幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

  • 早川書房
3.83
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本棚登録 : 1237
感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150705510

感想・レビュー・書評

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  • 男は夜の街で奇妙な帽子をかぶった女と出会う
    女を誘って食事をし、カジノ座に行き、酒を飲んで別れ、家に帰ってみると妻が何者かに殺されていた
    自分のアリバイを証明してくれるはずの女を覚えている者はなくこつ然と消えてしまう
    あたかも"幻の女"であったかのように
    そしてページをめくっていくと驚愕の事実が姿を現す!!!…うん読んだことあるわw(驚愕の事実ってそれかよ!というね)

    そりゃあそう
    そりゃあそうですよ!こんなミステリーの名作中の名作を読んだことないわけないじゃないですか!
    やだなぁ(そして多分持ってた)

    すみません、完全に忘れてました
    そして途中で思い出しました
    そしてこういう時に限って結末も思い出しちゃいましたw
    解説を読んでそういえば江戸川乱歩が絶賛してたんで読んだんだっけというのも思い出しました

    んでも面白かった!
    読んで良かった!
    いや読み直して良かった!!

    そしてこの時代は良かったなぁなんて思いました
    今だったらこんなん科学捜査で一発やんな
    まぁ今は今でそれらを活かした名作が生み出され続けてますけどね
    ミステリーに底はない!(なんか名言ぽく言った!)

  • 寝ても覚めても「幻の女」の一冊。

    先が気になるこの展開、寝ても覚めても頭の中は「幻の女」、それぐらいがっつり魅了された超一級品。

    奇妙な帽子を被った女性と過ごした時間はまるで薄い霧に包まれたかのような幻想的なひととき。

    そして帰宅後から始まる悪夢のような時間。

    絶望的な展開、手からするりと抜ける尻尾のような幻の女、残された時間、絶体絶命、カウントダウンと共に心臓が早鐘を打つ。

    そして迎える結末に別の意味で心臓をやられた。

    これは確かにいつまでも色褪せない不朽の名作。大満足。

    • くるたんさん
      観てみたい気もするー!ジャパニーズ版幻の女(⸝⸝˃̶͈ ૢ ૢ˂̶͈⸝⸝)
      観てみたい気もするー!ジャパニーズ版幻の女(⸝⸝˃̶͈ ૢ ૢ˂̶͈⸝⸝)
      2019/03/05
    • あいさん
      違った。ウィリアムアイリッシュだけど「喪服のランデヴー」やった(笑)全然違う(^_^;)
      20年くらい前、藤木直人若かった。
      違った。ウィリアムアイリッシュだけど「喪服のランデヴー」やった(笑)全然違う(^_^;)
      20年くらい前、藤木直人若かった。
      2019/03/05
    • くるたんさん
      アイリッシュ作品って、やっぱり映像化たくさんされてるのかね(*^^*)♪

      古い映画「裏窓」もそうだった。

      20年前の藤木直人かぁ…(⸝⸝...
      アイリッシュ作品って、やっぱり映像化たくさんされてるのかね(*^^*)♪

      古い映画「裏窓」もそうだった。

      20年前の藤木直人かぁ…(⸝⸝˃̶͈ ૢ ૢ˂̶͈⸝⸝)
      2019/03/06
  • 久しぶりの帰省で見つけた本を備忘録として登録。
    自分でも内容をよく覚えてないのでレビューが書けません。

  •  妻殺しの容疑がかけられた夫。夫は一人の女性と一晩中ずっと一緒にいたと証言するのだが、なぜか女性の目撃証言は全く得られない。死刑判決が夫に下される中、刑の執行までにアリバイを証明できるのか。

    『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった』

     この冒頭の一文がとにかく有名な一作です。この一文自体もお洒落かつリズム感もよくて印象的なのですが、この冒頭から始まる”幻の女”との一夜の描写の洒落てる感がとにかくすごい!そのためか、この女との一夜自体が”幻”だったのじゃないか、と読み始めは本気で思いました(笑)。重要な証拠が見つかりそうになるたびに、それがスルリと逃げてしまうのも、まさにこの本のタイトルらしいと、思います。

     ミステリとしては結構強引な展開が多いです。しかしハードボイルド的な展開に、独特の詩情あふれる文章は現代においても色あせてないと思えます。もちろんタイムリミットサスペンスとしても十二分に現代サスペンスに通用する出来です。

