- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150712587
感想・レビュー・書評
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人間の大地に続いて飛行機もの。
この本の存在を知ったとき、「ロアルド・ダール?え、あの…?」とすごく驚いた。
子供の頃、彼の書いた本が大好きだった。
『チョコレート工場の秘密』、『マチルダは小さな大天才』、『魔女がいっぱい』など、内容はうろ覚えだけどその当時の読んでいて楽しかった記憶は今でも明確に覚えてる。
ところがこの本は童話とは打って変わって戦争体験を書いた自伝。
訓練ないまま飛行機操縦させられて死にかけたりなど、なかなか大変な目には遭ってるにもかかわらずなぜか作中に悲壮感みたいなものは一切ない。
日本で「戦争もの」と言われると、個人的には大岡昇平の『俘虜記』や『野火』、最近のだと百田尚樹『永遠の0』とか重いのばっかが思い浮かぶので、結構新鮮だった。(戦争に勝った国と負けた国の違い!と言われたらそれまでなんだけど…)
読み終わって改めて、もう一回あの頃好きだったロアルド・ダール作品を読み返したくなった。当時と同じようにはもう読めないだろうけど、きっとそれはそれで面白いんじゃないかと思う。
彼の幼年期についての自伝『少年』も読んでみたい。
あと、解説は宮崎駿。これもとてもいいのでぜひ。
宮崎駿がこの作品を、というかロアルド・ダールを好きなの、解釈一致すぎて一人でうんうん頷いていた。笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいると、紅の豚を思い出しました。
似たような描写があったような。。。(うろ覚えです) -
ロアルド・ダールの生き方
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ロアルド・ダールのノンフィクション飛行記・自伝。 今じゃ見られない"新世界"に興奮しちゃいます。
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ロアルド・ダールがシェルの社員としてアフリカに駐在するためにイギリスを発つところから、第二次大戦でのパイロットとしての従軍の話、そしてイギリスに帰国するまでの自伝。
私は存じ上げなかったのだが、児童作家としても有名だそうで、一度読み始めると引きこまれるような文章だった。
日本では従軍記となるとついつい重苦しくなるが、本書ではそのような感じがまるでしない。80年前のアフリカの姿が生き生きと描かれ、戦闘機に乗り空から見る動物の群れなど、読むだけで眼前にまざまざと甦るようだった。
そして、英空軍の訓練、作戦の話などを読むと、結構いい加減だったのだとわかる。 -
いつ買ったのか正確に覚えていないが、家にあったので読んでみた。
挟まれた栞を見る限り、品川駅で買ったみたいなので、新幹線に乗る前の旅情に釣られて買ったんだろう。
戦時中の話ではあるが、重苦しさはなく、旅行記を読んでいるような感じ。
常に自分の中のギリシャやパレスチナでの思い出、というか空気や匂いや喧騒が、頭の中で感じられて、とても心地よく、旅立つ前のワクワク感を楽しみながら、読むことができた。
『少年』も読んでみよ。 -
20世紀初頭の飛行機乗りの自伝。当時の人がみんなそうなのか、この著者が特別なのかわからないが、すべての人が慈愛に満ちている。
まさに古き良き時代を感じる名著。 -
紅の豚のモチーフ(?)になったお話。
お話 というか、著書の自伝なのだが。
シェル石油にからアフリに派遣された、まだうら若い著者が大自然で出会う動物や人々の生き生きとした姿。
世界大戦に突入し志願兵として航空隊入り、そこで必死で敵と戦う姿。
そこかしこに死というものが存在するのだが、少年のような心で通してみるその姿はなぜか血なまぐさくなく、それはまさしく冒険物語。
宮崎駿が好きだというのがよくわかる。
ちなみにあとがきも宮崎駿が書いている。
さわやかに読み終われた一冊。