オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1: 2つの世界大戦と原爆投下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504397

作品紹介・あらすじ

軍事基地帝国というわが同盟国の真の姿を、第1次大戦から現代まで綴る衝撃の歴史大作

感想・レビュー・書評

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  • 序章 帝国のルーツ ー 「戦争はあこぎな商売」
    第1章 第一次世界大戦 ー ウィルソンvsレーニン
    第2章 ニュー・ディール ー「私は彼らの憎しみを喜んで受け入れる」
    第3章 第二次世界大戦 ー 誰がドイツを打ち破ったのか?
    第4章 原子爆弾 ー 凡人の悲劇

    学校では学びきれない、近代アメリカ史を徹底して取り上げている。
    二度の世界大戦を経て、アメリカが世界の覇権を握る過程がよく分かる。

    積読に値する

  • オリバーストーンによって日本が降伏に至った本質理由と背景を知るという、アメリカの洗脳は半端ない。

  • 映画監督オリバー・ストーンがアメリカ史をテーマにして作ったドキュメンタリーの書籍版。

    自由と民主主義の擁護者として語られるアメリカ。
    しかし、本書の主題は自由と平等の国としてイメージされるアメリカのもうひとつの側面(暗部)を描き出す。
    第1巻目は、第一次大戦から帝国として世界の舞台に立ち、その影響力を増大させていく「アメリカの世紀」を綴る。

    歴史の本を読むとつい「もしも~、・・ならば」と想定してしまう。
    もしフランクリン・ルーズベルトがあと1年長生きしてくれたなら。
    ルーズベルト政権で、もし副大統領がトルーマンでなく、ヘンリー・ウォレスだったら、日本への原爆投下はあっただろうか。日本の戦後史は変わっていただろうか。
    西側からドイツを攻める第二戦線をアメリカはもっと早く開いていたなら、第二次世界大戦の戦局はどうなっていたか。スターリンの信頼をアメリカが戦後も維持できていたら、その後の冷戦はどうなっていただろう。
    「もし・・ならば」と、歴史に問うても意味のないことだ。それでも、特に日本への原爆投下に至った経緯を読むと「もしも・・、」と問わずにはいられない。

    本書と元となったドキュメンタリーは、本国で論争を巻き起こした。保守派は受け入れ難い、でっち上げだの捏造だといった誹謗や偏った歴史観に基づいて書かれたアメリカ史だと非難している。
    しかし、アメリカ人ではない人が読むと、この程度のことをアメリカ人は教えられていない、尚且つ受け入れ難い歴史観だ、というのは、どういうことなんだろうか。
    そのことが逆に驚きだった。

  • とても為になった。一方聞いて沙汰するなと言うが、日本国内で教育される第二次世界大戦と、アメリカ人視点の第二次世界大戦とでは、かなり違う。当時の必死さ、余裕さに雲泥の差を感じた。だからこそアメリカも罪深い。

  • オリバーストーンといえば、「7月4日に生まれて」「JFK」などの社会派作品が多い監督。映画好きとしてこの本は前から気になっていた。


    日本人からしたら中々見ることができないアメリカの姿を見れるのは結構貴重じゃないかな。
    ご都合主義でその自由や正義の定義を好きなように変えている姿は恐ろしいけど、それが国たるものの真の姿とも思う。

    特に原爆投下に至る内容などは非常に興味深い。勝敗は既に決していたにも関わらず原爆を投下したのはソ連に対する牽制の意味があった、程度の話は何となくは知っていたけど、当時のトルーマン大統領の思惑、政治的背景、国内事情等の説明がとても勉強になる。

    戦争終結の為に原爆が投下されたのではなく、戦後の覇権の為だったという事実は日本人からしたら受け容れ難い理由だが、そこが作者の言う、アメリカが世界覇権を目指す帝国であるという理由を端的に表していると思う。

    ここに描かれている事実に対する善し悪しの判断はさておき、物事を多面的に見るにのに適した非常に価値のある内容の本と思う。

  • アメリカ合衆国の通史、第1巻。
    まず、私の中で「アメリカの歴史??そんなものがあるのか。」という疑問から本書を手に取った。本書を読んで既にそれがアメリカに教育されてしまっているという事がよくわかった。
    歴史家ではない著者がある程度ルーズベルト寄りな視点で持ってアメリカ合衆国の歴史をわかりやすく解説してくれている。平和ボケしている時にどうぞ。少しは楽になれます。

  • 数年前にテレビで放送された番組の書籍版。
    歴史は勝利したものが正義として残り、敗者は淘汰され埋もれていくということが明確に分かる。それが世界の歴史であろうとアメリカ国内の歴史であろうと。
    その埋もれたアメリカの歴史を発掘し、負の面を浮き立たせてくれている。
    アメリカといえば大統領であり、その一挙手一投足が歴史の中で語られるが、大統領になれなかったがため消されてしまった主張があったことが残念でならない。
    世界大戦で混迷を極めた時代は日本だけでなく、その他の列強と言われた国々は自国の論理、正義を持って支配する国を増やしていた。現代では考えられない暴挙を列強国は平気でやっていた。そういう時代においてそれを否定する考えは危険と捉えられたのだろう。結局は、歴史の事実として私たちが知ることは少ない。
    歴史にもしはないが、ルーズベルトがもう少し長生きしていてば、副大統領がトルーマンではなくウォレスが選出されていたら、第二次世界大戦後の世界の方向性が変わっていたかもと考えてしまう。
    いま、テロが頻発し、北朝鮮が核兵器やミサイルを開発している。この状況はこの時代にまで立ち返って考えてみるべきだろう。
    また、原爆を作り、そして使ったアメリカはその責任をこれからも常に考えていくべきである。

  • アメリカ史。

    民主主義の守護者であるアメリカが帝国主義となり、そしてアメリカ例外主義になったのはなぜか、そして原爆を落としたのはなぜか、黒い。

    差別的で自分たちの利益だけを考える利己主義なアメリカが見えてくる。

    日本がアメリカに無条件降伏したのは原爆が理由ではなく、ソ連の侵攻を恐れたからっていうのは自分は知らなかった。確かにソ連が戦勝国だと天皇も排除させられるは、国土は取られるはで当時の日本としては危機ですな。

  • 読了

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著者プロフィール

1946年生まれ。アメリカの映画監督、脚本化、映画プロデューサー。『プラトーン』、『7月4日に生まれて』でアカデミー賞監督賞を二度受賞。著書『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』はベストセラー。

「2020年 『もうひとつの日米戦後史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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