われらがボス―87分署シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-3)

  • 早川書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150707538

感想・レビュー・書評

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  • これ読んだ記憶が。。

  • ◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第五回
    ・・・ 第五回 「われらがボス―87分署シリーズ 」 ・・・

    せっかくなので、エド・マクベインの話の続きをーー。
    マクベインの87分署シリーズは、群像の警察もの、というジャンルを作った、ということも画期的(「相棒」なんかもここに含まれますね~)で、とにかくプロフェッショナルな作家なので、どれもうまくて読みやすいから全部読んでもかまわないんだけど、10巻ごとくらいに飛び飛びに読むと、いっそうアメリカの変化を感じる感じがする。
    そうして、かなり実験的な先駆者的な作品にもお目にかかれる。
    「われらがボス」
    は刑事たちの捜査と10代の抗争(えーと「ウエストサイド物語」みたいなの)が交互に語られるんだけど、それがずーっと10代のボスの一人語り……。
    出たときはあまり唐突すぎて評判よくなかったようだったけど、私はすごいと思った……。
    話としての出来はともかくとして、何せこのボス、告白、というより、自慢?
    なんだから。
    1960年代にすでにカポーティが「冷血」書いてるからサイコチックなものの走りではないけど、でもって狂気ならわかるけど、そうじゃなくて、正気なんだもの。
    いま読んだらかなり牧歌的に感じるかもしれないけど、これが定着しちゃった今のほうがすんなりわかるかもしれない。

    2018年03月06日

  • 87分署シリーズの一冊。少年ギャングの抗争が物語の中心。

    話の内容よりむしろ、刑事たちの日常の何気無い会話や振る舞いが、しゃれている。
    バート刑事のプロポーズのシーンなんて、素敵すぎる。

    ただ、訳の古さは否めない。ギャングが愚連隊。ちょっと乗れない。新訳ででたらいいのに。

    それと、警官のやりとりは魅力的だけれど、物語そのものはそれほど魅力的じゃない。それが惜しい。
    酒屋が爆弾で壊され、無辜の少女が腕をもがれて死ぬシーンとか、うまいけど。

  • 87分署シリーズ♪いつもと毛色が違うぞ(^・ェ・)キャレラ&クリングの捜査パートと犯人の供述文が交互になっていて面白かった☆
    面白刑事コンビも登場して一安心(笑)
    でも読み終わってみるとストーリーはパッとしない印象になった。
    あとクリングプロポーズするの巻(^O^)

  • 『87分署シリーズ』三作目は、拮抗するギャング三勢力の抗争を描いたハードなストーリーで、前作の『通り魔』からは13年の月日が流れています。

    物語の始め、キャレラとクリングが登場する際に13年という時間が経過していることが記述されているのですが…ここで、私たちは驚愕の事実を知ることになります。

    あのクレア・タウンゼントが、すでにこの世を去っているという悲しい知らせを、こんなにも冒頭で打ち明けられるとは。


    かくして、脳天への強烈な一撃を与えられたような始まり方をする本書には、もう一つ新たな手法が用いられています。

    それは、時系列的に進行する物語の大筋に、ギャングのボスの供述がことわりもなく交錯してゆくという点です。

    実力伯仲のギャング団の三つ巴の抗争がいかにして進行していったのかを、ボスの供述が明らかにする一方---キャレラとクリングが『死ななくても良かったはず』の男の殺人について、いかにして真相を明らかにしてゆくのか---

    両者はラストで一つの真実へと、見事な一致を見せます。
    エド・マクベインの新たな試みともいえる斬新な構成が、何ともいえないやり切れなさや、スリリングな描写を巧みに演出しているのです。


    前作では新婚旅行で出番のなかったキャレラ。
    今作では、彼の大活躍が見られることでしょう。

  • 1973年発表
    原題:Hail to the Chief

  • 87分署シリーズ3作目。
    14年の月日が流れているうえに、バート・クリングの片思いの相手がその間にあっさり殺されていてビックリ。
    いい雰囲気だったのに…。

    しかも今作は、今までの2作とガラリと文体を変えてきているので更にビックリ。
    三人称だったり一人称だったり、会話のみの構成だったりと非常に斬新。
    そしてシリアスな展開かと思いきや、合間合間にコントの様な展開が入ってくる。
    今回の主なコント要員はマイヤー・マイヤーかな。

    シリアスとコメディの使い分けのうまさが、作品にいいテンポを与えて読む者を飽きさせない魅力にもなっているのだろう。

  • 87分署シリーズ3

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