     海外ミステリーを語るうえでは外せない作品と言われるだけあって、展開、文章どちらも楽しまさせていただきました。

  • 古典ミステリ。今読んでも色あせない。
    死刑の期限が迫る中、親友の男は幻の女を探す。関係者が口を揃えて「そんな女は見なかった」という恐ろしさ。届いたと思った瞬間スルッと消える手がかり。
    結局、女の正体は、拍子抜け感はありますが、そこまでのスリルが良い。あとプラットフォームのすれ違う緊迫感、地下室の即興演奏会、小部屋の荒んだ女とのかけひきなど、ストーリーから離れた細部まで脇役まで、各シーンが印象的でイメージしやすくて、さすが名作。

  • 古くは古書店で原書と遭遇した乱歩が、他人が既に購入予定で採り置きしていたものを横取りしてまで読んで、大絶賛した本書。
    早川書房のミステリベスト100アンケートで第1位を獲得した本書。
    また「『幻の女』を読んでいない者は幸せである。あの素晴らしい想いを堪能できるのだから」と誰かが評するまでの大傑作、『幻の女』。
    とうとうこの作品を読む機会に巡り合った。
    内容は既に巷間で語られているせいか、特に斬新さを感じる事は無かった。また有名な冒頭の文、「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」に代表されるほどの美文は特に散見されなかったように思う。それはチャンドラーの文体のように酔うような読書ではなく1日に70ページも進むようなクイクイ読ませる読書だったからだ。
    しかし、当初思っていた以上にその内容は趣向を凝らし、読者を飽きさせないような作りになっているのは素晴らしい。
    主人公が妻殺しの無実を証明するためにアリバイを立証する幻の女を捜すが、なぜか見つからない。ただこれだけの話かと思ったが、主人公ヘンダースンを取り巻く愛人、無二の親友が当日彼に関わったバーのバーテンダー、劇場の出演者などを執拗に探るが最後の最後で不慮の事故に遭い、徒労に終わること。
    これは何度となく繰り返されるプロセスなのだが、それぞれがアイデアに富んでいて非常に面白い。特に愛人のキャロルがそれら関係者の口を割らせるために執拗に付き纏う様はどちらが敵役なのか解らなくなるほど、戦慄を感じさせる凄みがあった。
    そして死刑執行当日に訪れる驚愕の真相と犯人に仕掛けたトリックの妙。親友が主人公の妻殺しの真犯人探しのためにわざわざ南米から戻ってくるというのがそこまでするかなぁと思っていたのが見事に腑に落ちる。そして世界が崩れる音が聞こえ、理解するのに何度も読み返した。
    やはり傑作は傑作であった。
    しかし、私的な感想を云えば、最後に幻の女の正体が判る事は、蛇足だったのではないだろうか。幻の女は最後の最後まで幻の女であって欲しかった。これが正直な感想である。

  • 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

    冒頭の名訳が有名な本作。

    スコット・ヘンダースンという男が、冤罪にかけられた。
    妻殺しによる死刑を回避するには、彼のアリバイを唯一証明できる、かすかな記憶の残滓にある名前も知らない「幻の女」のゆくえを探すしかない。
    死刑執行まであと18日。親友・ジャック・ロンバードによる、「幻の女」の調査がはじまった。


    50年以上前に書かれた古典。
    ミステリとして見ると、粗削りでムリヤリな点が多い。
    また、全433ページのなかで、親友が初登場するのが137ページ。
    4分の1を過ぎたところで、やっと登場するのだ。
    やや冗長にも感じてしまうところもあるが、ちかづいたと思ったら遠ざかる「幻の女」のスリルはたまらない。

    本作が評価されている理由は、フェアで見事なトリックではなく、理性より感情に訴えかけるサスペンスの要素だろう。
    最期のどんでん返しは、素直に驚いた。
    けなげでチャーミングなスコットの愛人、キャロル・リッチマンも魅力的だ。


