興奮 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-1 競馬シリーズ)

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  • / ISBN・EAN: 9784150707019

感想・レビュー・書評

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  • 大穴が続出する障害レース。
    興奮剤投与の疑いが!
    はたしてその方法とは?!

    ディック・フランシスの『競馬シリーズ』初読みですヽ(´▽`)ノ

    ーーーーー

    こちらの作品、なぜ手に取ったかと申しますと、フレンドのお兄様一推しの本。

    フレンド本人は読まないとの事なので、私と別のフレンドが読んで感想文を書くという事に。

    なんだか面白い展開になっております( -᷄֊-᷅ )

    著者のディック・フランシスはかなり有名な方のようです。
    初めて読みました(*´˘`*)

    『競馬』と聞くと、少し抵抗がありまして「ギャンブルやん」「競馬知らないと意味分からないのでは?」と懸念するも、全く問題ありませんでした。

    ハヤカワミステリ文庫ですが、ミステリと言うよりもサスペンスかなという印象。

    犯人云々よりむしろ「興奮剤投与の方法」を推理する流れ。

    主人公ダニエル・ロークは馬丁となり潜入捜査をします。
    潜入先の厩舎で過酷な労働を強いられ、華やかな競馬の世界の裏側を垣間見た感じがしました…(›´-`‹ )
    じ…実際は違うよね?

    話が盛り上がる中盤までは、登場人物の多さと競馬の世界観について行くのにメモしましたが、半分を過ぎると面白くって一気読み!

    この『興奮』というタイトルは興奮剤という意味だけではなく、ロークの意思・希望・性格のようなものも含まれているのかなぁという印象がありました。
    あと、読者が興奮するよ( ≖ᴗ≖​)ニヤッという意味。

    ダニエル・ロークシリーズがあるのかと思いましたが、彼は『興奮』にしか出てこないようです。

    競馬が分からなくても楽しめる作品でした。

    もちろんお馬さん好きならもっと興奮する作品だと思いますヽ(´▽`)/♡

  • ディック・フランシス、
    本屋さんのミステリのコーナーにも
    ズラズラと二文字シリーズの題名で
    沢山並んでいるから、もちろん存じ上げてはいたけれど、
    実はまだ、一冊も読んだことなかったの。

    今回はこの本をあの児玉清さんが
    「僕の大好きなミステリー、ヒーローに毎回惚れる」と
    書いているのをふと目にし、途端に興味をひかれ、ページを開いた次第。
    (いつものミステリ100選本では19位)
    たぶんこれがなければ、読むことは無かったと思う!

    作者ディック・フランシスはイギリスの女王陛下のお抱え騎手であった。
    全英チャンピオンジョッキーの栄冠を2度も勝ち取った実力があり、
    引退した後、競馬シリーズの著者として揺るぎない地位を築いた、

    と言うのは知識として知っていた。
    (しかしながら「女王陛下のお抱え騎手」なる仕事の内容は全くわからない)

    競馬界に身を置いていたころの知識や体験を
    存分に生かし、どの作品も高水準の素晴らしいもので、
    たくさんのファンに愛されている、とのこと。

    主人公、ダニエル・ロークはオーストラリアで種馬牧場を経営していたが、
    競馬に詳しく、イギリスでは顔を知られていないことを買われ、
    ある紳士からの依頼をうけ、現在イギリスの競馬界で発生している不正事件の調査をすることに…

    しがない馬丁に身をやつし、悪い奴らに誘われるように、ごろつきの真似をし…
    過酷な条件の牧場に潜り込み、真相を探る…

    本当にとにかく、主人公ロークがかっこいいのね。
    まわりの女性たちはみなひきつけられ、
    男性はその為イライラするくらい!

    悪事を考えそうな(でも牧場にはなんとか雇われそうなギリギリの)服装を
    嫌々ながらするところが面白かった。

    ロークをあることで怒っていた人が、それが誤解だと知った時の
    シーンが、好きだな。

    また、綺麗な女の人もたくさん出てくる。
    お顔やファッションの描写も細かくて興味深い。

    真相に迫っていくところ、証拠をつかむところ、
    絶体絶命になるとわかっていて、あえてある理由から飛び込んでいくところ…

    結果、わたしも今や、ロークに夢中。

    ただひたすら強くてかっこいいだけじゃない、
    迷ったり、怒ったり、がっくりしたり、
    弱みをみせるところが、逆に魅力的であった。

    そして、今回選んだこの作品は
    私のイメージでシリーズ中一番と言う評価なんだろうな、
    と勝手に思っていたが、これも人気だけど、シッド・ハレーなる人物が
    出てくる作品が、どうやら大変に人気があるらしい、と
    その後の調べで知った。
    なんだか、これからディック・フランシスで忙しくなりそうです。

