュニタリアニズム」的なもの—を唱えている。前者は、もちろん自由な合意に基づいて交わされた契約には反対しないが、仮にその契約が社会的な不平等のために「やむを得ず」交わされたのであれば、それを不公正だとする。後者は、仮に完全な自由意思による契約であっても反対する論拠を挙げる。それが道徳的腐敗である。この立場によると、市場によってその目的に適さない規範が適用されるようになり、道徳的に堕落するのだという。こうした事態を抑制する方法として、サンデルは「熟議」を挙げる。必ずしも一致しない価値対立であっても、あるいはそれゆえに、我々は市場原理が適用されて良い領域とそうでない領域との境界線を引くべきなのである。
    こうしたサンデルの指摘は、我々の直観に反するという限りにおいて、妥当だといえるだろう。しかしながら、市場が社会に入り込むようになる/なったことで認識が変われば、問題とすることはできないだろう。また、その解決策として挙げられる熟議については、価値対立をやや甘く評価しているようにも読める。利害対立や価値対立を直視したリベラリズムからすると、こうした熟議によって乗り越えられるとは考えられないし、また、そもそも我々は熟議に参与しようと思えるだけの「市民」なのだろうか。

  • 貨幣制度・市場主義という社会の仕組みと、その「お金の価値」についての哲学的な思考をまとめた本。
    例えば他人の命にお金をかけ、その死によって儲かるのにいけない点はあるのか?お金をかけるだけで、その死を早めるわけではない場合、問題はないのか?など。

  •  最もほしいと思う人が、最高の価格で買うことの何が悪いのか? この問いに答えることが、思ったよりも難しい。
     ミサの席、人間、それらが取引されることは、「金で買えるもの」という、最低の価値観を与える結果となる。

  • レビュー省略

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それをお金で買いますか (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の作品紹介

刑務所独房のグレードアップ:1晩82ドル。インドの代理母:6250ドル。暴走する「市場主義」に警鐘を鳴らし、「善き生」を考える。

それをお金で買いますか (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)はこんな本です

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