    そして、読了した今でも目を閉じれば、燃えるようなオレンジ色の帽子の「幻の女」が、念頭にうかぶ。
    実際に見たこともない彼女の存在が、心にのこる作品だった。

  • 僕にとって長くベスト1ミステリの座に君臨していたのが、この「幻の女」だった。子供の頃、地元の本屋で唯一入手可能だった創元推理文庫のラインナップに、アイリッシュの長編は「暁の死線」と「黒いカーテン」しかなく、乱歩が「ベスト10級の傑作」と激賞したというガイド本の記述を読む度に、何とか入手する方法は無いかと煩悶したものだった。早川書房がミステリー文庫をスタートし、その中に「幻の女」のタイトルを見つけた時の喜びは今でも鮮明に覚えている。そして眼に飛び込んできたアイリッシュ独特の美文調。「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」美しいメロディのような文章がドキドキするほど心地よかった。もちろん徹夜の一気読み。そのサスペンスと鮮やかすぎる結末に大感激だった。今でこそ、この手のストーリーは珍しく無くなったが、オリジナルとしての魅力は今も全く色褪せていない。必読の傑作と思う。

    • kwosaさん
      magic227さん

      花丸とフォローをありがとうございます。

      ミステリに興味が出始め、過去の作品にも触れてみようと、オールタイムベストの...
      magic227さん

      花丸とフォローをありがとうございます。

      ミステリに興味が出始め、過去の作品にも触れてみようと、オールタイムベストのランキング等を参考に読んだ『幻の女』『僧正殺人事件』『九マイルは遠すぎる』はどれも面白く、いまでも色あせない魅力に驚きました。

      日本の作家でも、最近ようやく泡坂妻夫さんや都筑道夫さんの素晴らしさに気づき、読むようになりました。

      拝見した magic227さんの本棚はミステリを始めSF、その他わくわくするラインナップでとても楽しいです。

      どうぞこれからもよろしくお願いします。
      2013/02/15
  • 「夜は若く彼もまた若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の心は苦かった」という稲葉明雄の名訳が素晴らしい。妻と喧嘩し部屋を飛び出したスコットはバーで〈かぼちゃ型の帽子〉を被った女に会う。その女と芝居を観に行き、部屋に戻ると刑事が待っていた。そしてネクタイで絞殺された妻の死体。スコットは殺害容疑で逮捕される。スコットのアリバイを証明できるのはかぼちゃ型の帽子の女だけ。しかし彼女は現れない。スコットに死刑宣告が下る。果たして女は実在するのか?彼女はどこなんだ!と一緒になって探し回る気分。彼女しか自分の無実を証明できる人はいない。この強烈なスリルは衝撃的でした。語るまでもない名作!

  • 冒頭の一文だけでなく、事件が起こるまでの鬱々とした彼の描写が素晴らしい。

  • 文庫で表紙も値段も違うが検索で出なかったので、この本を登録する。主人公は嫁殺しの容疑で死刑囚になるが、ちゃんとアリバイがあった。名も知らぬ地味な女をナンパし食事と舞台とBarに一緒に行き数時間共に過ごしたのだが、店員やタクシーなど誰からも女と一緒だったと証言してもらえず何かが変だと思い始め、大親友の男に死刑執行の前までに、その幻の女を探してもらうようになったのだが…犯人はこいつだ。と自己流推理しながら読んでたから真相が楽しみだった。だが犯人は想像と違ってた。図書館で借りた本。

  • ネットで見かけて。

    素晴らしい。
    古典に選ばれるだけのことはある。
    途中で犯人を当て推量することができるが、
    それでも最後までハラハラドキドキがとまらない。

    アリバイ証人になるはずの謎の女性、
    死刑執行までのタイムリミット、
    証人を追うのも謎の女性、
    積み重なる死、
    髪の毛ほどのか細い手がかりでなんとか突き止めた謎の女性と、
    非常に見事だ。

    解説で「黒衣の花嫁」と同じ著者だと知って驚いた。

  • いやいやありえないよ〜とか思いながらも面白かった。

    白黒映画が似合いそうだなと思って調べてみたらやはり映画化済みでしたね。

    是非とも借りてみようと思います。

  • "夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。" はもちろん有名だけど "正札はあたしが自分でつけたのよ、値切らないでちょうだい。" の言葉も好き。