    ネットで検索していたら、ディック・フランシスさんが亡くなった時、
    たくさんのファンの方が悲しんでブログに書いておられた。
    好きな作品を発表する人や、持っている本を撮影して載せている人、
    愛されているんだなあ、と思った。

  • 初期の代表作。
    長らくベストワンの位置を占めていました。
    オーストラリアの若き牧場主・ダニエル・ロークが、イングランドの競馬界の重鎮から、潜入捜査を依頼される。
    両親亡き後に弟妹を育てあげることに献身してきたダニエルだったが…?
    フランシスの主人公の中で、もっともハンサムで、おのずと自信があり、自己肯定的。
    時代が違うので、最初に読むには薦めませんが、数冊読むならそのうちの一冊にぜひ。

  • 競馬シリーズ3作目。

    いわゆる潜入捜査は好きではない。
    ただでさえハラハラするのに、
    正体がばれそうになり、
    命の危険にさらされるのがお約束なので、
    心臓がもたない。

    それが、かなりの部分楽しく読めたのは、
    主人公の設定というか、人物像だと思う。
    父母を亡くし兄弟たちのために牧場経営をするオーストラリア牧場主が、
    イギリス貴族に見込まれて、競馬界をゆさぶる不正を暴くべく、
    イギリスで厩務員として働きはじめる。

    服装や髪形で「危ないやつ」に変わっていくところや、
    オーストラリアなまりの英語を直すところ、
    雇い主の娘に陥れられたが、それを隠れ蓑として良しとするところと、
    嫌がらせや暴力に誇りを失いそうになりながらも、
    自分を見失わない強さが印象的だった。
    不正のトリックも面白かったし。

    お屋敷の家令を相手に、
    どれぐらい服装をくずせば、
    信用ならない、しかし雇う気になる男になるかを
    検討している場面は面白かった。

    残念なのは、
    陥れた貴族の娘の姉を連れて、オーストラリアに帰るのかと思っていたのに、
    真実をみつけ、敵を倒す達成感と充実感を知ってしまい、
    工作員となると決心したところかな。

  • イギリスの作家「ディック・フランシス」の長篇ミステリ作品『興奮(原題:For Kicks)』を読みました。

    「ディック・フランシス」作品は今年4月に読んだ『勝利』以来ですね。

    -----story-------------
    〔競馬シリーズ〕
    最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。
    番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか? 
    事件の解明を依頼された牧場経営者「ローク」は、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した!
    -----------------------

    競馬シリーズの第3作目で1965年(昭和40年)に発表され、同年に英国推理作家協会賞(CWA賞)を受賞した作品… 『東西ミステリーベスト100』で海外篇の35位として紹介されていた作品です、、、

    初期の作品は初めて読みましたね… 作品自体は現代にも通じる面白さでしたが、「オーストラリヤ」、「シドニイ」、「バア」、「ウイスキイ」、「ランド・ロウヴァー」、「スエター」等々、外来語の表記方法が時代を感じさせましたね。


    本作の主人公はオーストラリアで種馬牧場を経営する「ダニエル・ローク」… 「ダニエル」は、両親を早くを亡くし弟や妹たちの親代わりとして、経営の苦しい牧場で休む間もなく働き続けていた、、、

    そんな彼の牧場を、イギリスの障害レース理事会メンバー「オクトーバー卿」が訪ねてきて、障害レースの不正を調査するための潜入捜査を依頼する。

    イギリスでは障害レースで思いがけない大穴が続いており、番狂わせを演じた馬は、その時の状況から推して、明らかに興奮剤を与えられていたが、いくら検査をしても興奮剤を投与した証拠がでないという… 「ダニエル」は、迷った末に協力することを決断し、渡英する、、、

    複数の牧場で厩務員を装い調査を行ううちに、大穴をだした馬の多くが、短期間ではあるがハンパー牧場に在籍していたことが判明したことから、「ダニエル」はハンパー牧場に厩務員として潜り込む… ハンパー牧場の厳しい労働条件に耐えながら、「ダニエル」は牧場主の「ヘドレイ・ハンバー」と馬主の「ポール・ジェイムズ・アダムズ」が組んで、人間にはほとんど聞こえない犬笛を使って、馬に恐怖体験をすり込んでいる事実を突き止めた… 大穴を出したレースは全て最後の直線が長いコースで、最後の直線にかかった瞬間に犬笛を吹くと、馬は恐怖心にあおられ、一気にゴールにむかって突っ走るという仕掛けだった。

    「ダニエル」は、「ハンバー」と「アダムズ」が、犬笛と火炎放射器を使って馬に恐怖体験すり込む現場を確認… 悪だくみの証拠を掴むが、そこに「オクトーバー卿」の娘「エリナー・タレン」が現われ、事態は思わぬ方向へ、、、

