エジプト十字架の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-16)

  • 早川書房
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本棚登録 : 126
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150701161

感想・レビュー・書評

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  • エラリー・クイーンの短編集ばっかり読んでたけどやっぱり長編小説も面白かった。
    国名シリーズの中でも傑作といわれている本作はタイトルと中身があんまり関係ないのだけ残念(笑)
    私はエジプトとかが大好きやから、舞台はエジプトなのかと思って読んだけど違った。

    エラリー・クイーンは本作では最後にはいつも通り素晴らしい働きをするけど最後の最後まで私たちと同じ全くの役立たずやったのが印象的。
    短編では40ページくらいで終わらせる為に事件発生から謎解きまであっという間やったから、今回は一体いつになったらクイーンが事件を解決してくれるのかが待ち遠しかった。

    あまりにも登場人物が多かったけどいつもながら皆それぞれに個性的で相関図は把握できた。
    殺人の動機だけがイマイチ不完全燃焼な感じはしたかな。まあ大事なのは動機ではなく過程なんやけど…何の動機もなく殺人を犯す人だっているとは分かりつつ、やっぱりそこは小説やからドラマチックな展開を期待してしまう(笑)

  • クリスマスの朝、田舎町のアロヨで死体が発見される。死体は首を切られ、T字型の標識に磔にされていた。事件に興味を示したエラリイは事件に「T」を暗示する要素が多々あることに気がつく。半年後、エラリイは旧知のヤードリイ教授に面白い事件が起こったと呼ばれる。首を切られ、トーテム柱に磔にされた死体が発見されたのだった。
    ――国名シリーズ。エラリイとヤードリイ教授のやりとりがなんだか楽しい。

  • アクティブエラリー。

  • 最高に面白いのに、何故か読み終わってない。いつも途中で断念する。思うに試験期間中に本を読むのが悪い。盛り上がってきたところで、ふと我に返って勉強したりする。んで、うきうきしながら本に戻ると内容忘れてんだよ。これがいけない。

  • “〜の悲劇”ものに比べれば、格段の面白さ。ミッシング・リンクものと思わせて、微妙に逸脱させている。解体トリックとうまく絡ませている。

  • エラリー・クイーン・シリーズ

    小学校校長の首なし死体の磔事件。T字に磔られる被害者。続くT字磔事件。被害者は富豪とヨットに乗る紳士、死者の磔。被害者3人の共通点。モンテネグロで起きた過去の事件と復讐者。ピート爺さんの小屋でエラリーが見つけた証拠。「ヨードチンキの論理」

     2011年8月25日読了

  • 昔読んだはずだが、まったく覚えていない。当時はそれなりに楽しんで読んだような。

  •  ずいぶん昔、子ども向きに書き直されたものをよんだことがある。ずいぶん雑なダイジェストだったと記憶している(さすがに裸体主義の娘さんはぼかされていた)が、それでもひどく楽しかった。

     首を切り離されT字にはりつられた死体が4つというだけもずいぶん派手だ。その他あれこれと奇妙な連中が暴れまわり、最後は犯人名を 明かさないままの大追跡である。思い切り派手な展開なのに、最後は薬ビンひとつで勝負が決まるのがすごい。あっけにとられるあざやかさである。

    まあ、そういう点では、そこまでの展開は決め手の証拠を出すまでの追い込み立ったわけで、ミステリとしての面白さより展開の面白さで引っ張っていかれた感じがする。そういう点では少し物足りない。面白いからいいんだけどね。

     それにしても、これを子どもにミステリ入門として読ませるのはいいと話だと思う。あ、首を切り落とすなんて残酷な、と眉をひそめるような発想は当然だけど。最後の驚きも、何で気がつかなかったんだろうっていう悔しさもなかなかのものである。ミステリっておもしろいなって思えるんではないかな。もちろん、首を切り落とすなんて残虐な、と眉をひそめて禁書にしなければいけないんだけど。
    2009/10/23

  • 1932年発表
    原題:The Egyptian Cross Mystery

  • アメリカはウエスト・バージニアの片田舎で起きた凶悪な殺人事件に興味を抱いたエラリー・クイーン。その惨状は、T字路に立つT字型の道路標識に、首を切られた死体が磔にされており、被害者宅の扉にはTの血文字が残されていた。「T」とは何を意味するのか。やがて同様の殺人事件が離れた別な地域で起き、単身現場にかけつけるエラリーが事件の謎を解こうと推理を巡らせるが…。NYでの活躍が中心だったエラリーが、クイーン警視とは行動を別にし単身地域を駆け回るところがこれまでと違う点。前半は「T」をめぐっての宗教的象徴、タウ十字架と博学者らしい解釈、古代宗教的な狂信者、裸体主義者村など、事件の異常性を強調するような記述が多く、謎めいた雰囲気を深めている。第2の殺人からエラリーの恩師ヤードリイ教授が登場し、エラリーとの討論相手として議論を活発化させ、時にエラリーのお株を奪う活躍ぶりを見せてくれる。クイーンの国名シリーズ初の5つ星をつけたのは、さすがシリーズ最高傑作といわれるだけあって面白かったから。なにが面白いってエラリイの論理的推理、終盤の3重追跡劇で盛り上げてくれた点。そしてなにより、今回は自分の推理が当たってたから!(しかも読者への挑戦の前にすでに犯人の目星がついていた!!)なんとも個人的な理由だが…そもそも読書とは個人で楽しむものだから、それでいいのだ!(と一人合点)。犯人の名前は途中から明らかにされているが、その正体がわからない。事件関係者の中にすでに紛れているのか、全くのよそものなのか。そして(犯人が)トヴァー3兄弟のうち、一人だけ離れた所に住むアンドレヤの行方をどうやってつきとめたのか…とエラリーが自問する場面で…「なぜ一人っきりのアンドレヤが真っ先に殺されなければならなかったか」とその必然性を考えたときに、半ば直感的に犯人が分かってしまった。第4の殺害現場に落ちていた色の濃い青色のガラス瓶とヨードチンキの描写で予想が確信に変わった。遺体をT字にしたその理由は、狂気的なものではなく、きわめて実際的なものだったのが若干拍子抜けしたが…まぁもっともな理由といえよう。やっと面白くなってきた(って言ったらクイーンファンに怒られそう)このシリーズ。続きもまだまだ楽しめそうだ。

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