  • 上質の古いシネマの中に入り込んだような、クラシックな都会の雰囲気と登場人物たちの洗練された物腰を楽しめるポエティックなミステリ。

    最初、この作品が1942年に執筆されたものとは知らず、何の気なしに、最近の作品だろうと漠然と考えながら購入した。読み始めて数行、美しく古典的な描写に「…あれ?」と思い、出版年を確認、なるほど、この文庫本でさえ、1976年の出版、ということは現地での初版は…ふむ。

    物語のあちこちに、現代では到底醸し出すことのできない独特の華やかさや人々の生活の姿が描き出されていて、まず、その絵画的な描写に読み惚れる。いかにも、50年前のニューヨークなのだ、ここは。

    そう、この頽廃的な美しさは、モノクロームの表紙写真からもうかがえる。小雨の降る夜の街、ぼんやりとガス灯がけぶる。美しく、神秘的で、ここから何かが始まりそうな、シックに謎めいた雰囲気に満ちている。

    殺人の罪を着せられた男、男を追いつめておきながら無罪だと信じる刑事、愛人の若い女、出張先からすっ飛んできた親友の男、そして…「幻の女」。幾人かの登場人物の目を通して語られるいくつかの事実。そこを辿ることで少しずつ見えてくる恐ろしい計画。何もかもが劇的で、美しい嘘に包まれていて、ふと気がつくと一心に読み耽っている自分がいる。

    結末は、多少、強引なところがあるというか、やや無理矢理な印象を抱かざるを得ない点もあるのだが、それにも増して印象的な全体像があるので、細かいところはさして腹も立たない。素敵なモノクロ映画を1本堪能したような気分というか、美術館を一回りしてきた感じというか、とにかく、こっくりとした充実感と共に最後の1ページを閉じられる。携帯電話もパソコンも登場しない、素敵にオールドファッションな、でも抜群にファッショナブルな、ひとときの甘い夢を見せてもらった。

  • つ、ついに読了。なぜここまで読まずにきたかは勘違い~みたい。
    イヤミスだと思ってたから。
    目次のシンプルさに惑わされてました。

  • ずっと気になっていましたが、やっと読みました。
    サスペンス色が強いのかと思っていましたが、意外にミステリ的にもしっかりしていました。
    思っていた感じの作品とは良い意味で違っていて面白かったです。
    1人街を彷徨っていた男は奇妙な帽子を被った女に出会います。
    彼は気晴らしに彼女を誘ってレストランで食事をしカジノへ行き、酒を飲んで別れます。
    そして、帰ってみると喧嘩別れをして家に残してきた妻が彼のネクタイで殺されていたのです。
    犯行時刻、彼は「幻の女」と一緒にいたのですが、その唯一のアリバイの証言が出来る「幻の女」は見つかりません。
    刻々と迫る死刑執行の緊迫感と共に物語は進んでいきます。
    時間との戦いで進んでいく物語はスリルがあって、サスペンスとしてもミステリとしても一級品だと思います。

  • この本は、母上に貸してとお願いし、
    全く返す気の無い(!)
    ミステリーを読む際に、吾輩が全信頼を置いている、
    「東西ミステリー ベスト100」にて、
    第2位!(拍手)

    妻殺しの嫌疑をかけられ、有罪となった主人公

    身の潔白を証明するには、
    事件当夜、バーで偶然出会い、ショーを一緒にみた女に
    アリバイを証明してもらわなければならない

    その女の特徴は南瓜そっくりの形の帽子
    (帽子の真ん中から昆虫の触角のように鳥の羽が一本飛び出している!)
    をかぶっていたこと、その他は不明

    死刑執行までの残された短い期間、

    主人公ロンバートのため、親友と恋人はその「幻の女」を
    探すが…

    面白くて気になって一日半で一気読み

    確かに、決定的証拠がないまま
    死刑まで早いよね?とか、
    (「状況証拠だけじゃ駄目だ、物的証拠がなければ!」
    と刑事ドラマでも言ってたぞ!)

    刑事がそこまで?とか、疑問は多々

    それでも、寝る前に
    誰が犯人かをじっと考えている私がいたよ

    そして…

    以前「わらの女」を読んで
    勧善懲悪じゃないことがこの世に起こりうることも
    勉強しているからね、
    覚悟は出来ているよ。
    でもね…

    読みだして、目次をみて、あれ?でも、あれ?

