パンチとジュディ (ハヤカワ・ミステリ文庫 クラシック・セレクション)

  • 早川書房
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本棚登録 : 55
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150704131

感想・レビュー・書評

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  • 「金」にまつわるミステリー事件では、往々にして捜査する側の内部組織が疑われるがその一つだ。いくつかの証拠に、アリバイ等を用意するのはお手の物、だがやはりミスはどこかで発見され疑問を持たれ、解決に向かう。この小説のミスは偽金で挟んだ本物紙幣束を見抜いたこと、複雑化させる人物・証拠・アリバイなど人柄からの陽動心理作戦だ。

  • 翻訳ミステリって、馴染みのない文化やワードもあったりして読みづらいから、読んでるうちに寝落ちしてしまうケースが多い。(つまらないからじゃなくて、面白いんだけど寝ちゃう、みたいな)
    でもこの本は、前半は一気に読み進められた。もう、ケンを勘弁してあげてー、ってくらい色々な事件が起こって、ちょっと笑っちゃうくらいだった。
    そしてほんとに翌朝結婚式なんてできるの?なんて思ってたけど最後もきっちり終わって良かった。ミステリというより、アドベンチャー的な感じだった。

  • 異色のスパイもの。
    もちろんご多分に漏れず
    狂気めいた雰囲気つき。

    せっかくの爽快感も
    狂気に押しつぶされて
    なんかさびしいものがあります。
    というか、爽快感は歴史ミステリ以外
    カーには求めてはいけない…

    ただし犯人は思わぬところから
    出てきますよ。
    ヒントは出てくるけど、
    たぶん情報に惑わされて
    見えなくなっているかと。

    ちなみにこの作品は
    ある意味完全な解決を見ません。

  • 「これまで、わしは数多くの変わった事件を手がけてきた。わしはパンチとジュディの芝居に出てくる道化のようなものだ。階段の上から頭を出すたびに、誰かに棒で叩かれる。そして、観客はどっと笑うのさ。だが、いいかね、パンチとジュディの芝居で最後まで生き残るのは道化だけだ。誰にも褒めてはもらえない。ふん」

    2023/6/11読了
    カーの作品で、特に〈H・M〉ものはドタバタ喜劇的な要素が強いのだが、本作はタイトルからしてドタバタ全面展開。しかし、明日結婚式だっていう部下を事件に引っ張り込むとか、パワハラにも程があるだろう、H・M!

  • 2020/06/11読了

著者プロフィール

Carter Dickson (1906-1977)
本名ジョン・ディクスン・カー。エラリー・クイーン、アガサ・クリスティーらとともにパズラー黄金時代を代表する作家のひとり。アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれる。1930年、カー名義の『夜歩く』で彗星のようにデビュー。怪事件の連続と複雑な話を読ませる筆力で地歩を築く。1932年にイギリスに渡り、第二次世界大戦の勃発で一時帰国するも、再び渡英、その後空襲で家を失い、1947年にアメリカに帰国した。カー、ディクスンの二つの名義を使って、アンリ・バンコラン、ギデオン・フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿(H・M卿)らの名探偵を主人公に、密室、人間消失、足跡のない殺人など、不可能興味満点の本格ミステリを次々に発表、「不可能犯罪の巨匠」「密室のカー」と言われた。晩年には歴史ミステリの執筆も手掛け、このジャンルの先駆者ともされる。代表作に、「密室講義」でも知られる『三つの棺』(35)、『火刑法廷』(37)、『ユダの窓』(38)、『ビロードの悪魔』(51)などがある。

「2023年 『五つの箱の死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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