幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

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制作 : 稲葉 明雄 
  • 早川書房 (1976年4月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150705510

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))の感想・レビュー・書評

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  • 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

    冒頭の名訳が有名な本作。

    スコット・ヘンダースンという男が、冤罪にかけられた。
    妻殺しによる死刑を回避するには、彼のアリバイを唯一証明できる、かすかな記憶の残滓にある名前も知らない「幻の女」のゆくえを探すしかない。
    死刑執行まであと18日。親友・ジャック・ロンバードによる、「幻の女」の調査がはじまった。


    50年以上前に書かれた古典。
    ミステリとして見ると、粗削りでムリヤリな点が多い。
    また、全433ページのなかで、親友が初登場するのが137ページ。
    4分の1を過ぎたところで、やっと登場するのだ。
    やや冗長にも感じてしまうところもあるが、ちかづいたと思ったら遠ざかる「幻の女」のスリルはたまらない。

    本作が評価されている理由は、フェアで見事なトリックではなく、理性より感情に訴えかけるサスペンスの要素だろう。
    最期のどんでん返しは、素直に驚いた。
    けなげでチャーミングなスコットの愛人、キャロル・リッチマンも魅力的だ。


    そして、読了した今でも目を閉じれば、燃えるようなオレンジ色の帽子の「幻の女」が、念頭にうかぶ。
    実際に見たこともない彼女の存在が、心にのこる作品だった。

  •  妻殺しの容疑がかけられた夫。夫は一人の女性と一晩中ずっと一緒にいたと証言するのだが、なぜか女性の目撃証言は全く得られない。死刑判決が夫に下される中、刑の執行までにアリバイを証明できるのか。

    『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった』

     この冒頭の一文がとにかく有名な一作です。この一文自体もお洒落かつリズム感もよくて印象的なのですが、この冒頭から始まる”幻の女”との一夜の描写の洒落てる感がとにかくすごい!そのためか、この女との一夜自体が”幻”だったのじゃないか、と読み始めは本気で思いました(笑)。重要な証拠が見つかりそうになるたびに、それがスルリと逃げてしまうのも、まさにこの本のタイトルらしいと、思います。

     ミステリとしては結構強引な展開が多いです。しかしハードボイルド的な展開に、独特の詩情あふれる文章は現代においても色あせてないと思えます。もちろんタイムリミットサスペンスとしても十二分に現代サスペンスに通用する出来です。

     海外ミステリーを語るうえでは外せない作品と言われるだけあって、展開、文章どちらも楽しまさせていただきました。

  • 僕にとって長くベスト1ミステリの座に君臨していたのが、この「幻の女」だった。子供の頃、地元の本屋で唯一入手可能だった創元推理文庫のラインナップに、アイリッシュの長編は「暁の死線」と「黒いカーテン」しかなく、乱歩が「ベスト10級の傑作」と激賞したというガイド本の記述を読む度に、何とか入手する方法は無いかと煩悶したものだった。早川書房がミステリー文庫をスタートし、その中に「幻の女」のタイトルを見つけた時の喜びは今でも鮮明に覚えている。そして眼に飛び込んできたアイリッシュ独特の美文調。「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」美しいメロディのような文章がドキドキするほど心地よかった。もちろん徹夜の一気読み。そのサスペンスと鮮やかすぎる結末に大感激だった。今でこそ、この手のストーリーは珍しく無くなったが、オリジナルとしての魅力は今も全く色褪せていない。必読の傑作と思う。

  • 「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

  • 冒頭の一文だけでなく、事件が起こるまでの鬱々とした彼の描写が素晴らしい。

  • 文庫で表紙も値段も違うが検索で出なかったので、この本を登録する。主人公は嫁殺しの容疑で死刑囚になるが、ちゃんとアリバイがあった。名も知らぬ地味な女をナンパし食事と舞台とBarに一緒に行き数時間共に過ごしたのだが、店員やタクシーなど誰からも女と一緒だったと証言してもらえず何かが変だと思い始め、大親友の男に死刑執行の前までに、その幻の女を探してもらうようになったのだが…犯人はこいつだ。と自己流推理しながら読んでたから真相が楽しみだった。だが犯人は想像と違ってた。図書館で借りた本。

  • ネットで見かけて。

    素晴らしい。
    古典に選ばれるだけのことはある。
    途中で犯人を当て推量することができるが、
    それでも最後までハラハラドキドキがとまらない。

    アリバイ証人になるはずの謎の女性、
    死刑執行までのタイムリミット、
    証人を追うのも謎の女性、
    積み重なる死、
    髪の毛ほどのか細い手がかりでなんとか突き止めた謎の女性と、
    非常に見事だ。

    解説で「黒衣の花嫁」と同じ著者だと知って驚いた。

  • いやいやありえないよ〜とか思いながらも面白かった。

    白黒映画が似合いそうだなと思って調べてみたらやはり映画化済みでしたね。

    是非とも借りてみようと思います。

  • ミステリーの名作

  • "夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。" はもちろん有名だけど "正札はあたしが自分でつけたのよ、値切らないでちょうだい。" の言葉も好き。

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