別れの顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-5)

  • 早川書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150705053

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったなぁ。
    相変わらず気の利いた会話も格別強い印象のキャラクターもいないのですが読み進めてしまう。
    しかも、何が気になるのかも分からず読み進めてしまう。盗まれた金の小箱はすぐに見つかるし、不安定なニックにも特に興味はもてないし、序盤に殺されたチンピラは全然存在感がない。おまけに話は複雑で入り組んでいて、わかりづらい。
    ただ、一気にラストまで持っていく展開力が不思議にストーリーにはある。

    読み進めていくうちに、トラットウェル家とチャーマーズ家の過去の秘密が少しずつ見えてきて…。
    リュウ・アーチャーと一緒に寄り添って過去を辿り、人間を見つめていく。
    犯人はいつも幻想の中に生きていた…
    裏にある人の哀しさに触れることがとても魅力的な作品です。

  • 押し寄せる睡魔に半ば勝ち、半ば負けながらの読書だったため、ほとんどストーリーを把握しないまま読み進んでいったにも拘らず、最後の章でバタバタ、と不明だったピースが嵌め込まれ、全体像が浮かび上がる所が凄い。

    今回は終わってみれば実はサイコ・サスペンスでロス・マクドナルドの心理学への興趣が色濃く表れている。
    また、最後の章の盲目の母の何気ない一幕で、無力だと思われていた存在が実は絶大なる支配力を持っていたという畏怖を表す所もまた印象深い。

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