千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 早川書房 (2015年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150504533
作品紹介・あらすじ
古今東西の神話・民話に登場する英雄たちの冒険を比較・分析し、その基本構造と共通性から人間の心の深層に迫る神話論の決定版
感想・レビュー・書評
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神話などに登場する英雄について、宗教を横串にして解説した本。ひとつの宗教だけでも大勢の英雄がおり、エピソードも多い。それを、西洋から東洋まで、日本の古事記なども含めて、共通点を明らかにする。大勢の英雄の共通点について語る都合上、個々の英雄については、読者が前提知識を持っていることが前提になっているようで、宗教や神話のエピソードに明るくない人は読むのに苦労するかもしれない。私は、まずディテールは横において、横串で英雄を知り、詳細は類書を読むことで、古代から人間の心を揺さぶる英雄について知ろうと思う。これからの読書の出発点にもなり得る本である。
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2024/1/8 読了
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原文が難しいのか翻訳の問題なのか、抽象的で僕のレベルでは理解できない箇所が多数でしたが、神話の英雄は旅に出て何かを手に入れて帰還するものだということは分かりました。
クーフーリン、イシュタル、マルタ、アルジュナ等、FGOで知ったキャラが沢山出てきます。
ジョージルーカスは『千の顔をもつ英雄』からインスピレーションを受けてスターウォーズの脚本を書いたということですが、この本は分かりやすいマニュアル本ではないので、やっぱりジョージルーカスの想像力(創造力)が凄いんじゃねえかということを思いました。 -
かのスターウォーズの製作に影響を与えた本。
確かに英雄の神話のプロットを丁寧になぞっている。というか、世界のファンタジー作品は底流として、この本に解説される英雄伝説に擬えて描かれているのでは、と錯覚を覚えてしまった。 -
20世紀のSF作品に多大なる影響を与えたという著書。
面白いが難しい。 -
英雄のサイクルにはバリエーションがあり、時間の混乱、死との遭遇・逃亡、神との結合、父との確執・克服、当時流行していたユングなどの夢分析の援用が多い。
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神話のパターン・ランゲージを分析により抽出した力作。
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原書名:THE HERO WITH A THOUSAND FACES
第1部 英雄の旅(承前)(帰還;鍵)
第2部 宇宙創成の円環(流出;処女出産;英雄の変貌;消滅)
エピローグ 神話と社会
著者:ジョーゼフ・キャンベル(Campbell, Joseph, 1904-1987、アメリカ、神話学)
訳者:倉田真木(翻訳家)、斎藤静代(1957-、翻訳家)、関根光宏(翻訳家)