    「ハンバー」と「アダムズ」に潜入捜査をしていたことを暴かれた「ダニエル」は悪党どもとの争いとなる… そして、クルマで去った「エリナー」は、「アダムズ」から渡されたジン・アンド・カンパリの中に入れられた毒(可溶性フェノバービドン)を飲んでおり、二人は生命の危険に晒される。

    終盤の展開はスリリングかつスピーディーで愉しめましたね… そして、正義感が強く、汚名・屈辱・暴力に耐えながら謎を探る「ダニエル」の真摯な姿勢には共感できたし、懲悪勧善のハッピーエンドも良かったな、、、

    古書店に程度の良いモノがなかなかないのですが… 機会があれば、他の競馬シリーズも読んでみたいです。


    以下、主な登場人物です。

    「ダニエル・ローク」
     種馬牧場の経営者

    「オクトーバー卿」
     障害レースの理事会のメンバー

    「ロデリック・ベケット大佐」
     障害レースの理事会のメンバー

    「スチュアート・マクレスフィールド」
     障害レースの理事会のメンバー

    「ヘドレイ・ハンパー」
     調教師

    「ポール・ジェイムズ・アダムズ」
     馬主

    「エリナー・タレン」
     オクトーバー卿の娘

    「パトリシア・タレン」
     オクトーバー卿の娘

    「ウォリィ」
     厩務長

    「ジャッド・ウィルソン」
     厩務長

    「スーピィ・ターレトン」
     厩務員

    「バディ」
     厩務員

    「チャーリイ」
     厩務員

    「セシル」
     厩務員

    「グリッツ」
     厩務員

    「ジェリィ」
     厩務員

  • 競馬ミステリー小説と言えば…
    この方…………!元競馬騎手でもある!

    巨匠ディッッック・フランシス!!

    はいよ〜!シルバぁぁぁぁ〜!!


    あらすじ


    最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか? 事件の解明を依頼された牧場経営者ロークは、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した!

    ………読み終えてひと言!
    面白い!!男心をくすぐる!ハードボイルド臭!
    題名どおり興奮したじゃあ〜ないか!!

    内容は競馬の話になっているのですが!
    しかも!レースがメインではなく
    あくまでも裏側でストーリーが進んでいくのですが!
    私〜競馬なんて知らな〜いもんって思っている
    あなた!大丈夫!
    私だって最初…競馬か……知らん!
    賭けた事もなければ!見た事ない!
    唯一の知識としては『みどりのマキバオー!』
    ぐらいしか知らない〜もはや知識ゼロ!!笑
    そんな自分でも……
    読み始めはそう思っていました。
    けれど……
    全然大丈夫!知識ゼロでも全然楽しめたぁ〜

    ストーリーも潜入捜査もので
    かなりハラハラドキドキするシーンが多々
    そんな中で主人公のロークが作中で
    ほんっとに色々嫌な思いをするシーンがあり
    もう〜辞めて帰れって何度思った事か……
    それでも!!
    決して折れない不屈の闘志ローク
    う〜ん!めちゃかっこいい〜
    その他に出てくる登場人物も
    いい味出して物語を盛り上げてくれた事もあり
    後半からはイッキ読みしてしまいました!
    そしてラストのロークのひと言に
    思わず!!
    「くぅ〜〜〜っ」と唸ってしまいました!笑笑
    とても面白かったです!



  • 検査に一切引っかからない方法で不正が行われている。

    それを突き止めるべく、面の割れていないオーストリアの牧場主が、厩務員として潜入捜査をする話。

    中盤からは巧妙な不正の核心へと迫っていく。
    パズルのピースが繋がる瞬間、息も止まるような緊張の場面。不穏な展開。

    原題はFor kicks
    「スリルを求めて」

    これを心に留めて読み進めてほしい。

  • 4

  • オーストラリアで種馬牧場を経営していたダニエル・ロークは、イギリスの障害レース理事会のオクトーバー卿に依頼され、レースで行われているらしき不正の調査を引き受ける。障害レースで勝った馬が異常な興奮状態を呈していたため、なんらかの薬物の使用が疑われたものの、検査結果が陰性となったケースが何度も発生した。 手口を突き止めるため、ダニエルは厩務員として潜入捜査を開始する。

    ミステリとしてのプロットもさることながら、イギリスに戦後も根強く残る階級社会の実情や競走馬育成の内情が、期待以上に面白かった。

  • 2019/12/7読了。オーストリアで苦労の末開業出来た
    種馬牧場の経営者ダニエル.ロークが主人公。
    ある日ロークの元にイギリスの障害レースを監督している
    協会理事の一員である男爵オクトーバー卿なる人物が訪ねてくる。卿が言うには、競馬界で不正薬物が使用されてお
    り競馬界を救おうとロークにその内偵を依頼にきた。
    そのために多額の報奨金まで提示されたのだ。
    ハラハラドキドキの展開で、エンタメ性もあり楽しめた。
    最後の結末が笑える。

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