クイーンのフルハウス (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-28)

  • 早川書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150701284

感想・レビュー・書評

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  • 評価高めなのは、全エラリー・クイーン作品の中で一番というか唯一気持ちが揺さぶられる「キャロル事件」が入っているから。「アメリカの悲劇」的なテーマで、恵まれない境遇から努力で這い上がった主人公が追い詰められる悲しさが胸を打ち、愛情と非情、大切な人達を守るための打算や裏切りなど人間の多面性が掘り下げられている。それら全てを受け止めて探偵がとった行動は、国別シリーズの頃から180度変わってフィリップ・マーロウに近い。
    短編集のタイトルはクイーンにかけて五編でフルハウスというのが、お洒落で気が利いているけれど、どれがスリーカードでどれがワンペアか?長さ基準?この「キャロル事件」に寄席の小噺的「パラダイスのダイヤモンド」が並んでいるが、どうピックアップすればここまでバラバラで収拾つかなくできるのか意図が読めず、不思議なほどまとまりがないのが逆に凄い。

  • ミステリー短編集

     なかなか楽しいミステリー。おおむね後味良く気持ちいい読書タイムだった。

     ただ、「キャロル事件」だけはちょっと反則気味練。つかまった犯人が結局犯人なので。もちろん、それなりの帰結があるんだが・・・。

     作品は次のとおり。中編:「ドン・ファンの死」「ライツヴィルの遺産」「キャロル事件」、短編:「Eの殺人」「パラダイスのダイヤモンド」

     ミステリーというか推理小説は、その背景が好きだ。つまり街の描写や服装や立ち居振舞いなど。ただ、外国作品の場合、結末がわかりづらいものがあるのが残念。

     死者の最後の言葉である「パラダイス」が「ペア・オブ・ダイス」であったり(もちろん、英語で読むとそう聞こえる)、「W」が「E」に見えたり「3」に見えたりギリシャ文字に見えたりというところは、ひざをたたいて「なるほど」という結末ではない。

  • 悪くはないのですが
    1作品を除いてはぱっとしない作品が多く
    イマイチな印象を受けてしまいます。

    その代わり最後の作品は面白いです。
    ちょっと特殊な作品と言っても
    過言ではないでしょう。
    ミステリーではおきないと思われる現象が
    起きてしまうのですから。

    舞台の幕を章に仕立てた作品は
    設定は面白いのですが
    なんだか盛り上がりには欠けています。

  •  2001年12月29日購入

     2002年1月28日読了

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