    最後はへええ!そっか、と。

    うん、大変に楽しめる一冊!

    • kwosaさん
      日曜日さん

      フォローありがとうございます。

      実は先日、ブクログ仲間さんのタイムライン経由で、日曜日さんの『死の接吻(アイラ・レヴ...
      日曜日さん

      フォローありがとうございます。

      実は先日、ブクログ仲間さんのタイムライン経由で、日曜日さんの『死の接吻(アイラ・レヴィン)』のレビューを目にし、おもわず引きこまれました。
      途中まで読んで「いかんいかん、この本はきちんと読まなければ」と涙をのんで引き返したのを思い出します。

      最近『東西ミステリー ベスト100』の新版を読んで、海外ミステリ熱が再燃。
      日曜日さんの本棚の素敵なラインナップにわくわくしています。
      これを機に、積読のままの86年版ベスト100や、その他海外ミステリを引っ張りだして読み、その後レビューを楽しませていただきたいと思っています。

      長々と失礼しました。
      これからもよろしくお願いします。
      2014/02/02
  • 3回読んだ。タイムリミット物。オチが何だったか忘れた頃にまた読むだろう。

  • 東大王 水上氏の本で推薦されていたので読んでみた。「スロウハイツ」に続き2冊目。

    とても古い本であるが、とても面白かった。古典の名作。

    ドラクエのように、課題を終えたらまた次の課題という展開で、途中で本を閉じることができない。

    ツッコミたくなる点がないではないが、素直に面白いと言える小説だった。

    (86)

  • 知人の勧めで。面白くて一気読みしてしまった。


    主人公は妻殺しの冤罪で拘留される。裁判で死刑判決を下される。死刑を免れるには、事件時刻に主人公が連れて歩いていた女に証人になってもらいアリバイとするしかない。しかしその女について目撃証言もないどころか、主人公を見かけたバーの店員や劇場の受付、レストランのボーイは「連れはいなかった」と証言し、女は幻だったのではないかと思えてくる。刻一刻と迫る死刑執行の日。もうダメかと諦めていた主人公に差し伸べられたのは古人の手助け。古人はあの手この手で「幻の女」を探し出そうとするも徒労に終わる。最後の一手でやっと「幻の女」をとらえるが、個人の女捜索の目的は、実は主人公の願いとは全く別のものだった…

  • 古典的名作に対しておこがましいが、うまく出来ている。

    普段ミステリーはほとんど読まず、読むとしても評価の動かない名作ばかり選ぶので、このジャンルに対しては「はずれ」を経験したことがなく、蜜月関係を維持している。

    本作は1930~40年代のNYの、街の魔物性が強く伝わってくるようで、そこも好きな点。

  • アイリッシュの代表作であり、“サスペンス”の代表作。あまりに完璧なので、なにか欠陥があるのではないかと探してしまうほど。古典的ではあるが今でも傑作だと思う。

  • 読み損なっていたのを読んだ。挫折と復活、伏線の張り方さすがでした。今読んでも違和感が少ない。

  • 読者の期待をふくらませ、いかに裏切るか、というのがミステリの醍醐味なら、この小説の読者の騙しかたはなかなかすごい。
    流石に不自然な部分もあるが、裏切り方が鮮やかなのはやられた、って感じ。

  • 「もうやめてくれ」と、彼はおだやかな口調でいった。「ぼくには、そんな値打はない」
    「正札はあたしが自分でつけたのよ、値切らないでちょうだい」
    彼女がたしなめた。

    洒落た文章で語られる、時限付きミステリ。
    章ごとにタイムリミットが示されて、ひっと息を飲む。
    真相の一部はちょっと肩透かしだったが、先の気になる展開の連続で、とても面白かった。
    解説に書かれた、江戸川乱歩の逸話に爆笑。
    大人げなーい!

  • いわずと知れた名作です。名作中の名作なんです。
    彼の作品には、エドワード・ホッパーの絵画が似合います。こちらも「ナイトホークス」という代表作が御座いますが。
    絵心のない私ですら感ずるものを覚えて、PCの壁紙なんかにもしていました。併せてご覧になられる方が居たら幸いというか

  • 「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

  • さすがの名作。まったく色褪せてないです。有名すぎる出だしも最高でした。

  • 久しぶりのサスペンス!

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